表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
異世界ハーレム飛行~アマゾネスの星ってアリですか?~  作者: 印朱 凜
第9章 城塞都市
120/580

ペイトー

 オーミモリヤマ市でもそうだったが、スタリオン高機動車を市内で走らせていると、街を歩く老いも若きも誰もが振り向く。道路にはタクシーやトラックばかりで、自家用車を走らせている人は一部の裕福な女性達だけだ。それゆえに派手な地球製のスタリオンは街中で目立つ、目立つ!

 オーミヒコネ市では地球人がやって来た事が知れ渡ると、街は歓迎ムード一色になり、行く先々で大人気だった。まるでアイドル並みの扱いで、停車していると若い女性達からサインや握手を求められたりする事もしばしば。


「よかったね、オカダ君。街ですごい人気者だよ」


 マリオットちゃんが、オーミヒコネ市の見物人に大きく手を振りながら言った。


「う~ん、嬉しいけど何だか照れ臭いな」


 しばらくすると街の中央に古いタイプの石垣と、その上に建つ城が見えてきた。


「オカダさん! あれがオーミヒコネ城ですよ。装甲殻類(カルキノス)と戦うための城塞ですが、立派な造りですね」


 アディーが興奮気味に城の説明をしてくれた。彼女、お城マニアだったんだ。

 スタリオン高機動車をオーミヒコネ城の外堀近くに駐車した。


「さて、ここからは俺とカクさん、シュレムとマリオットちゃん、アディーとスケさんの3グループそれぞれに分かれて伝説の装甲殻類(カルキノス)ハンター、ヒコヤンの情報を収集してきて欲しい」


「え~! 私達は探偵じゃないし、どこから手を付ければよいのかも全然分からないわ。そんな雲を掴むような話に付き合いきれないわよ」


 予想通りシュレムからの不満が飛び出した。


「ふふふ、そう言うと思ったよ。もしヒコヤンに関する有力な情報を掴んだ場合には、褒美として名物のオーミ牛の焼肉をごちそうするよ」


「さあ、行きましょうか、マリオット」


「うん! 高級肉を食べてみたかったんだ」

 

「治安はマズマズのようだが、各自十分注意するように。以上解散!」


M4カービンをケースに入れた白衣のシュレムは、僕とカクさんに向かって呼びかけてきた。


「……お風呂の話も期待していいのかしら?」


「一仕事終えて、食事した後の風呂は最高だぜ」


「ええ、確かに。日勤でも夜勤でも仕事を終えた後のお風呂は、何とも気持ちがいいものね」


 そう言い残すとシュレム組は城内の方へと向かった。我々は城下町、アディー組は警察のツテを頼るそうだ。


「うひょひょ……お風呂か、これは期待できそうだな」


「何か言ったか、カクさん?」


「いや、何も言うとらへんで」


 何て分かりやすい奴なんだ。もうこの後の展開が僕には見えてきたのだ。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
このランキングタグは表示できません。
ランキングタグに使用できない文字列が含まれるため、非表示にしています。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ