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異世界ハーレム飛行~アマゾネスの星ってアリですか?~  作者: 印朱 凜
第4章 オーミモリヤマ市
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コンコルディア

 市長は、ぐいと前のめりになって話を続けた。開いたシャツの隙間から覗いてるよ……意外と大きな胸の谷間が。迫力があってチラチラと気になるんだよな。


「あなた方が乗ってきた宇宙船は……ビワ湖にあるシャトルの他には?」


 さすがに図体のデカいベンチャースター号は、すぐに発見されたか……陸に上げるのが精一杯で、隠匿する余裕はなかったからなぁ。いたずらされたりしないだろうか……そんな事を思いながら答えた。


「衛星軌道上にある母船のインディペンデンス号です。 国際連合宇宙局(UNOOSA)所属・耐ハイパーディメンション型SLPD‐7 オバマ級宇宙揚陸艦となります」


 市長はインディペンデンス号に搭載されている地球からの補給物資に興味があるようだ。

 ケプラー総督府にいるであろう官僚連中もそれが目当てなのだろうか。ミューラー市長は少し困った表情を作って言った。


「30年以上、地球からの補給と情報が途絶えたケプラー22bにおいて科学文明は、どんどん衰退しつつあるのです」


「文明衰退の前に、この惑星で少数派となった男は、なぜ女に組み敷かれ奴隷化しているのですか。女尊男卑の社会でないと、この過酷な環境で生き残れないのでしょうか」


 僕は、たかが100年程度で、ここまでアマゾネス化が進んだ事実が未だに信じられなかった。


「開拓移民がこの惑星に降り立った当初、男女は同格でした。しかしながら男は必ず権力闘争を始め、秩序をもって共存すべき社会を乱します。オスが集まると、戦って必ずボス猿を決めなくてはならないかのようです……それは地球の歴史が証明しているはず」


「女でも派閥を作って争うわ」

 

 知性派ジャガーのスケさんが市長に意見する。ミューラー市長は少しまごついたが、すぐに落ち着きを取り戻した。


「それでも殺し合いに発展するほど愚かではありません。闘争によって人口を減らす事は植民惑星にとって致命的であり、そのまま人類の絶滅を意味します。それだけは絶対に回避しなくてはなりません」


「…………」


 僕は市長との会話を、貴重な証言として報告書に記録してゆく。横手のソファには白衣のシュレムが大人しく座っているが、コンタクト・ドライブシステムのカラクリには気付くまい。

 カクさんはシュレムに小声で伝えた。


「市長の方が大きいが、形はシュレムの方が好き」


「キミは何の話をしているのかな?」


 カクさんの尻尾はナースシューズで踏まれた。


「きゃん」



 

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