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異世界ハーレム飛行~アマゾネスの星ってアリですか?~  作者: 印朱 凜
第2章 ファースト・コンタクト
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エゲリア

 カプセルにいるはずのカクさんが話しかけてきた。


「何、ボーッとしているんだよ、オカダ君」


 鼻をひくひくさせ舌を出す。


「うるさい、感慨にひたるという高次脳機能を備えていないのか、お前は」


 インディペンデンス号の白い船体が、みるみる小さくなって見えなくなり、ケプラー22bの重力圏に引き込まれてゆく。

 そのまま衛星軌道上に周回を重ねていくうちに大気圏突入モードに入った。


「この瞬間は、いつも緊張してしまうなあ」

 

 無駄口を是とするカクさんの言う通りだ。意外にもシャトルによる大気圏突入は、訓練で数回しか経験していない。

 振動が激しくなるにつれ、重力のせいで体がだんだん重くなってきた。その上、ベンチャースター号のリフティングボディも空気抵抗による加熱のせいか、あちこちがミシミシと軋んで更に心細い気分にさせる。

 

 地球ではナノチューバーを利用できて本当に楽だった。軌道エレベータナノチューバーに2時間乗るだけでハイ、もう宇宙空間。ちなみに地上に降りるときは、チョットだけ早く1時間半。リニア中央新幹線並みに、お手軽宇宙旅行。


 そのうち、スケさん・カクさん用のコクーンカプセルから二頭の能天気な会話が聞こえてきた。


「……退屈だな、スケさんの男性遍歴でも教えてくれ」


「そうね……私も一度だけ、人間の男に恋をした事があったわ。 私の面倒を見てくれた医学博士でドクターK、と呼ばれてたっけ……名前は木下ヒロカツさん、だったと思うわ」

 

 いい気なもんだ。全自動のフルオートとはいえ100%安全という訳ではないのに。

 さすが……心の中で称賛せざるを得ない。殆ど海ばかりの惑星に存在する唯一の大陸に向かって予定通りに一直線。オートパイロットによる迷いがない操船により、冷たい安心感に満たされたのだ。


 赤熱化の視界をくぐり抜けると、明るい世界に反転し、ぐんぐんと陸地が近付いてくる。騒音に伴った絶え間ない振動に緩衝システムが効かず、尻が痛くなってきた。


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