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魔法少女クリミナル  作者: 影野龍太郎
episode9【激突! 悪の絆VS正義の絆!!】

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ep9-3 勝利目前! これがあたしたちの力よ!

「それ、それ、それそれそれそれそれそれ! どうしたの、偉そうなことを言ってた割には防戦一方じゃないの!」


 ふと気になり、お互いの手が止まったのを見計らいあたしはヴァーンズィンとカレッジとの戦いに意識をやる。


 すると、カレッジがそんな言葉を吐きながらヴァーンズィンに向けて拳を振るっていた。


「くぅっ、思った以上にやりますねぇ。やっぱいきなりの実戦は無理がありましたかねぇ」


 なんとか攻撃をいなしながらそんな言葉を口にするヴァーンズィンにあたしはハッとなる。


 そうだ、ヴァーンズィンは――キョーコはついさっき暗黒魔女覚醒の儀を行い戦士になったばかりの新米、いくら強力な暗黒魔女の力を手に入れたとはいえ戦闘経験どころか正式な訓練すら受けていない状態でそれなりに経験を積み重ねてきたカレッジの攻撃をさばききれるとは思えない。


 あたしは慌てて視線を戻すと、ヴァーンズィンは肩で息をしながらなんとか立っているといった状態だった。


 そんな彼女の姿を見て、あたしの中に焦りが生まれる……まずいわ! 早く助けにいかないと……!


「よそ見してる暇なんてあるの!?」


 しかしそんなあたしの隙を見逃さずブリスが攻撃を仕掛けてくる! ああもうっ!! なんでこう上手く行かないのよ!? あたしは心の中で悪態を吐きながらも鞭を振るいブリスの攻撃を受け止める。


「オプファー……あなたにも仲間を大切に思う気持ちがあるんだね。だけど、街を破壊したあなたを、わたしは許せない! あなたを倒して街を取り戻す!」


「ハッ! 綺麗事ばっかり言ってんじゃないわよ! そんなおままごとみたいな正義感で勝てるほど悪は甘くないのよ!!」


 あたしとブリスはお互いに一歩も譲らず激しい攻防を繰り広げる。


 あたしの振るう鞭をブリスはあるいはかわし、あるいは拳に纏わせた魔力で弾く。


 それでも何発かは当たっているのだけど、怯むことなくこちらに攻撃を繰り出してくる。


 致命傷にこそならなかったが、あたしもまた何発かは攻撃を受けてしまっている。


 いつしかあたしの露出過多の衣装から覗く肌には無数の痣や切り傷が浮かび上がり、肩で息をするようになっていた。


 対するブリスも無傷とはいかずあちこちに擦り傷や打撲痕が見え隠れしている……。


 くっそ、やっぱり暗黒魔女って最悪だわ! 露出度が高いせいで傷が目立つのよ、傷が!!


 暗黒魔女のコスチュームは露出度の高さとは裏腹に意外と防御力は高いのだけど、同程度のダメージでもなんとなく見た目的にブリスよりあたしの方がダメージを負ってるように見えるのが納得いかない。


「はあっ……はあ、やるじゃない……」


 あたしは肩で息をしながらブリスを睨みつける。しかし彼女もまた余裕のない表情であたしを見据えていた。


「あなたこそね……! でもこれでおあいこだよ!」


 彼女の発するそんな言葉を聞きながら、あたしはすうっと大きく息を吸い、一気に吐き出す。


「ダークウィップ+ダークネスショットぉぉ!」


 あたしは叫び右手で鞭を振るうと同時に左手からは魔力弾を撃ち出す!


 性質の違う二つの攻撃がブリスに向かって飛んでいく。


 ブリスはひとまず鞭をかわすべく後ろに跳ぶが……かかったわね!


 あたしはクイクイッと指を動かしダークネスショットの軌道を修正する。


「な……!?」


 ダークネスショットはブリスの足元の地面を抉り、そのまま彼女の体ごと空中に跳ね上げる! そしてそこにあたしの鞭が追い打ちをかけるように襲いかかり、その体に巻き付いた!


「あうっ!」


 悲鳴を上げながら地面に叩きつけられるブリス。しかしまだ終わりじゃないわ……!


「さあいい声で鳴いてね、ブリス!」


 バチバチバチバチ!! あたしが彼女に巻き付く鞭に魔力を込めると、鞭全体に青白い電光が走る!


「きゃああああああ!!」


 悲鳴を上げるブリス。あたしはそのまま更に魔力を流し込む……!


「ああああああ、痛い、痛いぃぃ!」


 全身を舐め回す電撃にブリスは悲鳴を上げ、のたうち回る。


「ふふ、気絶するかしないかのギリギリをキープしてあげるから、思う存分苦しみなさい!」


 あたしは鞭に流す魔力の量を増やしながらブリスに向かってそう言い放つ。


「うあああっ! ああああっ!!」


 しかし、あたしはある事に気づきぎょっとする。悲鳴を上げながらもブリスはその瞳に絶えることない闘志を湛えたままこちらを睨みつけていたのだ。


 くぅっ、なんて根性……! そう言えばこの子はあたしによって裸に剥かれその大事な部分を全世界に公開されてもなお、決して諦めなかった……! その根性を甘く見てたわ!


 でも、だけどね……!


「睨みつけるだけで鞭が解けたら苦労しないのよ!」


 あたしはそう叫ぶと、更に鞭に魔力を込める! バチィッ!!


「ぎゃああああっ!」


 大絶叫が響き渡った。ブリスの口から――ではない。当然あたしの口からでもない。


 何事かと背後を振り返ると、ヴァーンズィンの鋭い爪がカレッジの肩口に突き刺さっているのが見えた。


「油断大敵、ですよぉ。それに、今あなたはブリスのことを気にしてこちらから視線を外しましたねぇ、いくらヴァーンズィンちゃんが未熟だからって、よそ見して勝てるほど甘くないですよぉ」


 ニタァッと笑いながら爪を引き抜くと、ぶしゅっと鮮血が噴き出す。


「あ……ぐ……」


 カレッジはその場にガクッと膝をつく。


 ヴァーンズィンは自分の顔に掛かった血を指で拭うと、それをペロッと舐めてからカレッジを蹴り飛ばす。


「きゃあっ!」


 悲鳴を上げて地面に転がるカレッジを見下ろしながら、彼女はケタケタと笑う。


 おおっ! やるじゃないヴァーンズィン! 見事カレッジに致命傷を与えたわね!

お読みいただきありがとうございました。

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