表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
元・奴隷の聖女様 ~奴隷に堕ちて3年後… 聖女の力に目覚めましたが、染み付いた奴隷根性が抜けません!~  作者: タイガー大賀


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

85/92

第84話 セリナの気合い

 3つの強力な攻撃魔法を連続で(はな)つと聞いた面々は、そんな事が可能なのかとソフィアに詰め寄ったのだが…

 ソフィアの答えは意外なモノだった。


「3つの魔法を連続で使ったとして、私の最大魔力容量(きゃぱしてぃ)からは半分ぐらい失いますかね? あ、地面鉄化(アイアン・グラウンド)は展開する範囲次第ですが、だいたい火球(ファイヤー・ボール)10発~20発ぐらいの魔力量(あまうんと)で展開出来るので心配()りません。ですけど、聖光矢雨ホーリー・ライト・アローズ空間圧縮スペイシャル・コンプレッション(ホーリー・)(ニュークリア・)爆滅(ディストラクション)の連続使用は、どれだけ頑張っても()()()()()2回が限界でしょうけど…」


 (じゃっ)(かん)()(あん)()ではあるものの、かなりの破壊力を持った魔法3つの連続使用を、限界とは言え頑張れば2回(こう)使()可能と言ったソフィアに対し、驚愕するマッカーシー大司教。

 (ほか)の面々は、イマイチ理解していないのか、(ほう)けた表情だった。





 ────────────────





「凄まじい威力であったな、あの空間圧縮すぺいしゃる・こんぷれっしょんと言う魔法は… だが、その魔法を(もっ)てしても倒せぬのが魔王か… 歴代の聖女の誰も倒せなかったと言うのも(うなず)けるのぅ…」


 王宮の自室に戻った国王(エドワード)は、椅子に(もた)れて(ちゅう)(あお)ぎながら(つぶや)く。


「そうですわね… 魔王とは、それだけ脅威と言える存在なのでしょう。ですけど陛下… 倒せなかったとは言え、魔王の魔力を地上に()られなくなるまで(けず)っただけでも、歴代の聖女の()した事は素晴らしい功績と言えますわよ?」


 国王(エドワード)(つぶや)きに、王妃(タチアナ)(ほほ)()みながら(こた)える。


「そうじゃな… 魔王を倒せなかったとしても、追い払ってくれただけでも(ぎょう)(こう)と言えよう。その意味では、歴代の聖女様には感謝じゃな。そして、その魔王をソフィア様なら本当に倒せる可能性がある。セリナ様も魔法の鍛練に(はげ)んでおられるし、良い(ちょう)(こう)じゃな♪」


 国王(エドワード)王妃(タチアナ)に満面の笑みで(こた)えるのだった。





 ────────────────





 ソフィア達は場所を移し、大聖堂の聖女邸の食堂で話を続ける。


「今の私では… と、(おっしゃ)いましたな? それはつまり、今は2回(こう)使()するのが限度でも、ゆくゆくは3回(こう)使()する事が可能だと言う事ですかな?」


「そうですね… 私がセリナさんみたいに少ない魔力量(あまうんと)でそれぞれの魔法を発動させる事が出来れば、3回は攻撃出来るんじゃないかな~と思うんですけど…」


 マッカーシー大司教が聞くと、ソフィアは考えつつ答える。

 勿論、口で言う(ほど)()(やす)い事ではない。

 火球(ファイヤー・ボール)雷撃(サンダー・ボルト)の様な、元々多くの魔力量(アマウント)を必要としない魔法ならばともかく、膨大(ぼうだい)魔力量(アマウント)を必要とする魔法を魔力量(アマウント)(おさ)えた状態で発現させる事自体、()(ぼう)とも言える。


「ソフィア様ですら頑張って2回(こう)使()するのが限度の魔法を、魔力量(アマウント)(おさ)えて(こう)使()する事で3回ですか… さすがに難しいのではありませんかな? 勿論、2回(こう)使()した(あと)に残る魔力量(アマウント)にも()りますが…」


 ソフィアの答えに、マッカーシー大司教も考えつつ疑問を(てい)する。

 するとソフィアは…


「そうなんですよねぇ… 聖光矢雨ホーリー・ライト・アローズも、空間圧縮スペイシャル・コンプレッションも、(ホーリー・)(ニュークリア・)爆滅(ディストラクション)も、発動させるには膨大(ぼうだい)な魔力を消費しますから、そもそも発動させる膨大(ぼうだい)魔力量(あまうんと)(おさ)えるって事自体が()(ぼう)なのかも知れませんねぇ…」


 と、首を(ひね)りながら答え、マッカーシー大司教は勿論、話を聞いていたオリビア達も(うなず)くのだった。





 ────────────────





 ソフィアから〝空間封鎖スペース・ブロッキード〟で魔王を拘束(こうそく)する事を頼まれたセリナ。

 彼女は毎日の様に修練場へと(かよ)い、如何(いか)にして少ない魔力量(アマウント)で魔法を発動させるかに()(しん)していた。

 ソフィアの弁に()れば、空間封鎖スペース・ブロッキード聖光矢雨ホーリー・ライト・アローズの半分程度の魔力量(アマウント)で発動出来るとの事だが、聖光矢雨ホーリー・ライト・アローズを完全な状態で発動出来ないセリナでは、1回発動させるのが精々(せいぜい)だった。

 2回発動させる事も可能と言えば可能だったが、現在のセリナの最大魔力容量(キャパシティ)では間違い無く魔力()(かつ)を起こしてしまう可能性が高かった。

 その為、修練場でセリナが空間封鎖スペース・ブロッキードの発動修練を(おこな)う際には必ずマッカーシー大事件が付き()い、無茶をしない様に気を(くば)っている。

 これはソフィアからの懇願(こんがん)だった。

 人を観察する事に()けているソフィアは、セリナの事を『傲慢(ごうまん)に振る舞っているが、責任感が強い』『責任感が強いが(ゆえ)に、(とき)に無茶をする』と()ていた。


「相手の微妙な表情の変化で何を考えてるのかを読めるのにも驚きましたけど… ソフィアさんって、そんなトコまで読めるんですのね…? 観察眼が鋭いなんて言葉で片付けられる程度の鋭さじゃありませんわよ…」


「それは、ソフィア様の見立てが正しかった… と言う認識でよろしいのですかな? セリナ様は『傲慢(ごうまん)に振る舞っているが責任感が強く、それ(ゆえ)(とき)に無茶をする』のだと…」


 マッカーシー大司教が聞くと、セリナは気恥(きは)ずかしそうに(うなず)く。


「はぁ… これでも伯爵家の長女であり長子ですもの… ゆくゆくは伯爵家を()ぐ器量を(ゆう)する子爵家あたりの次男以下を婿養子に迎えるか、(わたくし)自身が女伯爵として家を()ぎ、やはり婿養子を迎えて家を存続させなければいけないんですもの。責任感は芽生(めば)えますわよ… 侯爵家や公爵家、あわよくば王家に(とつ)げるかも知れないと考えた事もありますけど… 妹達は、(わたくし)傲慢(ごうまん)… だけではありませんけど、悪い所ばかり見て手本にしてましたから、伯爵家(我が家)()がせるには責任感が足りませんわ。勿論、他家に(とつ)ぐとしても問題でしょうけど…」


 思いの(たけ)をブチ()ける様に話すセリナ。

 そんなセリナにマッカーシー大司教は優しく(ほほ)()み、一つの提案をする。


(いもうと)(ぎみ)達も、いずれは気が付くでしょう。人は失敗を繰り返して成長するのです。セリナ様も、ソフィア様との魔法対決で実感なされた(はず)でしょう。心配ならば手紙でも書き、それとなく責任感を(はぐく)む様に(うなが)しては(いか)()ですかな?」


()()()()()…? つまり、直接的な表現を()けて、(みずか)らが責任感を(はぐく)む様にって事ですの…? それは何故(なにゆえ)ですの…?」


 マッカーシー大司教の提案に、首を(かし)げるセリナ。

 マッカーシー大司教は、にこやかに話を続ける。


傲慢(ごうまん)な性格であるならば、そのままズバリと『責任感を持て』と書いても反発心(はんぱつしん)(いだ)いてしまう可能性が高いでしょう? ですので、(みずか)らの意思で『責任感を(はぐく)まなくてはいけない』と思わせる様な内容を… と、言うのは簡単ですが、なかなか難しいですな。私はセリナ様の(いもうと)(ぎみ)達を知りませんので、アドバイスも出来ませんし…」


 苦笑するマッカーシー大司教。

 が、それは仕方無い事だと理解したセリナは、意を決した様に(うなず)く。


(わか)りましたわ。妹達に(わたくし)の現状を伝えた上で、(みずか)ら責任感を(はぐく)む事を(うなが)す手紙を書きますわ。そうしないと、(わたくし)(こう)()(うれ)いなく魔法の修練に集中出来ませんもの!」


 と、あれこれアドバイスしたマッカーシー大司教自身が、思わず後退(あとずさ)(ほど)の気合いを見せたのだった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ