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異世界ハーレム飛行~アマゾネスの星ってアリですか?~  作者: 印朱 凜
第11章 ダンジョンは廃墟にあり
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ビビリア

 我々は隠し部屋から脱出すると、ヒコヤンが残した地下迷宮地図に従って、カルキノスが通れないほどの細い道を選んで進んだ。


「こういう時、松明の方が役に立つ。風が流れて行く方向に炎がたなびくんだ」


 カクさんは先導していたが、ライトなしの暗闇でも臭いを嗅いでどんどん進んでいける。さすがオオカミだな……地下水のせいで臭いがボヤけているらしいが。


「ぐえ。いやな臭いがしてきたぜ。カルキノスの糞の匂いかな?」


 地下は入り組んでいたが、カクさんと地図のおかげで迷いなく結構進めた。別の出口に向かうには、地底湖を経由しないといけないらしい。


 20分ほど行くと……最終的には這って進んでいかないとダメなぐらい狭くなってきた。

 先頭はカクさん、真ん中にブリュッケちゃん、最後はリュックの荷物が倍以上に膨れた僕。ショットガンも気を付けないと壁に引っかかる。


「ぷう?……誰だ、オナラしたのは。カクさん、止めてくれよ!」


「ごめん、ボクだよ」


「ブリュッケちゃん!? それはそうと、もうすぐ地底湖のはずだが……」


 最後は垂直降下に近くなった。カクさんが器用に飛び降り、次に僕。下でブリュッケちゃんを待っていたが、彼女は足を滑らせて落ちてきた。


「ぐは! ぐへ!」


 我々はブリュッケちゃんの下敷きになった。彼女が軽くてよかったが、背負っている銃の精度が狂っちゃうぞ。


 やけに広い場所に到達した……しんと静まり返り、水の流れるような音だけが響いている。

 松明をかざすと、目の前に信じられないほど大きな地底湖が広がっていた。


「うわ~……地下にこんな所があったなんて!」


 僕の声が洞窟内に反響する。

 ライトで照らすと、恐ろしく澄んだブルーの水がたたえられており、深さ10mぐらいはありそうな湖底が透けて見えている。何だろうか、底にはビー玉みたいな丸い物が大量に沈んでいた。


「とっても綺麗……」


「でもブリュッケちゃん、ブルーの色が綺麗すぎて逆に不気味じゃないか?」


「いやいやオカダ君、これが見れただけでも来てよかったと思うぜ」


「写真に撮って皆に見せてあげようよ、ねえ」


「そうだな……って……オイ! 底のビー玉が何だか動いてる」


「あ~……オイラが思うにあれは……」


「ボクは、ケプラーシオマネキの卵だと思う」


「うわ~~!!」


「騒ぐなよ、オカダ君……うわー!!」


 一番奥の底が見えない最深部から、正体不明の真っ白な物体Xが、ゆっくりと浮かび上がってきた。鏡餅の化け物なのか?



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