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異世界ハーレム飛行~アマゾネスの星ってアリですか?~  作者: 印朱 凜
第21章 新人革命家
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ラメイア

「スケさんとカクさんもいない。コントロール用のナノテク・コンタクトも手元にない」

 

 僕は独り言を言いながら薄暗い照明の露天風呂に浸かった。スケさんとカクさんには、しばらくしたら再会できるだろう。ゴールドマン教授がタイミングを見計らっているようだが、我ら植民惑星査察団の結束は強固なのだ。

 シュレム……は元気なのかな。ツンデレ看護師の罵声を浴びたい。自分は思った以上にマゾの気があるのだろうか? マリオットちゃんやブリュッケちゃんにも……久々に会いたいな。アディーは時々駅前で見かけるが、婦警の仕事は忙しそうだ。

 頭上には満天の星空、もちろん星座は地球とは全く異なるし、月も二つある。気を遣ってくれたのか温泉には僕以外誰もおらず貸し切り状態。


「衛星軌道上にあるインディペンデンス号との通信手段をどうするかだな……。もう少しB級奴隷の身分に甘んじておくべきなのか」


 正に丸裸、これでは太陽系外植民惑星査察官という名ばかりの無力な人だ。むしろ現地での適応力や高重力下での筋力はケプラー22b人の方が強いぐらい。コンタクト・ドライバーとしてのスキルも発揮できないし、地球人というだけで過大評価ぎみなのが痛い。


「待てば海路の日和あり……いや、こっちから積極的に打って出るべきか」


 女風呂を覗きに行くことも積極的に打って出ようかと思ったが、オーミヒコネ市でひどい目に会ったカクさんの事を思い出して止めた。

 温泉の湯を両手ですくって顔を洗う。泉質は硫酸塩泉なのか苦みのある溜息となる。湯けむりの先にはガラス張りの温泉建屋があり、電気は付いているが曇っていて中で何人入浴しているのか、はっきりしない。周囲の雑木林と湯船を隔てるのは粗末な板壁で、虫の声も聞こえず、しんと静まり返っている。オーミモリヤマ市にこんな静かな楽園があったなんて……キンキンに冷えたビールでも飲みたいな。


「お母さん……」

 

 ん? 空耳か? 


「オカダさん……」

 

 温泉で溺れ死んだ幽霊の声かと耳をそばだてたが、どうも自分の名を呼ぶ声が聞こえる。


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