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異世界ハーレム飛行~アマゾネスの星ってアリですか?~  作者: 印朱 凜
第26章 精鋭ザイデルD‐15部隊
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バヴァリア

 炎上し崩落を続けるケプラー22b総督府。だが堅固な石造りの土台はビクともしていない。地下施設に至っては全くの無傷である可能性が高い。

 風向きが変わった。総督府の時計台の辺りから勢い付いたはずのB級奴隷の男達が我先にと撤退を始めた。何が起こったんだ?


 ケプラー22b総督府地下には巨大プラントが存在しているそうだ。開拓移民に必要な資材と物資を半世紀近く生産し続けている。付属の研究施設では人口増加と食料増産計画に基づく様々な研究、宇宙開発を始めとする科学技術の推進、それに目下、人類最大の敵と見なされる装甲殻類(カルキノス)の調査も行われているらしい。


 地下へと続く物資搬入エレベーターが解放され、広場には緑色がかった黒褐色の装甲殻類(カルキノス)が軽戦車のように横ばいで現れた。まだ幼体であるためか牛ほどの大きさしかないが、紛う事なくケプラーモクズガニが突如広場に現れた事になる。丸い甲羅に運動能力に優れた歩脚、力強いハサミ……噂には聞いていたが、初めて目にする種類であった。運動性・防御力・攻撃力が三拍子揃ったバランスのいい奴だ。


「うわ! なんで装甲殻類(カルキノス)が街中に?」


 僕がうろたえていると、更にうろたえるゴールドマン教授がいた。


「あれは研究用に捕らえられ、地下で眠らせていた個体じゃないか! 親を呼び寄せるとまずいぞ」


 奴隷長でもある教授はさすがに何でも知っているな。そしてこれが団結する革命軍を混乱の渦中に陥れる陽動作戦であるとすぐに悟ったのだ。

 耳を覆いたくなるような機銃による銃声が集中的に湧き起こった。

 物資搬入エレベーターに近寄るB級奴隷の戦闘員が何者かによって次々と倒されてゆく。アマゾネスから奪った銃火器類を持っている者は少数で、扱いにも慣れていないのが現実なのだろう。


「あの旗は……総督府を中心に男女混成の正規軍が展開してきてるぜ」


 僕の言葉に双眼鏡を覗く教授は、白くなった頭を抱えた。


「まさか、まさか~、こんなに早く侵出してくるとは……情報が漏れていたのか。これは厄介だぞ」


「どうした、教授。こんな事は想定内じゃないのか?」


「オカダ君、まずいぞ。一旦ここから引き揚げよう」


「何を言ってるんだ。今の一糸乱れぬ勢いを削ぐつもりなのか」


「相手が悪すぎる。奴らが出てきたんだ。デュアンが誇るオーミモリヤマ市立陸戦隊最強のエリート集団、ザイデルD-15部隊だ」


 なぜか若くて血気盛んなランドルトまで銃を下ろして、怯え始めた。


「何だって! ザイデルD-15部隊だと? コロニー都市で一番の精鋭部隊じゃないか。もうだめだ、素人集団がかなう相手じゃない。S級奴隷が何人も所属しているって話だぜ!」




 

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