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異世界ハーレム飛行~アマゾネスの星ってアリですか?~  作者: 印朱 凜
第14章 サバクオニヤドカリ
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クリュタイムネストラ

 もたついているうちに群れの中でも、ひときわ巨大なボス級の個体が現れた。ズルズルと殻を引きずるように移動するが、恐ろしくデカイ! 写真データでしか見た事はないが、有名な奈良の大仏級である。

 こいつは、まちがいなく主と呼ばれる奴だ。めったにいない、数十年に渡って生き続けている個体のはず。手を引くアディーもここまで巨大なサバクオニヤドカリは見たことがないと言う。

 彼女にサポートされてスタリオンの方まで走ったが、体当たり攻撃のせいか車のフロント部分が派手にひしゃげていた。


「オカダ君、ぐずぐずせずに早く乗って!」

 

 シュレムが運転席から頭を押さえながら叫んだ。心の中で彼女に感謝する。

 スケさんとアディー、もちろんカクさんも、こんなピンチの中で必死に誘導してくれた。シュレムが運転する車は、巨大ヤドカリの足の隙間を縫って、うまく走り抜けてきたのかな。彼女、絶対にドライビングのセンスがある。昨日ほんのわずかな時間、運転を教えただけで、ここまで意のままに動かすとは!

 目の前まで車が来たが、ドアを開けようとした瞬間、砂地に足をとられて転倒した。

 背後から巨大ヤドカリの重機のようなハサミがせまる。 

 その時、意を決したスケさんがサバクニヤドカリの死角から次々とジャンプして、頭部の黒い目玉の根元に噛み付いた。


「スケさんが、踏ん張っている間に早く!」


 電神コントロール中の僕は、何だかアディーに介助されるがままだ。 

 僕が車に乗り込むのを見届けた後、スケさんはネコ科の本領を発揮してボウリングの玉ほどある巨大ヤドカリの目玉を本体から引きちぎった! そのまま写真に収めたいぐらいに野性味あふれる姿だ……しかし怒り狂ったヤドカリのハサミに弾かれたスケさんは、木の葉のように空中に放り投げられてしまった。


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