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異世界ハーレム飛行~アマゾネスの星ってアリですか?~  作者: 印朱 凜
第13章 廃墟都市
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ウルダ

 朝、パリノーがいなくなっている事に、女性陣は驚きを隠せない様子だった。


 スケさんは、皆が眠っている間に起こったショッキングな事件の顛末を語った。あれほどの騒ぎに誰一人起きてこないなんて、アマゾネス達の危機管理能力はどうなっているのだ。

 好意的に見れば、我々が見張りをしていたので安心しきって熟睡していたとも考えられるが、ただ単に大胆で鈍いだけのような気もする。

 車内で調査中のアディーは、犯罪者データベースにも載っていない、全くノーマークだったパリノーに首を傾げた。


「本名じゃないのは間違いありませんが、有名でもないようですね。いずれにせよ警察がカバーしている守備範囲を大きく逸脱しているというか……」


 質問側の僕自身、犯罪者のリストには、あまり期待していなかったのだが。


「ふーん……まあ、本物だからこそ名前が出てこないって訳だな」


「大きな声では言えませんが、プロの殺し屋は私の手には負えません」


「そうだろうね」


 僕は何枚か撮影していたパリノーの写真をモニター上に眺めた。デュアン総督の息がかかっているので正体は闇の中だろう。

 ブリュッケちゃんの記憶によると例のオーミヒコネ市のホテルにて、パリノーらしき人物とすれ違った事があるらしい。まだ出会う前だったが、印象的な目元を覚えているとのこと。多分あの頃からマークされていたんだな。


「えー、あのパリノーがねぇ」


 シュレムとマリオットちゃんは全く動じなかった。車中で彼女にカルキノスの事について質問したら、研究者のはずなのに殆ど答えられず、不思議に思っていたらしいが……。


「あの子、車内で食べ散らかしてゴミを片付けようとしなかったから、今日こそは注意しようと思っていたのに残念」


「あと、置いて行ったリュックも返さなきゃ。今度会う時まで置いておこうよ、姉さん」


 念のため荷物の中身も調べさせてもらったが、普通の旅行者風にまとめられており、セクシーな下着以外は特筆すべき物も出てこなかったのだ。足が付くような証拠は何も残されていない。さすが!


「色々あったけど出発しましょう! オカダ君」


 シュレムに大きな声で言われた。


「ああ、俺もそうしようと思っていた所さ」


 スタリオン高機動車は事件を乗り越えて出発した。いよいよ目的地である北の砂漠地帯へと足を踏み入れたのである。


 

 

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