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異世界ハーレム飛行~アマゾネスの星ってアリですか?~  作者: 印朱 凜
第12章 湖賊ビルショウスキー
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アブンダンティア

 強気で狡猾、ワイルドな美しさを持つビルショウスキーは、廃ビルの路地から携帯端末で若い方の兵隊くずれに訊いた。


「あの車は何だい? 結構な火力があるじゃないか。デュアンの軍隊は、あんなのを持ってたのかい?」


「いえ、新型かもしれません。でも単独なら制圧可能ですぜ」


 黄メットのデブが興奮して路地まで入ってきて、汗まみれで状況を報告する。


「若ぇ美人な女が、ガススタの方に逃げて行きましたぜ! その後、何かデカい犬みたいなのが続けて車から飛び出てきて、どっかへ行きました」


「犬? 何言ってんだいアンタ」


「いや、本当ですぜ。 へへへ、女は俺がいただきますよ」

 

 埃と煙でかすむ地上。湖賊達は統率が取れているようで、適度に散開した。

 湖賊のメンバー、蛇顔の男はAK-47のマガジンを交換すると、サングラスをかけて隣の漁師風の男に声をかけた。


「ヒヒヒ……見たか? 車内にはカワイイ学制服の娘がいたぜ。それに白衣のナースもだ。俺の制服コレクションが更に充実するぜぇ……血で汚さないように気を付けて脱がせないとな」


「お前、本当に目がいいな。俺は女よりやっぱ車だ。最高にクールでしびれるぜ」


「そういやお前はボーイズラブな奴だったな。興味のない女より車にぞっこんかよ……変質者め!」


「てめえに言われたかぁないぜ」



 瞬発力に優れるスケさんが、市役所の窓に陣取っている理知的眼鏡男に背後から忍び寄り、音もなく襲いかかった。


「うわぁー! 腕が……助けてくれ!」


 ロケットランチャー(RPG-7)を持つ腕に爪を立て、親指を噛み潰した。親指が使えないだけで、大抵の武器は扱えなくなる。


「止めろ! 俺まで撃つな―!」


 この場にいた若い兵隊くずれに眼鏡男が叫ぶと、一瞬だが兵隊くずれはAK-47のトリガーを引くのを躊躇したのだ。次の瞬間、今度はカクさんが兵隊くずれの首根っこに食らいつき締めあげる。


「ぐぐぐ……」


 兵隊くずれは、カクさんの顎を左手で掴んで床に倒れると、右手の銃を暴発させた。


 


「今、銃声がしたわ。何とか二頭を助けられないの?」


 シュレムが銃を手に取った。

 

「今、外に出ると狙撃されるぞ……しばらくこのままだ」


 ……どうする? パリノーを見捨てて、この場から逃げるか? 

 僕は必殺トール・サンダーの使用を刹那に考えたが、強力すぎて使用できない歯がゆさを感じたのだ。パリノーがどこに身を潜めているのか分からない今、衛星軌道上からのレーザー攻撃は彼女の命を脅かす。


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