表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
元・奴隷の聖女様 ~奴隷に堕ちて3年後… 聖女の力に目覚めましたが、染み付いた奴隷根性が抜けません!~  作者: タイガー大賀


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

73/92

第72話 セリナの決意?

 翌日、ソフィアとセリナは護衛を(ともな)って修練場に来ていた。

 セリナが聖光矢雨ホーリー・ライト・アローズを教えて欲しいと、ソフィアに(じき)()した為である。


「えぇとですね、まずは大岩の上空に光の円盤を作り、そこから光の雨を降らせる事を()()()()してみて下さい」


 ソフィアはセリナに、自身が魔法を(こう)使()した時の感覚を伝える。


「こ… こうかしら…?」


 すると、修練場の上空に光の円盤が出現し、そこから光の雨が降り始める。

 その雨は正確に大岩に降り(そそ)ぐ。


()い感じですね♪ 次は、その雨の速度を上げてみて下さい」


「こ… こうですの…?」


 セリナが意識を集中すると、降り(そそ)ぐ光の雨の速度が増していく。


「そうです、そうです♪ 次は、そのまま光の雨の範囲を動かしてみて下さい」


「動かす!? 無理ですわよ! 今の状態が(わたくし)の限界ですわっ!」


 そう言うセリナは(すで)に息が上がってきていたのか、ダラダラと汗を流している。

 そして、ガックリと地に(ひざ)を突いたのだった。


「はぁっ! はぁっ… はぁあ~………」


 数度、深呼吸を繰り返したセリナは、光の雨を降らせた大岩を見る。

 そこには、何の変化も無い大岩が(ちん)()していた。


「き… 傷一つ付いていませんわよ…? ソフィアさんの聖光矢雨ホーリー・ライト・アローズって、魔獣を(ことごと)(ほふ)ってましたわよね…?」


 言われてソフィアは()()()()()()と答える。


「そりゃあ… 今のは聖光矢雨ホーリー・ライト・アローズの光の雨を()()()()()()()ですから…」


「…………は?」


「ただ発現させて、落下速度を上げただけです。本当は、この(あと)聖光矢雨ホーリー・ライト・アローズを移動させたり、()()()()()()()()()()()()して(もら)おうと思ってたんですけどねぇ…」


 淡々(たんたん)と話すソフィアを、セリナは息も()()えで見つめる。

 そして…


「こんな感じですね」


 と、聖光矢雨ホーリー・ライト・アローズを展開し、光の雨を降らせながら、その範囲を動かしてみせる。

 ソフィアの手の動きに()わせ、光の降り(そそ)ぐ範囲が移動する。


「で、この光の雨に()()()()()()()()()()()()するんです」


 ソフィアが言うと、それまで単に光の雨が高速で降っていただけの場所が(えぐ)れ、地面の土が飛び散る。

 更に、大岩の方へ光の雨を移動させると、光の雨の集中砲撃を食らった大岩は、跡形(あとかた)もなく粉々(こなごな)になったのだった。


「ソ… ソフィアさん…? (わたくし)が… 同じ事をしようと思ったら… どれぐらい魔力量(アマウント)を増やさなければ…?」


 セリナが今にも倒れそうになりながら質問すると、ソフィアは平然と…


「う~ん……… 今、私が使った聖光矢雨ホーリー・ライト・アローズですと、火球(ファイヤー・ボール)だと300発ぐらいの()()()()()でしょうか…? ちなみにですが、ラファネル辺境伯様の救援で使った聖光矢雨ホーリー・ライト・アローズだと、火球(ファイヤー・ボール)500発ぐらいの()()()()()ですかねぇ… 戦闘で聖光矢雨ホーリー・ライト・アローズを使用するなら、少なくとも火球(ファイヤー・ボール)を1000~1500発は()てる()()()()()は欲しいですねぇ…」


「そんなの… 今の(わたくし)には… 無理ですわよ…」


 言ってセリナは気を失ったのだった。





 ────────────────





 大聖堂に戻る馬車の中でソフィアとオリビアは、マッカーシー大司教、アンナ、シンディ、ナンシーと共に、倒れたセリナを介抱(かいほう)しつつ相談していた。


「ソフィア様… セリナ様には、まず最大魔力容量(キャパシティ)を増やす訓練を受けて(いただ)いた方が良いのではありませんかな? 聖光矢雨ホーリー・ライト・アローズの必要魔力量(アマウント)膨大(ぼうだい)に過ぎる(よう)なので、そちらの方が重要だと()(こう)(いた)します」


 マッカーシー大司教が言うと、オリビアもウンウンと(うなず)く。


「ソフィア様。マッカーシー大司教様の(おっしゃ)る通りだと、私も()(こう)(いた)します。過去の文献(ぶんけん)で学びましたが、聖女の能力は光に(つつ)まれて眠っている期間が長ければ長い(ほど)高くなる… それも、1日()びる(ごと)に倍になるとも言われているとか… ですので、セリナ様の7日に対し、ソフィア様は15日ですからセリナ様の… えぇとぉ~…」


 オリビアはそこまで言って、ソフィアとセリナの差を計算し始める。

 …が、計算しきれずマッカーシー大司教に救いの視線を向ける。

 すると、マッカーシー大司教は平然と…


「単純に考えてソフィア様の最大魔力容量(キャパシティ)は、セリナ様の256倍となるでしょうな。仮にですが、一般の魔導師が持つ最大魔力容量(キャパシティ)は、最大でも聖女の10分の1程度と言われております。それも、最低ラインの聖女です。それを()まえ、一般の魔導師の最大魔力容量(キャパシティ)を10、1日眠った場合の最大魔力容量(キャパシティ)を100とするならば… セリナ様の最大魔力容量(キャパシティ)は6万4000になります。これまでの歴代聖女の記録では最長3日眠ってましたから1万6000の計算になります… さすがは聖女と言えましょうな。その4倍ともなれば、確かにセリナ様は突出した能力と言えましょう。しかし、ソフィア様は15日間も眠っておられました… 単純計算で、最大魔力容量(キャパシティ)は1638万4000になるかと… もはや、これ以上の聖女は現れないと言っても()(ごん)ではありますまい…」


 言って、マッカーシー大司教は遠い目をしていた。

 オリビア、アンナ、シンディ、ナンシーが心の底から感嘆(かんたん)した目でソフィアを見るが、そのソフィアと言えば…


「あの… ()()()って、どう言う意味ですか…?」


 相変わらず言葉の意味を理解しておらず、同じ馬車に乗っている面々(めんめん)を脱力させたのだった。





 ────────────────





 大聖堂の聖女邸に到着した一行は、食堂で簡単な会議を始める。


(わたくし)最大魔力容量(キャパシティ)を増やすんですの? それって一体(いったい)、どうやるんですの…?」


 会議の議題は勿論、セリナの最大魔力容量(キャパシティ)を増やす事である。

 増やした方が良いと提案したのはマッカーシー大司教なので、全員の視線が彼に集中する。


「まぁ… 簡単に申しますと、魔力を使い切る事ですな。魔力()(かつ)を起こしますが、回復した時には多少なりとも最大魔力容量(キャパシティ)が増えます。それを繰り返せば─」

「どのぐらい増えるんですの!? 少しでもソフィアさんに追い付けるなら、やってみる価値はありますわ!」


 セリナは自分とソフィアとの最大魔力容量(キャパシティ)の差を聞き、ライバル心が芽生(めば)えた様であった。

 だが、その差が256倍だと聞き、目を点にした。


「わ… (わたくし)とソフィアさんの差って、そんなにあるんですの…?」


 マッカーシー大司教は…


「それは仕方ありません。聖女の最大魔力容量(キャパシティ)は、〝聖女への目覚めの眠り〟が1日()びる(ごと)に倍になると言われております。それを考えれば、セリナ様は歴代最高とされた聖女の4倍もの最大魔力容量(キャパシティ)を持っておられるのです。それだけでも、充分に(ほこ)れる事だと思います。ソフィア様が使った聖光矢雨ホーリー・ライト・アローズ(こだわ)らず、使える魔法の制度や威力を高める事を考えられては(いか)()ですかな?」


 と、セリナを説得した。

 セリナは少し考え、やがて大きく(うなず)く。


「そう… ですわね… 出来ない魔法を無理して使う事を考えるより、その方が確実に(わたくし)が役に立てますわ!」


 ソフィアとの最大魔力容量(キャパシティ)の差に(なか)意気(いき)(しょう)(ちん)していたセリナだったが、それと自分に出来る事は別なのだと割り切ったのだった。

 そして彼女はソフィアに対して今まで以上にベタベタする様になり、オリビアをヤキモキさせる事になるのだった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ