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異世界ハーレム飛行~アマゾネスの星ってアリですか?~  作者: 印朱 凜
第20章 奴隷生活
242/580

ヴァナディース

 こういった話し方というか、ノリは誰かさんに似ていた。そう、あいつだ……。


「ゴールドマン教授、カクさんの姿も当分見ていないのだが……彼は今何をしているんだ?」


 教授はタバコをもみ消すと枕木の山に座った。周りのB級奴隷といえば、配給食を食い終わってヤカンに入っているお茶を飲んでいる。僕はとりあえず固く焼き締められたパンを頬張り、無理矢理に薄いコーヒーで喉の奥まで流し込んだ。そして世間話するかのように教授の話に耳を傾けた。


「カクさんは、アニマロイドボディの検査・点検のため、同意の上で私のバイオニクス研究所にメンテナンス入院させたんだ」


「ずいぶんと長い検査入院期間だな」


「興味深い事実が発覚したからね」


「カクさんに謎の病気、いや故障でも見つかったのかい?」


 ゴールドマン教授から衝撃的な告知を受けた。

 ――カクさんは元人間だったのかもしれないと!

 スケさんの場合はアニマロイドから人間の姿になったけど、カクさんの場合は全くの逆で、人間からアニマロイドになった可能性がある……と。

 

「彼の脳である生体有機コンピューターをfMRIにかけてみたんだが、記憶の中に人間だったころの思い出がザクザクと浮かび上がってきたんだ。離乳食を与えてくれる母親の顔、少年時代の友人、学生時代の学校の風景、就職もせず遊び歩いていた時代の影も……」


「カクさん……そういえば人間でないと知りえないような事も時折、話していたような……」


「とある国では、終身刑の代わりにアニマロイドボディに犯罪者の脳を閉じ込めるってのがあったな」


「ああ、あまりに非人道的なので禁止されたやつだな。俺の母国のシンニフォンでも政治犯、国家反逆罪、反政府ゲリラ活動をした奴らが大量に閉じ込められたというが……カクさんも、その中の一人なのか」


「確たる証拠はないけどな。本人に訊いても人間時代の記憶は、曖昧になっていてイマイチ分からないと答えたよ」


「そうか、でもこれで分かった。カクさんはオオカミのアニマロイドのくせに、何で人間の女体にやたら興味があり発情するのか、やっと謎が解けたぞ」


「いや、底なしにエロいのは飼い主に似たんだろうよ」


「俺は飼い主じゃないよ。むっつりスケベなのは認めるけどね。カクさんは同じ植民惑星査察団のメンバー扱いだぜ」


 思えばスケさんの人格は完全に人工的なAI型。一方カクさんの場合、生きた人間から移植された人格で、どちらかというとサイボーグ型……強化人間に近いのでは。

 こんな二頭がスケさん・カクさんと名乗り、査察団の一員としてコンビを組んでいたのか……。



 


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