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異世界ハーレム飛行~アマゾネスの星ってアリですか?~  作者: 印朱 凜
第12章 湖賊ビルショウスキー
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ベルタ

 湖賊は三人倒したので、残りはビルショウスキーを含めて四人か……。

 スケさんの視覚情報から彼女はガスを避けて風上に移動したはず。


『カクさん、挟み撃ちにするから、ちょっとだけ背後に回ってくれ』


『了解。衛星軌道上からの偵察映像を拡大してビルショウスキー本人を確認した』


『二頭で連携してトップⅡを仕留めてくれ。俺は残りの二人を始末する』


 コンタクト・ドライブシステムの情報共有は快調だ。



 

 湖賊の蛇顔男と漁師風の筋肉男は、鼻と口にマフラーを巻いて自動小銃を構えながら煙幕と催涙ガスの中を進んでいた。


「ヒヒヒッ! 涙で前が見えないぜぇ……」


 蛇顔の男はサングラスを握りつぶして捨てた。地面に嘔吐しながら、なおも進む。


「意地でも……車を奪ってやる。俺の、俺が運転する車……ゲホォ」


 サロペット以外ほぼ裸の男は、蛇顔男に付いて行くのがやっとだ。目と喉をやられて咳き込み、息もできない状態である。


「まだ言ってやがる! 俺も絶対に女を捕まえて……全て奪ってやるぜぇ……ヒヒヒ」


 ほぼ動物的な勘で瓦礫道を進み、何とガソリンスタンドの前まで二人はたどり着いた。もうその頃には風でガスは薄くなっていたのだ。


「やったぜ! どこだ?」


「死にたくなかったら出てこいやネエチャン……撃っちまうぜぇ」


 だが出てきたのは、ガスマスクを付けた植民惑星査察官だった。

 銃床で漁師風筋肉男の顎を砕けるほどに殴りつける。


「ヒヒヒ、男に用はネェよ!」


 蛇顔の男は近接戦闘用のナイフを抜き取ると、僕の急所目がけて腕を鞭のようにしならせた。ギリギリでかわしたが、つなぎ服の胸ポケットが裂けて中の小銭が飛散。あろう事か、たった一枚密かに保存していたシュレムのセミヌード写真も台なしになる。


 ああっ! 貴重な市役所での思い出が……スローモーションがかかった世界で僕は泣いた。もうプリントアウトできないかもしれないのに! 


「死ねや!」


 長身の男はナイフを持ちかえて、異常に長いリーチを活かしたナイフ捌きを見せつける。喉元で空を切る刃先をかわす、かわす。ガスマスクが邪魔で、かなぐり捨てた。


「やかましいわ!」


 自動小銃を捨てた僕はベルトから9mm拳銃を抜くと、ナイフのグリップ目がけて射撃した。

 とたんに蛇顔の男は短い悲鳴を上げて地面に転がる。こいつは手クセが悪そうだ……ゴール前のシュートのごとく、みぞおちに一撃を入れて沈黙させた。


 いきなり背後から漁師風筋肉男が僕の右腕を掴んで怪力で締め上げた!

 9mm拳銃が地に落ちる。その右腕を軸にして踵でもう一発、男の顎にヒットさせると、さしもの筋肉男も失神して倒れたのだ。


「フッ! 所詮は素人だ……な」



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