表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
異世界ハーレム飛行~アマゾネスの星ってアリですか?~  作者: 印朱 凜
第8章 眠れない夜
113/580

アテ

 マリオットちゃんと一緒にテントを出て、重要任務を果たしに行こう。

 昼間は暑かったのに、夜間は冷えるなあ……それでも人間が暮らしていくには何の問題もない気候だ。

 ランタンを持ってスタリオンの向こう側まで行くのに、マリオットちゃんは僕にぴったりとくっ付いて離れようとしない。明かりを持った手と反対側の二の腕に、細い両腕を絡めてくるから正直歩きにくい……。


「オカダ査察官、外はやっぱり暗くて怖いです。置いてかないで下さいよ」


「大丈夫だって……」


 スタリオンのフロント側に大きな岩があって、用を足すのに物陰になり、ちょうどよさそう。


「マリオットちゃん、俺は明かりを持ってこっち側にいるから安心しな。じゃあ……」


「やだ、行かないで! 私から離れないでよ」


「はいはい」


 僕は、後ろを向いたままマリオットちゃんのすぐ傍まで近寄った。


「やだぁ! オカダ君、恥ずかしいよ。もっとあっちに行っててよ」


 どっちやねん!! と僕は心の中で突っ込んだ。


「俺は何も見ていないし、何も聞こえません!」


 耳を両手で塞ぎ、両目も閉じた。そう言うと安心したのか、マリオットちゃんは背後でキョロキョロしながら準備を始めたようだ。

 だが、何でだろう……聞いちゃいけない、聞くもんか、と思えば思うほど聴覚が研ぎ澄まされ、塞いだはずの両耳から聞こえてくる物音から、マリオットちゃんの行動が手に取るように分かってしまう。


 あっ今、汚さないようにネグリジェの裾を大胆にまくり上げ、口にくわえた所だな……。

 パンツを下にずらす音が聞こえる。そして腰を落として、しゃがんだな……。

 やばい、次に聞こえてくる音は……やっぱり……やばい……そうだ!


「2×2が4! 2×3が6! 2×4が8! ……大きな栗の木の下で~!」


「やだあ! オカダ君の独り言と歌が怖すぎる!!」


 マリオットちゃんに気味悪がられちゃった……。


「い、いいから普通にしててよ! できないよ私」


「俺は何も聞こえませーん。聞こえませんよ~」


 闇の中、僕はもう、そうつぶやくしかなかった。

 

 寝る前にナノテク・コンタクトを外したので、余計な情報が入ってこなくて気分がいい。冷めた空気を肺に入れ、深呼吸をした。頭の中がクリアなんだな。何だか眠気も吹っ飛んじゃったぞ。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
このランキングタグは表示できません。
ランキングタグに使用できない文字列が含まれるため、非表示にしています。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ