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異世界ハーレム飛行~アマゾネスの星ってアリですか?~  作者: 印朱 凜
第11章 ダンジョンは廃墟にあり
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メリボエア

 ゲート前にあった青い看板にはカタカナで“オーミナガハマ”下にOMI NAGAHAMA CITYの文字があったが、誰かのイタズラなのか赤スプレーで消されている。

 ここはアディーに訊いてみる。


「この、どの街にもあるOMIって何の意味だ?」


 彼女は黒鞄から取り出した携帯端末をいじって調べた。


「確かOrganized Municipal Immigrant-city の略だったような……湖をぐるっとめぐるコロニー都市ぐらいの意味ですよ」


 街は建設途中で放棄され、あらゆる所が虫食い状態になっている。オーミヒコネ城ほどの規模ではないが、オーミナガハマ城なる対カルキノス防衛のための前線基地も存在していた。湖に近い分、大型カルキノスの攻撃を受けたのか、崩れ去っている状態だ。


「中心部に白壁スクエアなるものがあるので、向かってみましょう」


 アディーの提案にスタリオンは、瓦礫に埋まる不気味な街を進んで行く。

 ブリュッケちゃんもできる限りのナビゲーションをしてくれた。


「怪妖洞の場所は詳しく知りません。すみません……父の話から、そういう洞窟があって利用していたとしか聞いていなかったので……」


 スケさんは自慢の視力と聴覚で外部を視察する。


「警戒しながら街中を進んでみましょう。何が出てきても、おかしくはない感じ。装甲殻類(カルキノス)が出ても盗賊が出ても怖いわね」


 無人街を行くと、一番最初にオーミモリヤマ市に降り立った日の事を思い出す。あの時も生きている住民を探して街中をさまよったっけ。この街は瓦礫に埋もれた本物の廃墟に違いないが。

 オーミナガハマ市はオーミヒコネ市ほどの大きさはなく、半分ぐらいの規模だ。この大きさでは、防衛するにも人口を支えるにも支障があったのだろう。

 正に人類と装甲殻類(カルキノス)の住み分けの最前線といった所か。


 サバクオニヤドカリが付けたと思われる巨大な足跡と殻を引きずったような跡が、ブルドーザーのように建物を隅に押しやっている。見ただけでゾッとするような光景だなぁ……カブトガニっぽい奴の白くなった死骸も朽ちているし。


「向こうから狼煙が上がっているわ!」


 助手席に座るシュレムと後ろのマリオットちゃんが、ビルの隙間から黒煙が上っているを発見した。

 自然発火とは考えられないので、明らかに人の仕業だ。


「注意しながらスタリオンで急行してみようぜ」


 カクさんの言葉に五人と二頭の間に緊張が走った。さて、何事なのか確かめてみる必要がある。



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