表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
異世界ハーレム飛行~アマゾネスの星ってアリですか?~  作者: 印朱 凜
第22章 シュレム・カヲリ
261/580

アレテイア

 

 シュレムが言うようにS級奴隷のゴールドマン教授は、オーミ姉妹社という会社の代表をしているほどの資産家だから、資金援助を頼めば快諾してくれるかもしれない。

 見も知らずの金持ち有閑マダムの奴隷になるくらいなら、シュレム様の下僕となって毎日サービスをしてさしあげる方がよっぽど救われる。

 朝も夜もシュレム様への献身的なご奉仕……医療現場で疲れた体をバスルームにて全身あわあわで洗い流し、更にオイルマッサージでスベスベぴちぴちな肉体を上から下まで細部にわたり丁寧に揉みほぐす。夜はベッドの中で裸のまま……あれやこれや……あぁ~! これにスクール水着姿のマリオットちゃん、いやしくもブルマ姿のブリュッケちゃんまで加わったりしたら……ひぇ~!


「ちょっと、アンタ、何いやらしい想像をしてるのよ。モロ顔に出ているわよ!」


 シュレムの大声で、はっと我に返った。


「いえ、ただサドル上にて考える人のポーズを取っているだけですが」


「顔が猪八戒そのものになっているわ」


「そんな……豚骨ラーメンの材料みたいな顔だなんて、心外だな」


「人が真面目な話をしているのに、いい加減にしなさい!」


 シュレムに罵倒された。これだ、この感覚が何だかしっくりくるのだ。もうシュレム様に購入されてもいいかも。アマゾネスに一生仕えたい……って、心根から骨の髄に至るまでB級奴隷になってしまったのか……情けないぞ、俺。

 いや、たとえ死んでも最後まで男のプライドは捨てねえ! 死んだ両親や兄に申し訳が立たないよ。

 急にシャキッとして自転車を漕ぎ始めた僕に、シュレムは怪訝そうな顔でスカートを押さえて座り直すのだった。


「オカダ君、実はまだ伝えていない事があって……」


「ん、なんだ?」


「私、興味本位で、あなたから預かっているコンタクトレンズを両眼にはめてみたの」


「ええ?」


「すると、不思議な事にオカダ君の……地球にいた頃かな、かなり昔の記憶が、つぶれてしまいそうな感情と一緒に、どっと私の頭の中に溢れだしてきて……」

 

 僕は自転車のブレーキレバーを強く握り、叫び声のような甲高いブレーキ音を響かせると、再び路傍に急停車させた。




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
このランキングタグは表示できません。
ランキングタグに使用できない文字列が含まれるため、非表示にしています。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ