表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
異世界ハーレム飛行~アマゾネスの星ってアリですか?~  作者: 印朱 凜
第3章 最強スキル発動
48/580

ヘスティア

「わははは、俺は奴隷じゃない。男を舐めるなよ! わははは……!」

 

 風に吹かれてズボンがはためく。僕は腕組みをしたまま鼻息を荒げる。

 逃げ出した多くの武装看護師達は地面に伏せたまま、その場で顔も上げず恐怖にうち震えていた。B級奴隷の男達に至っては、近くにある小川に向かって土手を転がり、全員泥まみれのずぶ濡れ状態になっているではないか。

 舞い上がる塵と埃は、抜けるような青空を曇天に導き、天空を何日も沸かし直した風呂水のように濁らせた。ガラス状の細かな破片は、恒星の光を反射するのかキラキラときらびやかな輝きを見せて美しい。 

 見よ! 文明から取り残されたアマゾネスどもよ! 我にひれ伏すがよい……。

 地獄絵図を見せつけられたシュレムはライフルを捨てた。瞬時に我々が持つ圧倒的な力を理解したかのようだ。埃まみれになった白衣と髪を正すと、座ったまま僕らを睨みつけるだけだった。


「……仕方ないとはいえ、刺激が強すぎたかもね。後のフォローが大変だわ」


 スケさんは被害状況を見て、ため息をついた。


「ぶっ壊したのは遠距離の山岳地帯の山だから、誰も死傷者はいないはずだぜ」


 計算上、最も効果的な山をカクさんが選んで破壊したのだ。ただならぬ事態に中央政府……ケプラー22b総督府の連中が必ず出てくるはず。ここからが正念場、植民惑星査察官のお仕事は、本来暴力的ではないのだ。  

 宇宙船内では塞ぎこんでいた自分だが、何だかヤル気と自信がみなぎってくるのを、ひしひしと感じる。そうだ、この星に来たのも過去の自分と決別するためだったじゃないか。

 思い出すのもはばかれる過酷な運命と記憶。




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
このランキングタグは表示できません。
ランキングタグに使用できない文字列が含まれるため、非表示にしています。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ