表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
元・奴隷の聖女様 ~奴隷に堕ちて3年後… 聖女の力に目覚めましたが、染み付いた奴隷根性が抜けません!~  作者: タイガー大賀


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

79/92

第78話 ソフィアの頭上に?マークが飛ぶ

 オリビアがマッカーシー大司教を悲しませたのではなく、感動させて泣かせたのだと(わか)り、ソフィアとセリナはホッとした。


「まったく、(まぎ)らわしい事は()めて下さいませんこと? …とは言え、オリビアさんの姉君(あねぎみ)()さってる事は、素晴らしいですわね」


 セリナはオリビアに文句を言いつつも、アンナとエルザ(オリビアの2人の姉)(こう)()に対しては素直に(しょう)(さん)するのだった。


「そんな事をしてくれる貴族がランドール王国にも()れば、私も(だま)されて奴隷商に売られる事もなかったのかもね… まぁ、オリビア様のお姉さんみたいな貴族ばかりじゃないってのも(わか)ってるけど…」


 話を聞き、改めて(みずか)らの(きょう)(ぐう)愚痴(ぐち)るナンシー。

 (となり)で聞いていたアンナは大きく(うなず)く。


「そうよねぇ… 孤児(こじ)(いん)は教会が運営してるけど、その運営資金は基本的に国からの()(えん)と国民の寄付(きふ)で成り立ってるのよね… だけど、貴族の(ほとん)どは無関心なのが現状だものね…」


 ナンシーとアンナの会話を聞いていたセリナが、ナンシーに問い掛ける。


「ナンシー… 貴女(あなた)、奴隷商に売られましたの? (わたくし)、奴隷って生まれた時から奴隷だと思っていたんですの。でも、売られて奴隷になったのなら、(わたくし)認識(にんしき)は間違っていたと言う事ですわね…?」


「生まれた時から奴隷って、ど~ゆ~事ですか?」


 セリナの感想に、今まで(だま)っていたソフィアが質問する。

 セリナは自身の認識(にんしき)の間違いに、少しばかり(ほお)を赤くしながら答える。


「今にして思えば当たり前の事ですわね… 生まれつき奴隷なんて、不自然と言えば不自然ですもの… で、ソフィアさんの質問ですけれど… (わたくし)、奴隷は奴隷同士で結婚して、それで生まれる子供も奴隷だと思っていましたの。でも考えてみれば、奴隷商に居る奴隷が何処にも買われず結婚して子供をって方が不自然ですわね… それに、買われた奴隷同士が結婚して子供が生まれるのは不自然ではないとしても、その子供が奴隷商にってのも変ですしね」


 セリナの説明を聞き、ソフィアは納得する。


「なるほどぉ… 確かにそれなら生まれた時から奴隷ですよねぇ… でも奴隷って、孤児(こじ)とかが奴隷商に売られてって()()()()が多いみたいですよ?」


 ソフィアの言葉にナンシーが付け足す。


(あと)は犯罪奴隷って言いましたっけ? (なん)らかの(つみ)(おか)して奴隷身分に()とされる場合があるんですよね。まぁ、私みたいな子供の場合、さっきも言った様に(だま)されて売られるパターンが多いみたいですけど…」


 セリナに対する説明の為か、敬語で話すナンシー。

 それを聞いたオリビアが、揶揄(からか)う様に言う。


「へぇ~… 初めてセリナ様と(たい)()した時は()()みだったのに、今はスムーズに話せてるじゃないかw」


 言われて真っ赤になるナンシー。


「オ… オリビア様! それは言わないで下さいよ! だいたい、私にソフィアのフリをしろって言ったのはオリビア様じゃないですか!? それも(いち)夜漬(やづ)けって()(ちゃ)()りで!」


「まぁ、ソフィア様のフリをするのはナンシーが適任だって言ったのは確かに私だけどさ。それはナンシーならソフィア様と違って、セリナ様から何を言われても言い返せると思ったからなんだが… (いち)夜漬(やづ)けで教えたのはアンナ殿とシンディだったけどな…」


 オリビアが言うと、ソフィアがアンナとシンディに聞く。


「もしかしてですけど… 今のオーリャさんの()(ぶん)って、()()()()()()()ってヤツなんでしょうか…?」


「「もしかしなくても責任転(せきにんてん)()ですね…」」


 2人はハモって答え、更にアンナが続ける。


「確かにオリビア様の言う通り、私がナンシーに(いち)夜漬(やづ)けで覚え込ませたのは事実です。ですが、そもそもナンシーにソフィア様のフリをさせようと言い出したのはオリビア様ですよね? 私とシンディは、その提案に乗っただけに過ぎません」


 アンナが言うと、ソフィアは素直に納得する。

 が、言われたオリビアは冷静に返す。


「提案に乗っただけって言うけどさ、私は2人に『ナンシーに(いち)夜漬(やづ)けで教えろ』とは言わなかったよな? むしろ、2人は率先(そっせん)してナンシーに教えてたと思うんだけど…?」


「いやまぁ… そう(おっしゃ)られては何も言い返せませんが…」


「私もです… つい、調子に乗ってしまいましたね…」


 すると、セリナが(いぶか)しげな表情で3人を見詰(みつ)め…


(よう)は、(わたくし)にナンシーをソフィアさんだと思い込ませたかったと…? それって、何の為ですの? あ、何を聞かされても怒る気なんてありませんわよ? ソフィアさんの(すさ)まじい魔法の能力や威力を()の当たりにして、今では自分が傲慢(ごうまん)に過ぎていた事を()じてますから…」


 と、顔を赤くしながら言うのだった。





 ────────────────





「はぁ… まさか、バドルス侯爵やマッカーシー大司教までが一枚(いちまい)()んでたなんて… (わたくし)聖クレア王国(この国)に来た時に取っていた(たい)()… それ(ほど)までに()(かい)だったって事なんですのね…?」


 オリビアとマッカーシー大司教が事に(いた)った(けい)()を説明すると、セリナはソファーに座って(うな)()れる。

 その様子にマッカーシーは…


「こう言っては(なん)ですが… (セント)クレア王国に来られたばかりの頃のセリナ様は、聖女という立場や(みずか)らの能力に(おご)っておられましたな?」


 と、問い(ただ)した。

 セリナは(だま)って(うなず)く。

 不貞(ふて)(くさ)れているのではなく、()じているのだと判断したマッカーシーは続ける。


「これは私の想像でしかありませんが… 以前のセリナ様なら、私の言葉に不貞(ふて)(くさ)れていたのではありませんかな?」


 やはり(だま)って(うなず)くセリナ。

 そんなセリナにマッカーシーは(やさ)しく(ほほ)()む。


「成長されましたね。不貞(ふて)(くさ)れるのではなく、()ずかしく思う… それは(みずか)らの(おこな)いを反省してるという事です。反省するのは成長している(しょう)()でもあるのですよ?」


 マッカーシーの言葉に顔を上げるセリナ。

 その()には、涙が(にじ)んでいた。


「成長か… 確かに、ここ最近のセリナ様からは傲慢(ごうまん)さは感じられませんでしたね…」


「そうなんだが… ソフィア様にベタベタし過ぎているのは問題じゃないか…?」


「それは… それだけソフィア様の実力をセリナ様が(みと)められた… と言うと、セリナ様の方が上っぽい言い方になっちゃいますけど…」


「そんな事、ソフィアが気にするとは思えないけどね。むしろ、他人から(みと)められた事を喜びそうだけどね」


 2人のやり取りを見ていたアンナ、オリビア、シンディ、ナンシーが思い思いに感想を()べる。

 が、ソフィアだけは何かを考えている。

 それに気付いたオリビアが聞く。


「ソフィア様? 何か気になる事でもありましたか?」


「は、はい… あの… 大司教様が(おっしゃ)った()()()()って、ど~ゆ~意味なのかな~と…」


 全員、(ちから)が抜けてしまった…





 ────────────────





「なるほど… 『(しょう)()』って『(しょう)()』って同じ意味だったんですね?」


 納得して(うなず)くソフィアに、マッカーシーが(こま)かく教えようとする。


「意味としては、ほぼ同じです。ただ、『(しょう)()』は〝事実を明らかにする()(どころ)となるもの〟の事で、『(しょう)()』は〝事実・真実を明らかにする根拠となるもの〟の事ですな。『(しょう)()』と『(しょう)()』の線引き… と言って()いか(わか)りませんが、私の考えとして『(しょう)()』と『(しょう)()』の違いは…」

「ストップ! ストップです、マッカーシー大司教様!」


 セリナが思わずマッカーシーを()める。

 何事(なにごと)かと目を丸くするマッカーシーに、セリナはソフィアを指差す。


「まだ8歳のソフィアさんに、その説明は(むずか)し過ぎますわ。ソフィアさんの表情をご覧下さいまし」


 セリナの言葉にマッカーシーがソフィアを見ると…

 彼女の表情は完全に(ほう)けており、頭上に多くの『?マーク』が飛んでいる様な幻覚(?)が見えたのだった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ