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異世界ハーレム飛行~アマゾネスの星ってアリですか?~  作者: 印朱 凜
第20章 奴隷生活
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ゲルマニア

 その頃、夕闇が迫るケプラー22b総督府に灯りが点った。上層部に相当するガラス構造の部分に色とりどりのLED照明が付き、陸の灯台のように街を照らし出す。貴重な電力が自由に使える施設はそう多くない。

 デュアン総督は最上階に位置する総督室に籠ったままだったが、書類に目を通す作業にも疲れたのか窓際に向かい外界を眺めた。

 最近降水量が減り、水不足に陥っている地域があるとの報告書が手元に挙がっている。奴隷に新たな井戸を掘らせるか、危険なビワ湖からの用水路を延長するか……。

 太陽系外植民惑星査察官のオカダが三十年ぶりに地球から派遣されてきた結果、平和なオーミモリヤマ市に微妙な変化が芽生え、あらゆるバランスが崩されてゆく兆候が見られる。

 突如として出現した男の力に奴隷達が浮き足立っているらしい。

 デュアンが総督に就任してから起こった最も大きな事件と言える。まるでこの流れは、かつて鎖国中の日本という国に干渉して開国を迫った、ペリー率いる黒船来航のようだと歴史好きの彼女は思った。

 

 

 シャワーを浴びるために侍従を呼んだ彼女は、大理石張りの浴室で衣服を脱ぎ去って全裸になった。熱い湯の流れに身を委ねながら再び考える。

 あれほど信頼を寄せていたゴールドマン教授。

 彼による謀反の計画が進行中、との報告書が諜報部のパリノーから届いたばかりだ。地球人だった彼の助言は的確で、政治的なピンチを幾度となく乗り越えてこられたのは彼のおかげだと、密かに感謝していたのに。

 経験の浅かった自分に影の側近として殊勝なアドバイスを申し入れてくれた。

 醜い権力争いの渦中にも常にデュアン側に立ち、慮ってくれた精神的な支柱……父親を知らずに育った彼女は、ゴールドマン教授に何かを求めてすがり付いていたのかもしれない。



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