NO.1 二ヶ月前
どうも鬼無里です。
さて気分で書き始めましたこの小説。
主に気分で書いているので、連続投稿したりしなかったり。いつものように長く間が空いてしまうこともあるかもしれません。というかほぼ確定。
それでもどうにか書いて書き終わる様にと頑張りますので、どうぞ応援よろしくお願いします。
これは、今から約二ヶ月ほど前の話である。
【ナナ・ルーヴァ】から東に三日ほど歩いたところに【ドルガーノ】という村がある。
今回の依頼はその村のちょうど真南に二・三時間で到着する【ラドン森林】で魔物のフリー討伐だった。
フリー討伐とは、主に繁殖しやすい魔物を決められた数を倒すほかに遭遇した今後危険になりうるであろう魔物を討伐してよいというものだ。別に、普通の討伐でも指定されている以外の魔物を討伐しても構わないのだが、フリー討伐の場合その魔物の数や強さで報酬を上乗せしてくれたり、ギルドへの貢献度ポイントが上がったり、村の皆様から多大なる感謝を貰えることもある。
ただし、魔物の乱獲になってしまってはいけないので冒険者ギルドの方ではCランクから上の冒険者にしか発注できないようにされている。
そんなフリー討伐で指定された魔物を狩り終えて、丁度帰路に着こうとしていた時のことだ。
ギャガギャアギャギャ!!
喧しい声を上げながら緑の素肌をした子供ぐらい体格の魔物が三体現れた。
背丈は短く他の魔物に比べると見劣りするが、その顔は醜く鬼のように目つきが鋭く牙がある。
【餓鬼】〈ゴブリン〉。そう呼ばれている魔物だ。
危険度は魔物の中ではかなり低い方で。冒険者と同じくF~SSSまでランク付けされている魔物のランク下から二番目ランクEに入っている。たまにゴブリンの中にも突然変異や亜種や魔法を覚えたものが現れることもありまちまち強さが変わるが、基本的には雑魚の雑魚。駆け出しの冒険者などの訓練に使わることが多い。
そんなゴブリンが三体現れた。
一体目。
棍棒を持ったゴブリンが俺に向かって襲い掛かってきた。
小さな体躯ではあるが素足で平気に森の中を力強く走るその姿はやはり魔物であり化物。そして、完全に俺ら人間を捕食多少としてみて殺気を出して襲い掛かってくるところもやはり鬼種の端くれであることを実感させる。
そのゴブリンは全力で俺に向かって疾走すると、大きく飛び上がり、俺の頭に向けて棍棒を思いっきり振りかぶってきた。
人間とは違い、自分の背丈ほどある棍棒をやすやすと振るう。
だが、俺は慌てず冷静に右足を一歩前に踏み出し、体を半身の状態にして紙一重で回避をし、同時に右手に握っていたナイフをゴブリンの首元へ深々と突き刺した。
魔物であろうが化物であろうが鬼であろうが人間だろうが。大抵の生き物は首にナイフを突き立てれば出血多量で死ぬ。そこまで痛みを感じる間もなく即死。喉に血が溜まるから断末魔も聞くことの無い冴えた優しいともいえる殺し方だ。もちろん俺はそんなことは一片も思わないけど。
俺はそのナイフの成果を確認せずに手を離し、前へと跳び出す。
二体目。
連撃をせずに控えていた二体いる内の一体、ダガーのような小刀を持っている方のゴブリンへと突撃した。
ゴブリンはいきなり近づいてきた俺に驚いたのか、持っている所々錆びたダガーで横に薙ぐようにして俺に斬りかかる。
体勢を低くして獣のように両手を地に着け、ダガーの範囲の下に潜り込み、そのまま前転をするようにしてかかと落としをゴブリンの左斜め上から首筋――延髄に叩き込む。
恐らく首の骨を砕いたのだろう。鈍い音が響きゴブリンは声もなく倒れる。
三体目。
かかと落としが決まった瞬間、回避を行い茂みから俺を狙って放たれた矢を避ける。
どうやら、最初に顔を見せた後すぐに隠れて俺の隙を窺おうとしたようだ。
だが、あまりにも早く仲間が殺されたので慌てて矢を放ち、結果悟られた。
殺気が全く隠せていない。避けてくれというものだ。
そして回避の時、体勢を反転させ、矢の放たれた方向に向け、ベルトからナイフを外し、そのまま投擲した。
もちろん狙うのは、首。断末魔はうざい。
しばらくして、周りの気配が消える。三体のゴブリンは全員絶命したようだ。
しめて、1800文字にも至らないつまらない殺し合い。というよりワンサイドゲーム。
まあ、ゴブリンじゃあこんなもんか。
「さてと、成果はどれぐらいかな。」
ポケットの中からギルドカードを取り出して確認する。
余談ではあるが俺は基本的に学制服を着て生活をしている。動きやすいしそこまで洗濯をしなくてもいいので重宝しているのだ。当然激しい戦になればボロボロの破けてしまうが、裁縫スキルはそれなりにあるので大抵は繕えるし、スペアを衣服屋にお願いして作ってもらってたりする
ギルドカードに指定された数の魔物は既に殺しているので問題はない。
「ふむふむ。まあまあかな。」
そういいながら先ほど倒したゴブリンの解体を行う。
首に刺したナイフは刃がこぼれてしまっていたので血糊を吹いた後カバーをして道具袋へとぶち込む。
砥石も持ってきているが、別に使わなくてもまだナイフの替えはあるから問題ない。
ゴブリンの素材や剥ぎ取った道具を討伐専用の袋に入る。
その中身がそろそろ今まで狩ってきた魔物や採取した素材などではち切れそうになっていた。
「……今回は終わりにして街に帰るとするかな。」
歩いて帰れば三日は掛かるが、まだ昼過ぎの時間帯のため、【ドルガーノ】の村に行けば明日の朝型には街に着く馬車が出ている。
馬車に乗る前にいろいろ片付けなどをしなければならないが、今から行けばまだ間に合う。
……まあ、そのまま帰りたいものなのだけれども。
「……僕は――いや俺は、割とお前のことを気に入っているんだけど。だから、嫌いになる前に出てきてくれると嬉しいんだ。――シテン。」
俺は深く溜め息を吐いて、気怠そうに告げた。
シテン。
ビースト〈獣人族〉。
ツキノワグマ……もといグリズリー〈熊種〉。
女性。
体長ていうか、身長2m6㎝の大型女性。
頭には熊族の特徴的な丸い耳が生えている。(ただし訳ありで片方だけ)
当然体毛は俺が分類されるヒューマン〈人間族〉よりもかなり毛深く、尾てい骨にあたる部分かわいらしい丸い尻尾が付いている。(ただし衣服を着ているため見えない)
そして、どうやらシテンはツキノワグマの熊族らしいが、その特徴である三日月型の模様は……変態の汚名を受けてもいいと思う男性の皆様方は頑張ってくれ。
呼んだのに出てこない。
脳内でシテンをイメージするのも飽きてきた。
探し出してこちらから出向いてやろうか。
これでも索敵には自信がある。元の世界では1000m先に隠れているスナイパーを探し出して、逆にこちらから狙撃を撃ち返したこともある。
ゲームじゃなくリアルで。
「…………………………………………。」
目の前、三十メートル先にある木――の上。
「……やれやれ。まあ、いいよ。無理に出てこなくても。ストーカーや尾行や闇討ち、辻斬り。そういった奴等にはここでもたくさん出遭ったから慣れたし。」
そしてその全てを殺した。
俺が気に入っているシテンは熊種なのに物静かで理解力があって、決して無謀なことをしないシテンだ。
「で、シテンや、その他の皆さんがいいのなら、【ラドン森林】全員魔物のエサにしてあげるけど。
……覚悟はいい?」
俺はそう言い放つと同時にナイフを投擲した。
――背後にいる【岩鬼】〈オーガ〉に向けて。
お粗末さまでした。
ストーリーがあらかた練れているので毎日投稿が数日はできるかもしれません。
8/14
子供ぐらいの背丈だがその顔は醜く鬼のように目つきが鋭く牙がある。
↓
背丈は短く他の魔物に比べると見劣りするが、その顔は醜く鬼のように目つきが鋭く牙がある。
に改稿。
動きやすいしそこまで選択をしなくてもいいので
↓
動きやすいしそこまで洗濯をしなくてもいいので に改稿。