表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
異世界ハーレム飛行~アマゾネスの星ってアリですか?~  作者: 印朱 凜
第16章 運河都市
201/580

ビブリス

「俺は犬じゃねえよ!」


 突如、提示された失礼な指名買いに、カクさんは怒りを露わにした。まあ、当然だろう……。


「こう見えても俺は植民惑星査察団の一員なんだぜ!」


「……あら、そうなのですか」


 残念そうなパークスは、髪を直しながら素っ気なく答えるのだった。

 制服のマリオットちゃんと白ワンピのブリュッケちゃんは、スタリオン高機動車の屋根からカクさんの背中を押しながら言った。


「彼は少々問題のあるエロオオカミですが、それでも良かったらどうぞ持って行って下さい」


「こら、こら! こら!!」


カクさんは涙目になってスタリオンの屋根に爪を立てたのだ。一方秘書のフレネルは、端末の電卓を操作して具体的な額を提示した。


「この数字ではいかがですかな?」


「悪いが、文字通り仲間を売る事はできない。他に何か代わりになるような、欲しい物はないのか?」


 パークスはニヤリとした。正に冷笑と言うか、少しイヤな印象を与えかねない。


「あるにはありますが……むしろ我々にとってはこちらの方が……」


 咳払いをした後、彼女は秘書に目配せをした。


「フレネル、商談をお願い」


 フレネルは車から何やら取り出すと、ちょこちょこと僕の方に歩いてきて、綺麗な封筒に入ったパンフレットをうやうやしく手渡した。


「……単刀直入にまいりましょうか」


「……はい、一体どのような物で!」


「あなたの白い血を提供していただければ、ゴールドマン教授に関する情報の即時開示に加え、この金額を差上げましょう」


 電卓にはすごい数の“0”を付けた金額が示されており、少しビビった。


「白い血って何だ? 白血球の事?」


 フレネルは少し困ったような表情をした後、冷静さを装いながら言った。


「我々パークス商会は凍結保存種苗会社の最大手なのです」


「……まさか、人間の? 精子バンク?」


「そうです。優秀な遺伝子はとても高く売買されるのです。例えばS級奴隷の遺伝子はサラブレッドと呼ばれ、純金より高額取引されております」


「いや、俺は地球から来た植民惑星査察官で、S級奴隷なんかじゃないけど」



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
このランキングタグは表示できません。
ランキングタグに使用できない文字列が含まれるため、非表示にしています。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ