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異世界ハーレム飛行~アマゾネスの星ってアリですか?~  作者: 印朱 凜
第9章 城塞都市
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アルケステ

 オーミヒコネ城のスタリオン高機動車を駐車した場所まで戻ってきた。アディー・スケさん組が待ちくたびれているのが見える。


「オカダさん、管轄署に行って検索してみましたけど、ヒコヤンと名乗る人物は市内に4、5人はいるそうです。本物のヒコヤンは住居を転々としており現在、行方不明の状態。どれが本物なのか、実際に会ってみないと分からないそうです」


 アディーが結果報告をしている間、スケさんが気付いた。


「あら? オカダ君、そちらのカワイイ子は誰なの?」


 ブリュッケちゃんは、ジャガーのスケさんに一瞬ひるんだが、すぐに大きな声で挨拶した。


「ボク……いえ、私は二代目ヒコヤンことブリュッケと申します。市立ザワヤマ小学校6年生で、まだまだ若輩者ですが精一杯がんばらせてもらいます」


 アディーは目を見開いて、驚きを隠せない様子だった。


「まあ、このおチビさんがヒコヤンだったの? 情報と全然違ってビックリ~」


 同じ事を聞いても、スケさんは二代目という言葉で、全てを理解した。


「初めまして。私はオカダ君と同じく査察団のスケさん。カクさんと同じアニマロイドよ。こちらはオーミモリヤマ警察署のアディー巡査。ここにはいないけど、まだ看護師のシュレムと、その妹のマリオットが……」


「あの白衣の方ですかね……」


 ブリュッケの指差す方向にオーミヒコネ城があったが、天秤櫓の下をくぐり、表門山道を下って来る二人組の姿が見えた。


「行ってみよう」


 僕らは難なく二人と合流できたが、どうも様子がおかしい。


「あー……オカダ君、大変よ! ヒコヤンは複数いるのよ」


 シュレムと同じくマリオットちゃんも、息を切らしながら早口でしゃべった。


「太ったヒコヤンと、背の低いヒコヤン、何と二人いたの!」


「ちょっと目を離した隙に、小さい方がマリオットの財布を鞄ごと奪っていったのよ」


「引ったくりを追いかけたけど、すぐに姿をくらませて……」


 僕らの会話を聞いたブリュッケちゃんが目を輝かせた。


「そいつなら知ってるよ。ボクに任せておいて!」


 マリオットちゃんが、白ワンピに銃を背負って赤いヘルメットを被っている小学生を見て首を傾げた。


「あなたは? ずいぶんと激しい服装のセンスをしていらっしゃる」


「オカダ君に誘拐されてきたんじゃないの?」


 二人とも口が悪すぎる。人聞きの悪い事を婦警さんの前で言わないで欲しいな……。


「今日から仲間になった本物のヒコヤンだ。ブリュッケちゃんとは言いにくいから二代目ヒコヤンで……いいのかな?」


「どっちでもいいよ。ボクは鞄を取り返しに行ってくるね!」


 ブリュッケちゃんは、シュレム・マリオット姉妹が降りてきた表門山道を慣れた足取りで、すいすいと登って行ったのである。



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