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元・奴隷の聖女様 ~奴隷に堕ちて3年後… 聖女の力に目覚めましたが、染み付いた奴隷根性が抜けません!~  作者: タイガー大賀


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第93話 オリビアの悲劇?

 オリビアは毎日、指輪を(のぞ)いて違うブレスレットやアンクレットを身に付ける様になった。

 ソフィアからの(ひょう)(ばん)は良く、毎回の様に──


「わぁ~♡ 今日の()()()()()()()()()()()()も、凄く()(れい)ですねぇ♡」


 と、()められていたと言うか感心されていたのだが…


「……でも、今までオーリャさんって()()()()()()とか身に付けてませんでしたよねぇ? それが最近になって付ける様になったのって、何か理由でもあるんでしょうか…?」


 と言われて(あせ)り始めた。

 まさか『ソフィアを見詰(みつ)める自身の表情を確認する為の指輪の存在を誤魔化す為』とは言えない。

 しかし……


「いやまぁ、何と言いますか… ホラ、私ももうすぐ16歳じゃないですか。ですので多少ではありますが、お(しゃ)()に目覚めたと言いますか! ただ、ソフィア様の護衛騎士として、あまりブラブラした物は不適切なのではと思い、出来るだけ腕や(あし)にフィットし、(なお)()つ護衛騎士としての品格を落とさない物を選びつつもマンネリ化しない様に日替(ひが)わりで付け替えておりまして! この指輪も、護衛騎士としての仕事とは関係無く、表面が鏡になっておりまして、自身が()()()()()表情をしていないか確認する為の物でありまして!」


 ソフィアからの質問…

 と言っても、彼女は()()()()()気になった事を聞いてみただけだったのだが…

 ()()質問に(あせ)り、言わなくて()い事までベラベラ話してしまい、結果としてソフィアに(あき)れられたのだった。





 ────────────────





「何を余計な事までベラベラ話してるしまってるんですか…?」


 修練場に移動し、ソフィアとセリナが魔法の鍛練(たんれん)をしているのを(なが)めながら、アンナはオリビアに()(げん)(てい)する。


「いやまぁ…… 適当に誤魔化すつもりだったんだけど、話してる(うち)につい…」


 オリビアの()()()に、アンナは()め息()じりに言う。


「はぁ…… ソフィア様を敬愛するオリビア様が、ソフィア様からの質問に(あせ)ってしまうのは(わか)ります…… ですが、もう少し落ち着いて、余計な事まで話さないで下さい。お(かげ)()()()()が〝オリビア様がソフィア様に対して()()()()()()をしているのを確認する為〟に付けているのが、ソフィア様は勿論ですが、一緒に居たセリナ様や侍女・メイド・執事達にも知られてしまったんですからね?」


「うっ…… それは何とも…… って、今の話だと、あの場に居た全員に〝私が指輪を付けている理由〟がバレたって事か!?」


 オリビアは(あわ)ててアンナに確認する。

 するとアンナは首を振ってから(うなず)く。


「……どっちなんだ……?」


 ()(げん)な表情で聞くオリビアに、アンナは淡々(たんたん)()げる。


「さすがに私も、あの場に居なかった者に、どこまで伝わっているかは()(あく)してはおりません。が、(おそ)らくですが、侍女から侍女、メイドからメイド、執事から執事へと伝わっている可能性は否定出来ないかと思います」


「マジかよぉおおおおおお……」


 オリビアは頭を(かか)え、修練場の床に()()したのだった。






 オリビアとアンナが()()()()()をしているとは全く知らないソフィアとセリナは、懸命(けんめい)に魔法の鍛練(たんれん)を続ける。


空間封鎖スペース・ブロッキード!」


 セリナが(さけ)ぶと、修練場に()る大岩が魔法の壁に(つつ)まれる。


「更に空間封鎖スペース・ブロッキード!」


 続けてセリナは2回目の空間封鎖スペース・ブロッキードを発動。

 すると、大岩を(つつ)む魔法の壁の外側に、もう1枚の魔法の壁が現れて(きょう)()さを増す。


「もう1発、空間封鎖スペース・ブロッキード!」


 これで魔法の壁は(さん)(じゅう)になり、かなり(がん)(じょう)になった。


最後(ラスト)空間封(スペース・ブロッ)…………」


 最後の空間封鎖スペース・ブロッキードを発動させようとセリナが言葉を(はっ)している途中で彼女は(ちから)()き、失神こそしなかったものの、その場にへたり込んでしまう。


「セリナさん、大丈夫ですか? 今日はもう、これぐらいにしておきましょう」


 すぐ(そば)に居たソフィアがセリナを(ささ)え、周囲で見守っていた司祭や司教が(あわ)てて駆け寄ってくる。


「だ…… 大丈夫ですわ…… それより、ソフィアさんに頼みがありますの……」


 (はっ)する声は弱々(よわよわ)しかったが、セリナの意識がハッキリしている事に安心するソフィアは、彼女の願いを聞く事にした。


「何ですか? 私に出来る事なら、何でも言って下さい」


 セリナを(ささ)えながら言うソフィアに、セリナはソフィアに抱き付きながら言う。


「このまま…… (わたくし)が満足するまで(わたくし)を抱き()めていて下さいまし…… (わたくし)()りなくなった〝ソフィアさん成分〟が補給出来次第、復活出来ますわ♡」


 そう言いつつ、セリナは更にソフィアをガッシリと抱き()め……


「その、セリナさんの言う〝ソフィアさん成分〟ってのが私には(わか)らないんですけど…… まぁ、私を抱き()める事でセリナさんが回復するなら、いくらでも抱き()めてくれて(かま)いませんよ?」


 言いつつソフィアはセリナを抱き()め、無意識に彼女の頭を()でていた。

 その(かたわ)らでは……


「さ… さすがに聖女セリナ様とは言え(ゆる)せんっ! よりにもよって()()ソフィア様に抱き付き抱き()められるだけでなく、頭まで()でて貰うなど… ぐぇっ!」

「ハイハイ…… そもそもソフィア様は誰のモノでもありませんし、聖女であるセリナ様に対して剣を抜こうとするなど、そちらの方が(ゆる)されませんよ?」


 と、セリナに(しっ)()したオリビアが激昂(げきこう)して剣を抜こうとし、それを()(ばや)(さっ)()したアンナに軽く()め落とされていたのだった。





 ────────────────





「何をやっておるのだ、オリビア……」


 オリビアの父、セルゲイは彼女を呼び出し、最近のオリビアの振る舞いについて問い(ただ)す。


()(ほど)の事が無い限り、剣は抜かないと(ちか)ったのではなかったのでは? なのに今回、ソフィア様がセリナ様を抱き()めて頭を()でただけの事で剣を抜こうとしたと聞いたぞ? これは(ちか)いに反するのではないか?」


 セルゲイは()()()厳しい()でオリビアを(にら)み、問い()める。


「いや、父上! 私は何も(やま)しい気持ちで剣を抜こうとしたのではありません! ただ、ソフィア様に抱き()められ、頭を()でて貰ったセリナ様が(うらや)ましかっただけなのです! 仮にですが、もし母上が父上の敬愛する人を抱き()めたり頭を()でたりしたら(しっ)()しませんか? 嫌だと思いませんか?」


 オリビアは必死になって言う。

 しかし……


「まぁ、確かにナタリア(セルゲイの妻、オリビアの母の名)がその様な事をすれば……」


「でしょう!? 私の感情は、それと同じ事です! ですので私はソフィア様がセリナ様に対し──」

「話が別だろうがぁあああああっ!」


 その()、オリビアはセルゲイから散々(さんざん)説教を食らった上、ソフィアの護衛時には帯剣(たいけん)すら許して貰えない事になったのだった。

 理由としては、剣を持っていなくてもソフィアの護衛には何の支障も無い(ほど)の体術を(しゅう)(とく)していたかららしい。

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