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方針変更だ!

新章始まります。

 朝、目が覚めると手には何か硬い石のようなモノが握られていた。

 勾玉まがたまって言うんだっけ?

 たぶん吉備津彦命様が夢は真だったという証拠エビデンスとして持たせたんだろうな。もし夢のお告げの通りだとすると、僕は鬼達を助けなきゃならないみたいだ。そして悪党3人をやっつけて平和的に解決する。

 ん〜〜〜難しい!全然分かんないよ。


 力づくで解決しようと戦いになったら、多分勝てないよな。

 鬼13匹 対 農民兵2人+女の子1人+犬1匹。

 敵が手ぶらの素人なら何とかなるかも知れないけど、相手は何度も村を襲撃している戦い慣れた海賊だ。当然、武器も持ってる。御伽草子の『桃太郎』じゃあるまいし、正面から戦うのはナシだな。

 まずはキギスが戻るのを待って、それから島に渡ってマサルと合流して情報を集めるとしよう。


 ◇◇◇◇◇◇


 翌々日、キギスはキビダンゴ100袋を持って宿屋に到着した。


「モモタロウ様、お頭様から『頼りにしてるぞ』って言伝を貰ってきました」


「そうか、爺さん達は元気だったか?」


「モモタロウ様のとこのお爺さんお婆さんはお元気でした。

 けれど、源田のお爺さんが5日前に亡くなったって聞きました。

 あと高津の花ちゃんに3人目が生まれたって。」


 つくづく思うのだが、この世界では死というものを身近に感じる。

 その分、子供が毎月の様に生まれてくるから、元の世界の感覚だと子供がめっちゃ多く感じる。


「到着早々申し訳ないが予定変更だ。

 島に渡ってマサルと合流する事にした。

 船の手配は出来ている。」

 

「モモタロウ様〜、少しだけお休みしましょうよぉ〜。

 働いてばかりじゃなくて、……一緒に……だけでも。」


 キギスが頬を膨らませて抗議した。


「島に着いたら休ませてやる」


「ひどっ!

 モモタロウ様がしっちゅう言っている"ぶらっくきぎょう"ってこうゆうのじゃないですか?!」


「ちわー、モモタロウ様はこちらですかぁ〜」


 ん?マサルの声じゃないか?


 宿屋の大戸口おおとぐちに行ってみると、島に居るはずのマサルが居た。いつもは飄々としたマサルが真剣な表情をしている。


「どうした、マサル。

 ビビって逃げてきたのか(笑)」

 

「ひでぇぜ、大将。

  おれっち真面目に調べてきたんだぜ」

 

「スマンスマン、お前の様子を見れば何かあったのは分かってる。

 ご苦労さま。キビダンゴでも食おう。

 キギスが持ってきたばかりだ。

 キギス、これで3人分のお茶を持ってきてくれ」

 

 小銭を渡してキギスにお茶を頼んだ。


 部屋に戻り、キギスがお茶を3杯持ってくるのを待ってキビダンゴを袋から取り出した。茶をすすりながらキビダンゴをモグモグと食べると緊迫した雰囲気が緩み、ホッとした空気が流れた。

 やっぱ甘いものは良いな。


 そして、会合ミーティング初っ端からマサルの口から衝撃の事実が語られた。


「大将、あの島はやべぇですぜ。

 鬼に乗っ取られていた。

 島民は人質を取られているから手出しが出来ねぇ」


鬼ヶ島の場所を女木島と想定して、今後の話が進みます。

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