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異世界ハーレム飛行~アマゾネスの星ってアリですか?~  作者: 印朱 凜
第11章 ダンジョンは廃墟にあり
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瑞華

「あの洞窟は元々ケプラーシオマネキが掘ったものだけど……」


 ブリュッケちゃんは火災の炎越しに見える洞窟に複雑な思いだ。


「父が狩りの前線基地に使っていたという怪妖洞……」


 ケプラーシオマネキ軍団は、人間がいなくなったのをいい事に巣穴を奪還したんだな。

 湖からかなり遠いのに装甲殻類(カルキノス)がいるって事は、地下には壮大な地底湖でも広がっているのだろうか。洞窟からアリのように一匹ずつケプラーシオマネキが出入りしているが、あまり火を怖がっていないような気がする。


 車内からしばらく奴らを観察していると、何だか動きがおかしい。エサを見付けたアリのような感じ。

 あまり刺激しないように回り込み、静かにスタリオンを移動させると……。

 商店街のアーケードとクロスするように綺麗な小川が流れていた。その小川のほとりで人間がケプラーシオマネキに囲まれているではないか! 見た感じ、若いアマゾネス……女性のようだ。


「おかしいな、奴らは肉食だけど集団で人を襲ったりはしないはずだ」


 そうだったのか。さすが二代目ヒコヤンことブリュッケちゃん。あのデカいハサミは穴掘り用なのかな?

 バイクの持ち主と思われる女性は、足をくじいているのか座り込んで弾の切れたステアーAUGライフルを振り回している。

 怪妖洞……巣穴を防衛するケプラーシオマネキに、ちょっかいでもかけて怒らせたのかな? どうも奴らはカニのくせにアリやハチのような社会性を持っているようだ。その点で地球のカニより進化しているじゃないか。……地底湖には女王ガニが、デュアン総督みたいに君臨してたりして!


 ポニーテールの女性は、迷彩のカーゴパンツにエンジニアブーツ、上はオリーブドラブのタンクトップに袖なしのジャケットだ。勇ましい事に周囲には、二、三匹のケプラーシオマネキがハサミや脚を自切して転がっており、少なくとも五匹ぐらいは銃でバラバラに撃ち殺していた。


「オカダ君、眺めていないで助けに行くわよ!」


 シュレムとブリュッケちゃんが、それぞれの武器を手に立ち上がった。スケさんとカクさんが天井のハッチから外部に飛び出す。

 だが、スタリオン高機動車の巨体を見て、ケプラーシオマネキは一斉に巣穴へと一目散に逃げ込んだ。デカいハサミを持っている割には臆病で、戦いを好まないらしいな。平和主義で社会性を持つ装甲殻類(カルキノス)か……非常に興味深い。


「よかったね、無駄な争いが起こらなくてさ。カルキノスを殺さなくてすんだよ」


 優しいマリオットちゃんは、車内のシートでホッと胸を撫で下ろした。

 

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