表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
異世界ハーレム飛行~アマゾネスの星ってアリですか?~  作者: 印朱 凜
第16章 運河都市
198/580

フィロメラ

 陸を走る船のように、舗装されていない道を砂煙を上げながら疾走するのは、スタリオン高機動車。

 やがてテトラポットが山積みされたオーミハチマン市外郭に沿って走行し、厳重な防御装備と人員が配置されたメインゲート前まで到着した。


「オーミハチマン市か、本当に久しぶりよね」


 マリオットちゃんが窓に顔を寄せながらシュレムに言った。


「そうね、見てみたいお店が思いつくだけでも、いくつかあるけど」


 彼女らは時々KR線に乗ってオーミモリヤマ市からここまで買い物に来る事があるらしい。コロニー都市間の行き来って、結構自由なんだな。

 オーミハチマン市は商人の街で、豪商と呼ばれる方達が幅を利かせている。食料品から医薬品、アパレル関係や武器、果ては自動車・バイクに男奴隷の取引まで、何でもござれの面白い街らしい。早く街の人々の生活を、この目で見てみたいな。

 運河の街でもあるので、ゲートは船でしか通過できない。ビワ湖まで延びる美しい運河は、この街の経済と発展を支える重要な生命線であるが、同時に装甲殻類(カルキノス)の侵入をも容易にしているのだ。運河の岸壁に沿って赤いケーブルが設置されており、電流を流す事によって大小のカルキノスを防いでいるらしい。


「この赤ケーブルに触れると僕はどうなるんだ?」


 笑顔を絶やさないアディーに訊いてみる。


「普段は大丈夫ですが、防御時の最大パワーによっては人間でも黒こげになりますよ」


 ひえっ! さらりと恐ろしい事を口にするなアディーは。

 ゲートからオーミハチマン市内に入るには船か艀に乗らなければならないが、どこから乗るのだろう。


「あっ……あれが艀乗り場じゃないのかな?」


 ブリュッケちゃんが指し示す方向には、一台のトラックと高級車を乗せた艀が桟橋に到着していたのだ。


「よっしゃあ、行くぞ。出発だ」


 カクさんを屋根に乗せたスタリオンは、揺れる桟橋から艀へと無事に乗船できた。


「ひよ~! 今度の街はどんな世界が待っているのやら」


 カクさんは、ご機嫌で屋根からゲートを眺めていたが、その姿を注意深く見守る目があった。

 それは場違いとも思える高級車の後部座席からだった。地球製の古いモデルのレプリカかな? 四角いメッキのグリルに丸ライト四つ……シルバー塗装で趣味のいい車であった。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
このランキングタグは表示できません。
ランキングタグに使用できない文字列が含まれるため、非表示にしています。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ