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異世界ハーレム飛行~アマゾネスの星ってアリですか?~  作者: 印朱 凜
第2章 ファースト・コンタクト
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フォカエア

 市役所を出た僕は、思わずため息を漏らした。どこからか遠巻きに監視でもされてはいないのか。

 今着ているのは国際連合宇宙局(UNOOSA)のワッペン付きの白いツナギ服だが、この星の人々には異様に映るのかな? ギター・ライフル(レスポール)も威圧感を与えるので今度は置いて行こう。

 カクさんは僕を元気付けようと、ひと際大きな建物を示した。


「今度は、あの白い病院に行ってみようぜ。12階建てで屋上にヘリポートもあるみたいだ」


 スケさんもすぐ補足してくれた。


「データではオーミモリヤマ市随一の総合病院ということですが」


 しばらくの間、低速で車を走らせて左折。広い敷地内に入場すると、大理石でできたオーミモリヤマ市民病院の文字が鈍く光っていた。すぐにガラス張りの大きなエントランスを発見する。

 一瞬だが玄関ロビー付近に小さな人影が見えた。


「おお! ついに第一村人発見!」

 

 言うが早いか、スケさんとカクさんは車から飛び降りると、人影に向かって元気に駆けて行った。


「ひ、ひゃあっ!」

 

 遠くから悲鳴が上がったが無理もない。いきなり見たこともない動物……オオカミとジャガーが近付いて来たのだから。


「こんにちは! はじめまして。言葉は通じるかな? 我々は、はるか彼方の母なる星、地球からはるばるやって来た査察団の一員だ……どうか怯えないでほしい」


 カクさんが日本語でしゃべり、ほぼ同時にスケさんが英語で通訳した。

 ……人影の正体は異星人、いや植民惑星ケプラー22bにおいて最初に出会った記念すべき人間は、色白で可愛らしい女の子だったのだ。


「い、犬と猫? どこから来たの?」


 二頭はショックで全身の毛が抜け落ちそうになったが、何とか気を取り直した。


「流暢な日本語ね、前もって知ってはいたけど、公用語としては珍しいケースだわ」


「ええやんか。コミュニケーションは普通にいけそうやで」


 カクさん、関西弁になってる……。

 僕が二頭の後から追いかけて観察すると、姫カットの長い黒髪が印象的なローティーンくらいの女の子。折り目正しいブレザーとスカートの学生服を着用しており、黒ソックスと胸元の赤いリボンがアクセントになっている。愛らしく、つぶらな茶色い瞳には、明らかに恐怖心が見て取れるのだった。

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