第三話 ミジンコの変な初バトル
ストーリーの進みが遅い気がするけど…大丈夫だろうか?
心配です…(笑)
「ま…まぁ…上位変換があるだろうから大丈夫だと思う!!」
『スキルは【キック】【パンチ】【体当たり】で宜しいですか?」
「はいっ!」
『それでは、JSBOの世界をお楽しみください……』
女性のNPCの優しい声がだんだん小さくなっていき、気付けば中央に大きな塔が立っている場所にミジンコはいた。
その塔の先端には、旗が刺さっていて大きな“1”の文字が風に靡いていた
「風が気持ちいいな…」
仮想世界のリアルさにつくづく思い知らされるミジンコは、行き交う人々を横目に見ながら、視界の右上にある『menu』から運営メッセージを開いた
『ようこそJSBOの世界へ。この世界では自分の職業に合った生き方をし、自分に合ったスキルを極め、強化し、自分の実力で世界を広げる事が可能です。』
「ほぅほぅ成る程、これがJSBOの由来か…」
『第一の街アルメンの特徴は、街の中央にある塔です。旗には全ての始まりを表す“1”が描かれています。』
「新しい街に入るとその街の特徴を教えてくれるのか…なんだか高性能ナビと旅行してるみたいで楽しいな♪」
今までに無い仮想世界の性能に浮かれているミジンコはこの街を見て回る事にした
「へーここが宿屋かぁ…小さいな…これが売店で…こっちが…ってうぉっ!?」
ミジンコがMAPと建物を交互に見ながら歩いていると急に辺りが暗くなった!!…訳ではなく大きな熊のような男が仁王立ちしていた
「おぃそこのお前、ちょっと俺の新しいスキルを試させてくれ」
「あ…あぁいいけど…どうやってやるの?」
「は?お前知らねぇの?…はぁ…ちゃんと運営のwebのサイトに載ってるだろう?」
「…そんなのあったんだ…」
「はっ…お前、そんなことじゃ周りに付いて行けないぜぇ?」
「うっせぇなぁ…さっさとやるぞ!」
「へいへい…あれ?このPVP俺から誘わなかったっけ?…まぁいいや!それじゃ始めるぞ!っとその前に、お前、青プレイヤーか?」
「なにそれ?」
「え?それすらも知らねぇの?…はぁ…簡単に説明すると、プレイヤーが一回罪を犯せば黄色、一ヵ月で青に戻る。二回以上は赤、三ヶ月で黄色になる。そして…10回以上で黒だ、黒はJSBO永久停止。因みに青は無罪を表す…俺は犯罪者とはお手合わせしたくないからな」
「成る程な…まぁ…恐らく青だぞ」
「だろうなw…じゃあ今度こそ始めるとするか…」
そう言って熊が何かをして自分の目の前に
『青プレイヤー 「熊乂」から《制限時間無し 勝敗決定条件:どちらかのHP0》の決闘がリクエストされました 承諾しますか? Yes:No』
と出てきた。勿論答えは“Yes”…すると無人の闘技場らしき所に飛ばされ視界の真ん中では10、9…とカウントダウンが始まっていた。
……そういえば、モンスターとさえも戦ったこともないのにいきなりの戦闘がPVPかよ…戦いかたわかんねぇよ…
ノリで承諾したついさっきの自分を悔やみながら何となくボクサーの構えをしてみる
「ぷっっくっっあははははなんじゃその構えwお前は職業ボクサーかよぉw」
…笑われた…それも腹を抱えるほど笑っている…みてろよ…一瞬で片付けてやる…
嫌~な顔をしつつ、ふと熊乂の手元を見てみると…
「あれ?…なんであいつ右手に弓矢を握ってんだ?…おっとそれよりもう始まるぞ…」
ボクサーの真似に一層力を入れ、熊乂を睨む
その姿に熊乂が一瞬怯むがカウントが0になった瞬間熊乂の目付きが鬼のようになり………………………………………………弓矢を持った右手を振りかぶりこちらに走って来ている…めっちゃ本気で…
「うぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!!!!!!!!」
自分の生死の危機を感じたのかミジンコも闘技場の中を走り出す
「うぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!?!?!?!?!?!?」
「ミジンコぉぉぉぉ!!!!とまれぇぇぇぇ!!!!殺してやるぅぅぅぅ!!!!」
「何でじゃぁぁ!!!!何で弓矢で刺そうとしてるんじゃぁぁ!!!!」
「うるせぇぇ!!くそっこうなったら新スキル!!《アローアタック》!!」
熊乂が走るのをやめ、叫んだ瞬間!右手に持っていた弓矢は光輝き!!………元に戻った
「何で弓で射ないんだよ!?あれ?…今俺敵に助言したよな?」
「弓も剣もないんだよぉぉぉ!!あるのは弓矢だけなんだよぉぉぉ!!」
「何で買わないんだよ!?」
「買うM(お金)が無いんだよぉぉ!!」
「…一回この決闘…やめようか…」
「…分かった…」
『両者がリタイアしたためこの決闘は無効になります』
「なぁなぁ…ミジンコ…お前…ユニークジョブって知ってるか?」
あの決闘の後、二人はアルメンの街の大きな酒場に来ていた
「…お前は俺を馬鹿にしてるのか?」
「すまんすまん…まさか本当に何も知らないとはな…ミジンコ…ログアウトのやり方…知ってるか?」
「……お前は俺を何だと思ってるんだ??まるで俺がペットでお前が飼い主で「ご飯食べるぅ?」みたいな感じで聞くのはやめてくれ!」
「…お前にそんな趣味があったとはな…悪い…俺帰るわ…」
そう言って立ち去ろうとしている熊乂の肩をガシッと掴み、全ての力を顔に込め一言
「そんなわけないだろぉ!?」
1日に500字、4日で一本投稿することに(仮)決定しました!!