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異世界ハーレム飛行~アマゾネスの星ってアリですか?~  作者: 印朱 凜
第4章 オーミモリヤマ市
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パンドラ

 不可解なノスタルジーを感じさせる少し古びた街中を歩いていると、やはりノスタルジックな服装をした人々の視線が気になってくる。

 

 銀行員のような紺のスーツを着こなすスカーフを巻いたオバちゃん、派手なTシャツにデニムパンツといったラフな出で立ちのネエちゃん、赤いランドセルにリボン付きの上着とフリフリスカートのお嬢ちゃん……こいつは2010年代の世界そのままだ。

 

 街を行き交うケプラー人は老いも若きも女性ばかりなので、男性丸出しの僕がシュレムと対等に会話しているのがとても珍奇に映るらしい。ジャガーとオオカミのお供を連れているので尚更だ。

 市長に会うために良いスーツを着ているから、B級奴隷とは区別がつくはずだが。


「てめえら、見せモンじゃあねぇぜ!」

 

 カクさんが牙をむき出し、うなり声を上げて周囲を威嚇する。すると集まってきた野次馬は一斉に散っていく。

 後には脱げた靴が残され、カクさんのいい玩具となった。


「このパンプスは20代前半……年頃のギャルが履いていた物かな?……」


 カクさんは、ここぞという時の集中力を発揮して盛んに匂いを嗅いだ。


「く、臭ッ! み、水虫!?……ぐおおおおぉ!」


 ゴロゴロと地面に転がり鼻を地面に擦りつける。


「……お前、本当に学習能力あるのか? 前にも同じような事態を経験していたはずだが?」


 僕は靴の持ち主を探して返却したが、あからさまに嫌な顔をされた。中東系のすごい美女だったが、笑顔でないと台無しだな。

 

「やっぱり男は自由に外も歩けないのか」


 シュレムに訊いてみる。


「……当たり前よ。男は奴隷であるのと同時に女の財産。地下の専用部屋で大人しくしているわ」


「シュレムさんは、よくもまぁ……外で俺と普通に会話しているな」


「要は慣れよ、慣れ。私は病院で毎日、病気の男達の世話もしているからね」


 あっけらかんとした彼女は、B級奴隷にも偏見を持たずに優しいのかな? 初対面の態度からして、そうでもないのかも……。

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