表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
元・奴隷の聖女様 ~奴隷に堕ちて3年後… 聖女の力に目覚めましたが、染み付いた奴隷根性が抜けません!~  作者: タイガー大賀


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

61/92

第60話 オリビア、バドルス侯爵、マッカーシー大司教の悪巧みと、ナンシーの悲痛な叫び

「ごめんねソフィア、面倒を掛けちゃって」


()いんですよ、気にしないで下さい♪ それより、何があったんですか?」


 ソフィアはラナに覚醒(かくせい)魔法を(ほどこ)して起こし、休憩がてら再会を楽しんでいた。

 そこへ、ラナが失神した(げん)(きょう)であるオリビアが現れる。


「ソフィア様、そろそろ治療を再開… って、ラナだっけか? 修練場では悪かったな。あの(あと)… と言うには少し(あいだ)()いてしまったが、()(やみ)に剣を抜くのは(ひか)えてるから安心してくれ」


 (つと)めてにこやかに話し掛けるオリビアだったが、剣を抜いて(せま)り来るオリビアの姿が(のう)()()()()()()()()()ラナは、恐怖のあまり再度失神しそうになる。


「ソフィアよりラナさんの方が臆病なんじゃない? 私もオリビア様に剣を突き付けられた事があるけど、失神しなかったわよ?」


「う… (うるさ)いわねっ! ただ単に剣を突き付けられただけなら、私だって失神なんかしないわよっ! オリビア様(この人)、私を完全に(100%)()る気で向かってきたのよ!? ナンシー(あんた)だって、殺されると思ったらトラウマになるでしょっ!?」


 ラナの言葉を聞き、シンディは納得した様に(うなず)く。


「ラナさんの言う事、私には(わか)ります。私もオリビア様にナイフを首に─」

「突き付けられてましたねぇ… シンディさん、それで()らしちゃって、私が()えのパンツを…」

「ソフィア様! それ以上は言わないで下さいっ!」


 ソフィアが続きを話すと、シンディは(おお)(あわ)てで(せい)する。

 が…


「シ… シンディ… オリビア様にナイフを突き付けられて、失禁しちゃったの…?」


 ナンシーには伝わっており、しばらく立ち直れなかったのだった。





 ◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆





 その頃王宮では、聖女セリナに大臣達や貴族達が(かん)(だん)前の(あい)(さつ)(おこな)っていた。

 勿論、最初に挨拶(あいさつ)(おこな)ったのはエドワード(国王)である。

 が、その時のセリナは(みずか)らが聖女である事を鼻に掛け、明らかにエドワード(国王)()(くだ)した対応をしていた。

 その為、挨拶(あいさつ)を終えた面々はセリナと(かん)(だん)する事もなく、セリナが話し掛けた時だけ対応していた。

 そんな中、フランクがマッカーシー大司教にソッと話し掛ける。


「大司教様が(おっしゃ)っていた通りですね… 確かに聖女セリナは()()()とは思えません。私以外の貴族達や大臣達も、そう感じているみたいですし…」


皆様(みなさま)、先にソフィア様と会っておりますからな… ソフィア様の対応を経験した(あと)で聖女セリナの対応を見れば、誰もが聖女セリナに対して距離を置きたくなるでしょうな」


「それは… ()(かた)ありますまい。ソフィア様は誰に対しても(てい)(ねい)(せっ)しますし、(みずか)らが聖女である事を鼻に掛ける事など(まった)くないのですから… むしろ、自身が聖女である事に(こん)(わく)しておられますからな…」


 マッカーシー大司教は、フランクの意見に大きく(うなず)く。


「まぁ… 現状では聖女セリナは、自分で自分の首を()めている… と言った感じですかな? 本人は気付いていない様ですがね♪」


「そうですね。(あと)は、如何(いか)にして聖女セリナの(はな)(ぱしら)()()()()()やるかですが…」


「それが問題ですな… 先程(さきほど)も申しました様に、いきなり何の(みゃく)(らく)もなく魔法の実力を見たいと言うのは…」


「えぇ、聖女セリナに()(しん)がられるだけでしょう。()()にして自然な流れで話を持っていくか…」


 いくら考えても2人には良い案が浮かばず、()(ほう)()れる。

 すると、エドワード(国王)がセリナに話し掛ける。


「ところで、セリナ様は史上最高の聖女だそうですな。(よろ)しければ、その能力(ちから)(いっ)(たん)を見せては(いただ)けませんかな?」


「勿論、(かま)いませんわよ? さすがに今日は会食も(ひか)えていますから無理ですけど… 明日の午後で(いか)()かしら?」


 思わぬエドワード(国王)の行動に、フランクもマッカーシー大司教も固まってしまった。


「これは… 私達は何を悩んでいたんでしょうか…?」


 呆然(ぼうぜん)とマッカーシー大司教に話し掛けるフランクだが、マッカーシー大司教は冷静に(こた)える。


「いや、陛下は聖女セリナの()(そん)(しん)(くすぐ)ったのではありませんかな…? 彼女の性格からすれば、()()()()()()()と言われたら…」


「いずれにせよ、取り越し苦労だった様ですね… (あと)は、ソフィア様との魔法対決とやらですか? ソフィア様の魔法を見た聖女セリナの反応を楽しみにするとしましょう」


「…ですな♪」


 2人は顔を見合せ、クスクスと笑い合ったのだった。





 ◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆





「ふぇっ!? 魔法対決ですか!?」


 フランクとマッカーシー大司教は、会食が終わると大聖堂の聖女邸を(おとず)れ、エドワード(国王)と聖女セリナのやり取りをソフィアに話した。

 困惑(こんわく)したソフィアは腕をタコの様にくねらせる。


(この動き… 初めてソフィア様と会った時を思い出すな…)


 思わず表情が(ほころ)ぶオリビア。

 だが、すぐに頭を切り替え、考えを(めぐ)らす。


(バドルス侯爵とマッカーシー大司教様は、聖女セリナの(はな)(ぱしら)をへし折る事を考えていたな… それなら…)


「バドルス侯爵殿、マッカーシー大司教様、私に考えがあるんだが、少し(よろ)しいか?」


 フランクとマッカーシー大司教は(うなず)き、オリビアの話を聞く。

 それに寄ると、ソフィアに護衛剣士が付いている事をセリナに伝え、その反応を見て欲しいと言う。

 理由を(たず)ねるフランクに、オリビアは(いた)(ずら)っぽく答える。


「セリナって聖女は、自分を史上最高の聖女だと思ってるんだろ? なら、ソフィア様に護衛が付いてるのに、()()()()()()()()()()自分に護衛が付いていない事に対抗心を燃やすんじゃないかと思ってね。反応が面白そうじゃん♪」


「承知(いた)しました。私はしばらく王都に(とど)まりますので、()(かい)を見て話してみましょう」


 マッカーシー大司教はオリビアに(しょく)(はつ)されたのか、追加で提案する。


「いや、それだけでは(おも)(しろ)くありませんな… ソフィア様にはメイド服を着て(いただ)き、他の誰かにソフィア様のフリをさせてみるのは(いか)()ですかな? ただのメイドだと思っていた人物が、実はソフィア様だと気付いた時の反応は(おも)(しろ)いかも知れません。となると、聖女セリナの実力を見せて貰う時になるでしょうが…」


「それならソフィア様に()()わるのは、ナンシーが()いんじゃないか? ナンシーなら気が強いから、聖女セリナに(から)まれても平気で言い返しそうだしさ♪」


 オリビアも(わる)()りし、2人と顔を突き合わせて計画を()る。

 その計画に名前を出されたナンシーは(こん)(わく)し、思わず割り込む。


「ちょっちょっちょっ! ちょっと待って下さい! なんで私がソフィアの身代わりに!? てか、私がソフィアのフリ!? 無理ですよぉ!」


 そんなナンシーを、左右からガシッと押さえるアンナとシンディ。


「私とシンディはソフィア様が旦那様… バドルス侯爵様の(やしき)に来た時から知ってるの」


奴隷商(例の場所)で会話もした事が無く、1ヶ月程度しかソフィア様を知らない貴女(あなた)より、ソフィア様の事は知ってるの」


 ガッシリと身体(からだ)を押さえられ、身動き出来ないナンシーを2人はヒョイっと持ち上げると…


「「ソフィア様のフリが出来る様に、今から特訓です!」」


 言いつつ、何処(どこ)へともなく連行していったのだった。


「待って下さぁあああああい! 私は了承してませぇえええええんっ!」


 ナンシーの叫びは、聖女邸に(むな)しく響くだけだった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ