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異世界ハーレム飛行~アマゾネスの星ってアリですか?~  作者: 印朱 凜
第10章 数%の可能性
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アンティゴネ

 我々はスーパー銭湯のセキュリティシステムに侵入し、監視カメラの映像と警報装置を操作した。幼稚なシステムで、沈黙させるのは赤子の手を捻るより簡単な仕事だ。

 スタリオン高機動車をスーパー銭湯に横付けすると、カクさんはルーフからサウナ室の屋根へ飛び移り、まんまと露天風呂への侵入を成功させた。

 カクさんが見た映像は、コンタクト・ドライブシステムにより僕の視界と共有され、逐一ライブ映像で脳に届けられる。そして、それらの生中継映像をデータ化しスタリオンのコンピュータ上のファイルに、どんどん記録していく寸法だ。


『こちら(キロ)、目標への侵入成功。そちらの具合はどうですか?』


「作戦は問題なく推移し、順調に記録中。幸運を祈る」


 犯罪の片棒を担いでいるような気もするが、気分が乗ってきた。

 カクさんからのライブ映像は生々しく超リアルで、自分が見聞きして体験しているのとほぼ同じだ。ただし自分の好きな方向、見たい所を見てくれない事に今更ながら気付いた。


『まだ陽があるので、露天風呂は怖いくらいによく見える。湯気が若干邪魔するが、他はくっきり』


「誰か人はいないのか……」


『イベリコ豚の豚足のようなオバ様と、イカの一夜干しみたいなオババ様がいるだけだが、なるべくそっちの方は見ないようにしている』


「了解。それが賢明だ」


 おかしい……看護師は? 婦警は? その他は何をしているのだ。


『かなりの時間、待っているが誰も出てこない。曇っていて分からないが、浴室で自分の髪か体を洗っている最中と思われる』


「そこから移動できないのか?」


『そいつは危険だ。脱出可能なギリギリの線を攻めている』


 我々は待った。待つしかなかった。

 心臓が早鐘を打って収まらない。

 胸に手を当てると、ドキドキしているのが手の平の触感でも知覚される。

 今までにかいた事もないような汗が、滲んだかと思えば引いたりして、自律神経がダンスを踊っているかのよう。興奮と緊張で目が回りそうになってきた。

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