表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
3/9

うずまきクネクネは蛇と鴉の合体物? そこにゴジラと宇宙人が

「いやいや、待て」とちゃんを手で制して京太郎は言った。


「飛び道具を持たないバケモノなどどれだけでてきても相手にならん。それより、次は君たちに任せたい。どれだけの力があるのか、どのような技を使えるのか見てみたい。ちゃん君の得意技はなにかね」


「僕の得意技はいろいろありますが、昆虫大好き人間ですから、第一に昆虫移動と第二に衝撃波ですかね」


「きゅんちゃんはどういう技を使うの?」


「私のは大技よ。怪物召喚。でも、ときどき宇宙人が一緒にやってくるから厄介なの」


「怪物召喚?」恭美の眼が輝いた。


「私、そういうの大好き! 宇宙人にも興味あるわ。そんな技が使えるなんて凄すぎよ」


「でも、マジで予想もつかない怪物が出てくるのよ。ヨウトームンムンなど、一口で食べられちゃうようなのとか。そのような時はひたすら逃げて、呪術で魔法を消すのよ」


「まさに興味津々ね」今日子の眼もらんらんと輝いている。


(ふたりとも、そんなに宇宙系の怪獣大好き人間だったの? それでプレデターをゴジラみたいと言っていたのか。とんでもない忍者たちだ)


京太郎は呆れたように二人を見ていたが、実は、京太郎も宇宙人大好き人間なのだ。


「ところで、うずまきクネクネはどこにいるのですか? 一応、見てみたい。奇妙なものはすべて見てみたい」


「うずまきクネクネの棲み処は教会よ。墓のある教会。そこに行けば会えるわ」


五人は村はずれの教会に辿り着いた。


「屋根に巨大な十字架が立っているのね、ということは、ここはキリスト教の教会ね。このゲームのような世界にも宗教は存在しているのかしら」


今日子の問いかけにちゃんが応じた。


「この世界には宗教のようなガラクタは存在しませんよ。誰がイージーな作り話を信じるというのですか? ここの住人は、いけすに飼われている魚のように、食われることから逃げるのに必死ですから、実のない、架空の話など信じているヒマはありません」


「そうよね。分かるわ。宗教を信じているのはヒマ人だけよね。現実に生きていると絵空事などに時間を奪われたくないものね。ところで、教会の前に人がいるけど。あれは餌なのかしら」


「いいえ」ときゅんが言った。


「彼はここの神父よ。教会と墓場の管理をしている人なの」


「こんにちは」と恭美は神父に挨拶をした。


「だれじゃ、おまえたちは、ここは人間のくるところではない。さっさと消え失せろ」


京太郎が笑みを浮かべながら言った。


「なかなか、言葉使いが乱暴ですね。いい傾向です。バケモノの召使いが上品なものの言い方をされていると調子が狂いますからね。ところでバケモノはどこにいるのですか」


「ここにはバケモノなどおらぬわ。ここには、空に鴉、地に蛇しかおらぬわ」


「鴉と蛇が共存しているのですか?」と今日子が不思議そうな顔をして訊いた。


「いやいや、奴らは互いに食い合っておる。鴉は空から舞い降りて蛇を捕食し、蛇は樹木を這って、鴉の卵や雛を食い荒らしておる。蛇の中には空を滑空できるものもおるぞ」


「空を飛ぶ蛇ですか?」


「そうじゃ、体を広げて、ムササビのように滑空しよる。しかも、クネクネと体をよじらせて飛行を操っており、飛んでいる鴉におそいかかって食料にしちょる。クヘヘ、面白いじゃろう」


今日子が第三の眼を開いて、教会の奥を霊視してみると、何か巨大な生き物が見える。


(なにかしら?)


その生き物は顔が蛇で鴉のような翼を持っていた。


(まぁ、よくある風情のバケモノね、ありきたりだわ)


今日子が「でも、教会に誰かがいるわ。巨大な奴、蛇のような顔をした……」と言いかけると、神父は慌てて、「だれもおらん! いい加減なことをぬかすな」と血相を変えて怒鳴ってきた。


「はっ? この大嘘つき神父め」と今日子の怒りが爆発し、十八番のバックスピンキックが神父の側頭部に炸裂した。


神父は一発でぶっ飛んで気絶した。


その騒ぎを聞きつけたのか、あのバケモノが教会の扉を開けてでてきた。


霊視した通り、蛇のような顔をして黒い羽根を持っている。


しかし、その背丈は3メートルほどと巨大で、しかも、がっちりした肉体を持っており、どこもクネクネしていないし、渦巻きもついていない。


それでもバケモノであることに変わりはない。


京太郎がきゅんに言った。


「さぁ、バケモノが出てきましたよ。急いで怪物を召喚してください」


その言葉に背を押されるかのよううにきゅんが杖を使って地面に魔方陣を描き、その真ん中に立って聞いたこともない言語で呪文を唱え始めた。


すると、晴れ渡った天空がにわかに曇りだし、雷鳴がとどろきだしたかと思うとすさまじい稲光と共に、怪物が天から降りてきた。


それは、太古の恐竜だった。


「キャー! ゴジラよ、ゴジラ」と今日子と恭美は大喜びだったが、京太郎はつまらなそうな顔で呟いていた。


(恐竜って、また、ありきたりじゃん)


しかし、三人は恐竜の足元に白いタキシードを着て蝶ネクタイを装着した、笑顔が満載の背の丈10センチほどの小さな男が立っているのを見落としていた。


ちゃんときゅんはそれを見逃さなかった。


二人は渋い顔をしてハモるように言った。


「また、宇宙人が紛れ込んでいる! しかも、見たことのない新顔だ」


うずまきクネクネは恐竜を見て、少し驚いた顔をしたが、(なんだ生き物か)と分かるとあたりをキョロキョロと見渡した。


(絶対に恐竜だけではない。

これを召喚した奴らがいるはずだ)


その隙を狙ってきゅんが恐竜の背に飛び乗った。


その瞬間、クネクネの首が蛇のように、文字通りクネクネと伸びて恐竜に噛みついた。


「ガォォォォォ」


驚いた恐竜は叫んで尻尾をクネクネにぶつけたが、この程度の肉体的衝撃にたじろぐわけもなく、さらに恐竜の顔を締め付けて窒息死させようとしていた。


きゅんは恐竜の頭に移動して、頭をなでながら呪文を唱えた。


すると、恐竜が変身した。

背びれが伸び、青白く光り出した。


それを見て今日子が叫んだ。

「見て! 恐竜がゴジラに変身したわよ」


「キャー! ゴジラになった! ゴジラよゴジラ」と恭美も大騒ぎしている。


変身を感じ取ったクネクネの耳がうさぎのそれのように大きくなって長くなり、二つの耳の間に渦巻きが出現した。


ゴジラが「ウォォォォォ」と吠えるとともに、その口から青白い熱射線が放出された。


渦巻きから放たれた衝撃波が熱射線を迎撃する。


「あっ、熱射線が弾き返された」


今日子が残念そうに言うと、恭美も「熱射線は連続では撃てないのよね。危ないわ」と言っていた。


(まったく)と京太郎はあきれ顔で呟いていた。


「どうしてこんなにゴジラに詳しいのだ」


ゴジラのエネルギーが充填されると再び背びれが青白く光り出した。それを見たクネクネがゴジラの顔に噛みついた。ゴジラの顔がわずかに右に動き、発射された熱射線は教会に向けて放たれた。


BAAAAANという衝撃音と共に教会は木っ端みじんとなり、煙を残して消滅してしまった。


これでは、ゴジラに勝ち目はないと踏んだ京太郎は天狗丸を使って大ジャンプをしたが、クネクネの渦巻き衝撃波を食らって吹き飛ばされてしまった。


それを見たちゃんが魔法の杖を渦巻きめがけて投げつけた。


杖は渦巻きに命中し、GoooooNという大音響を残して杖も渦巻きも消し飛んでしまった。


「いまね」

「いまよ!」


恭美がジャンプし、そのお尻を今日子が蹴上げていた。


恭美は大きく飛び上がってクネクネの首を斬り落とすのに成功していた。


しかし、油断はできない。

すぐに再生してしまうからだ。


クネクネは一時退避をするためか巨大な翼を羽ばたき始めた。


「逃げるわよ」


今日子が叫び、その叫びに呼応したかのように、京太郎が両の掌を向けて、エネルギー弾を発射した。ズーン! という低周波音を残してエネルギーが放射され、クネクネの片翼が消し飛んだ。


クネクネはきりきり舞いをするように落下したが、すぐに片翼を修復させて羽ばたいていた。


そして、ゴジラの顔に爪を立て、そのまま飛び去ろうとしていたとき、長剣を振りかざしたちゃんがゴジラの背を駆けて飛び込んできた。


ちゃんはクネクネの顔を斜めに切り裂いた。


その斬り口を狙ってゴジラが吠えた!

満を持してその斬り口に熱射線を放出した。


クネクネの顔が消し飛んだ。


それでも、顔が無くなっても首はクネクネ動いている。


しかも、頭部の負傷などどこ吹く風とばかりに羽ばたき始めている。


「逃がしちゃダメよ」恭美が叫んでシャー! とエネルギー弾を片翼に撃ちこみ、京太郎もズーン! とエネルギーを残った片翼に照射した。


両翼にダメージを受けた、顔が斜めに斬り裂かれたクネクネの首をめがけてちゃんが飛んだ。


まさに、総力戦だ。


クネクネ唯一の飛び道具である渦巻きが破壊されているので、クネクネの手段としては逃げる他ないのだが、寄ってたかって斬りきざまれ、撃ち抜かれ、最後にはちゃんの長剣によって首が刎ねられた。


きゅんは素早くゴジラの頭部から飛び降り、クネクネの胸部を切り裂いていた。


そして、遂に、クネクネの心臓を取り出した。


「ふわぁ~。ようやく心臓を手に入れたわ」


心臓にはイチゴが三つ入っていた。

「これでお兄ちゃんと同じ数のイチゴが食べられる」


きゅんは大喜びしていたが、そうは問屋がおろさない。


京太郎が割り込んできたからだ。


京太郎は言った。


「この戦いには僕たちも大いに働いた。だから、三つのイチゴの内、一つは僕が貰う」


京太郎はきらめくイチゴを手に取って、「これは、とちおとめかあまおうか、どれだけ甘いのか楽しみだ」と言いながら、口に放り込んで、思わずむせんで、絶叫していた。


「こ、これは、苦いじゃないかぁぁぁぁぁ」


きゅんが言った。


「これはイチゴと言っても、果物じゃないのよ。果物みたいだけど、これはアイテムだから、食べておいしいモノじゃないわ」


よろしければ、ブックマークと評価をお願いします。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ