21: SP振り分け
*スキル詳細やステータスは、読み飛ばしていただいても大丈夫です。
もしご興味があれば、ぜひご覧ください。
【ステータス】
名前:きなこ
種族:グルミー族 赤柴犬型
レベル:6
HP:140/140 (+30)
MP:40/40 (+10)
STR:16 (+3)
DEF:14 (+3)
MAG:5 (+1)
MDF:9 (+2)
AGI:27 (+6)
DEX:20 (+4)
EVA:11 (+2)
LUK:13 (+2)
[SP] 16
[特殊効果]状態異常無効
[称号] メロウレスト村の生き残り
[称号] モンスターテイマー
[称号] 迷名センス
[固有スキル] 潜伏者の祝福 (Lv.1)
[種族スキル] 影疾風 (Lv.2)
待て(Lv.1)
[スキル] 初級テイム (Lv.1)
[スキル] 迷名 (Lv.1)
[魔法]
風刃(Lv.1)
ライトはきなこのステータス画面を見て、にやりと笑う。
「SPが結構溜まってきたな。そろそろ振り分けるか?」
突然の提案に、きなこは戸惑う。
「SPって?振り分けるって何?」
ライトは得意気に胸を張る。
「ここに書いてる[SP]16ってのはスキルポイントっていってな、これをスキルに振り分ける事でレベルアップできるんだ。すごいだろ?」
きなこはピンとこない。
「ん……。強くなれるってこと? どうやって……」
ライトは画面を指しながら説明する。
「今の状態でスキル振れるのは【潜伏者の祝福】だけだからな……こうして……こうやる。やってみろ」
きなこは恐る恐る試す。
「うん。こうやってこう! えーー。[SP]1になっちゃったよ……折角溜まってたのに……」
ライトは呆れたように笑う。
「おいおい。使わなきゃ意味ねぇーだろ?」
きなこはしょんぼりと画面を見つめる。
「ん……僕の頑張りが……」
だが、その時。きなこの体にほんのわずかな変化が走る。
「……あれ? なんか気配が薄れたような……」
ライトはにやりと笑う。
「気づいたか? スキルの効果が上がってんだよ」
きなこは目を丸くする。
「本当……? ちょっと隠れんぼして、試してみようよ!」
「おいおい、まずはスキル詳細確認しろよ!」 と呆れるライト。
【スキル詳細】
[固有スキル] 潜伏者の祝福 Lv.4 [隠][パッシブ]
[種類]:パッシブ
[種類]:
[効果]:
[非戦闘時] 自身が「隠れる」行動をした際に、自動的に隠密状態になる。
[戦闘時] 自身の気配を極限まで消し、敵からの注意を引かない。隠密状態での回避率がわずかに上昇(5%)。
持続時間: 5秒
クールダウン: 10秒
[レベルアップ効果]:
必要SP: 初期付与
[Lv.2:必要SP3]
効果アップ: 隠密状態での持続時間が延長(5秒 → 8秒)
新効果: 隠密中、魔法攻撃に対する抵抗力が5%上昇。
回避率ボーナス: 10%(+5%アップ)
備考: 魔法攻撃を伴う敵にも対応しやすくなる。
[Lv.3:必要SP5]
効果アップ: 隠密状態で移動速度が10%上昇。隠密中の攻撃が敵に2秒間の鈍足効果を付与する(AGIダウン)
持続時間: 8秒 → 10秒。
クールダウン: 9秒(減少)
回避率ボーナス: 15%
備考: 移動速度アップにより、敵陣の突破や戦略的なポジショニングが可能に。
[Lv.4:必要SP7]
効果アップ: ステルス状態で「影疾風」使用時、ステルスが解除されずに連携攻撃が可能に(クールダウン増加なし)
追加効果: ステルス終了直後、範囲内の敵の命中率を10%減少させる(3秒間)
回避率ボーナス: 20%
持続時間: 12秒
備考: 連携攻撃が可能になり、特にカウンターが強力な戦略となる。
[Lv.5:必要SP9]
[備考]:メロウレストの生き残りの称号がもたらす力。
経験が、常に身を隠す力を与えている。
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【スキル詳細】
[種族スキル] 影疾風 Lv.2[速]
[種類]:アクティブ
[効果]:発動時、驚異的な速度で移動し、敵の攻撃を回避する。回避成功時、短時間カウンター攻撃が可能になる。
[消費MP]:5
[クールダウン]:5秒
[レベルアップ効果]
Lv.2:回避成功時のカウンター攻撃時間がわずかに延長。(通常時0.5秒延長、会心時は1秒延長)(きなこのレベル5で自動的にレベルアップ)
Lv.3:(きなこのレベル10で自動的にレベルアップ)
[備考]:グルミー族(柴犬型)専用スキル。俊敏な動きは、敵の攻撃をいなすだけでなく、戦場の流れを支配する鍵となる。
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[スキル] 初級テイム Lv.1[特][パッシブ]
[種類]:パッシブ
[効果]:モンスターとの間に、ほんの少しの 友好の繋がり を生み出す。
[詳細]:このスキルを所持していると、戦闘中や戦闘後において、一部のモンスターが、きなこに対して警戒心を解き、友好的な態度を示すことがあります。これは、本格的な信頼関係を築くための第一歩となります。
[消費MP]:なし
[クールダウン]:なし
[レベルアップ効果]:
Lv.2: ( いずれかのモンスターと共に、非常に簡単なミッションを1回クリアする)
[備考]:温かい 心が、不思議な繋がりを引き寄せるのかもしれません。この 繋がりをどのように育むかは、 使用者 次第。
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[スキル] 迷名 Lv.1[特][アクティブ]
[種類]:アクティブ
[効果]:仲間にしたモンスターに、ユニークな名前をつける。『スキル:迷名』を持つものに名付けさされると、レベルが上がりやすくなり、新たな可能性が開けます。
[消費MP]:2
[クールダウン]:なし
[レベルアップ効果]:
Lv.2:(迷名されたモンスターのレベル10で自動的にレベルアップ)
――――――
[種族スキル:待て] [溜]
[種類]:アクション
[効果]:自身の攻撃を溜める事によって強化。攻撃発動時にMPを消費する。
10秒ごとに攻撃力+15%(時間に応じて加算)
発動条件:戦闘中、指定時間、攻撃を溜めることで効果発動。MPが不足している場合は、強化効果は発揮されない。
[レベルアップ効果]
Lv.2:(きなこのレベル10で自動的にレベルアップ)
[備考]:グルミー族(柴犬型)専用スキル。溜めるほど攻撃力が強化される。
――――――
風刃Lv.1[風]
[種類]:アクティブ
[効果]:前方に風の刃を飛ばして攻撃する。対象に斬撃属性のダメージを与え、風圧による衝撃で軽量の敵をわずかに押し飛ばす。
[消費MP]:3
[クールダウン]:2秒
[レベルアップ効果]
Lv.2:(きなこのレベル7で自動的にレベルアップ)
[備考]風の力を操る初歩的な魔法。
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SPを振り分けた後、スキル詳細に一通り目を通す。
「ステルスって何?」
きなこは首をかしげながらライトに尋ねた。
ライトは鼻を鳴らして、得意げに胸を張る。
「お前、ほんっとに何も知らねぇんだな! まあ、教えてやるよ。ステルスってのは――つまり、『気配を完全に消す技術』だ!」
「気配を消す……?」
きなこは自分の両手を見つめる。気配を消すなんて、本当にそんなことができるのだろうか。
ライトは笑いながらきなこの肩を叩く。
「そう。敵に見つかりたくない時、姿を隠すんじゃなくて、“存在”そのものを消すってことだ。これを極めりゃ、敵のど真ん中に立ってても気づかれねぇんだぜ!」
きなこはポカンと口を開けた。
「そんなことできるの……?」
ライトはニヤリとしながら、ステータス画面を指差す。
「だからお前の『潜伏者の祝福』が重要なんだよ。今回、Lv.4まで上げたことで、【影疾風】を発動時に使えば、その間は【潜伏者の祝福】の効果が持続できるようになったんだ。つまり――お前は、相手に見えない状態で攻撃を仕掛けられるわけだ!」
きなこはじっと画面を見つめる。じわじわと、その意味が頭に入り始めていた。
「へぇ……なんか、忍者みたい。でも、見えない所から攻撃するって、ズルくない?」
ライトは額に手を当てて、大げさにため息をつく。
「ズルくねぇよ!技を極めた結果なんだからな。忍者のことだって、狡いとか思わねぇだろ?むしろ、カッコいいだろ?」
「たしかに!カッコいいね!」
きなこは納得したように笑い、尻尾を揺らした。
ライトは満足げに腕を組んで頷く。
「だろ? それに、忍者ってより、影そのものになれるって感じなんだぜ。すごいだろ!」
しかし、きなこはむぅっと唇を尖らせる。
「えっ……影かぁ……忍者の方がよかったなぁ……」
目をぱちくりさせた後、堪えきれずに吹き出した。
「ははっ! なんだよそれ! まあいい、実際に試してみりゃ、そのカッコよさがわかるさ!」
その後も、きなこはステータス画面をじっと見つめている。
今日習得した【待て】――その効果を考えれば悪くないのだが、どうもピンとこない。
ライトはそんなきなこの様子を見て、腕を組みながら呟いた。
「今日、習得した【待て】だが、さっき説明した通り、技を溜める事で強化できるって感じだな……ただ、強敵相手にそんな溜めてる時間稼げるかっていうと微妙だよな……」
きなこはしばらく考え込んでから、画面を指でつついた。
「この技もっといい使い方ないのかな?折角、グルミー族(柴犬型)専用スキルなんだし、カッコよく使いたいよ。ネーミングもカッコ悪いし、使い所もないなんて……」
尻尾を垂らし、ぽすっと床に座り込む。
ライトは顔をしかめた後、ニヤリと笑った。
「ネーミングについてお前が語るのかよ!……迷名センスのお前がよ!」
最後まで読んでいただきありがとうございます!
今回はスキルやステータスの紹介回でしたが、次回からは、いよいよ物語が本格的に動き出します。
きなこがこの新しい力を、どんな形で活用していくのか、楽しみにお待ちいただけますと幸いです。