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異世界ハーレム飛行~アマゾネスの星ってアリですか?~  作者: 印朱 凜
第4章 オーミモリヤマ市
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アレクサンドラ

 地球において僕の生活は、お世辞にも充実しているとは言えなかった。たび重なる不幸の連続に現実逃避の毎日。


 結果的に人生投げやりになって、酒びたりとなり、末期には破滅願望まで抱いていたことは、これからもずっと決して明かさないだろう。


 今でこそアホで能天気なオカダ査察官というイメージが定着しつつあるが、人格の根底の部分においては、基本的に何一つ変わってはいない。いや、むしろそう思いたいぐらいだ。


 前向きで、へこたれない意思を人生のモットーにすると決めた僕は、暗い過去とはオサラバして残りの人生を新天地(ケプラー22b)にかけるのだ。

 

 シュレムには、銀河のように渦巻く僕の深遠な気持ちを瞬時に理解できるはずもなく、まつ毛の長い目をぱちくりさせるだけだった。……無理もないね! 看護師とは言っても、まだ若い彼女には、人の心の闇をつぶさに汲み取る術は備わっていないだろう。

 気を取り直して無意味に咳払いをした。

 

 タバコは禁煙外来でとっくに止めてしまったが、また吸いたくなってきた。そういえばコーヒーやタバコ、酒などの嗜好品はケプラー22bでは自由に手に入るのかな? 意外とB級奴隷達が知恵を絞って密かに生産しているのかもしれない。人類にはなくてはならないモノだからな。


 僕の表情が曇ったのをシュレムは不穏に思ったのか、何だか気まずそうに視線を錆ついた風景に移したのだった。空気を変えるためにオーミモリヤマ市で流通している通貨を訊いてみた。


「お財布には一万円札、五千円札、千円札、五百円玉に百円、十円……」

 

 何と日本円! もちろん全く同じって訳じゃないが、何もそこまで再現しなくてもいいじゃないか。

 

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