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元・奴隷の聖女様 ~奴隷に堕ちて3年後… 聖女の力に目覚めましたが、染み付いた奴隷根性が抜けません!~  作者: タイガー大賀


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第54話 西の森での魔物戦 ~終盤戦~

 (この)()(へい)()(ゆう)(へい)の活躍で、魔物の数は3分の2(てい)()に減った。

 しかし、まだまだ脅威が減ったとは言えなかった。


「魔物全体の数は減ったが、オーガは6体、ハイオーク10体、ホブゴブリンが25体、ガーゴイルが5体か… あんまり減っていないな… やはり全体を見渡して指示する必要があるか…?」


 オリビアは考え、グリフォンとワイバーンを(あやつ)る飼育員に手を振り降りてくる様(うなが)す。


「オリビア様、どうなさいやしたか?」


 降りてきた飼育員が聞くと、彼の肩を(つか)んでオリビアが言う。


「私がグリフォンかワイバーンの背に乗って、上空から(せん)(きょく)()()ろす事は可能か?」


「う~ん… さすがに1人で乗るのは難しいでしょうが… ()()()(うし)ろに乗るってんなら問題ありやせんぜ? ()()()が思うに、戦局が思わしくないんで上空から指示を出そうって感じですかい? けど、そりゃあ無理ってモンだ。()めときなせぇ」


 オリビアの考えを(さっ)した飼育員は、あっさりダメ出しをする。


「何故だ? 地上からじゃ広い森を見渡せないが、上空からなら全体を()(あく)する事は難しくないと思うが…?」


「上空から見たって無駄ですぜ? 森の木々が邪魔して地上の様子なんて(ほとん)(わか)りませんや。()()()らだって森の(はし)に魔物が見えたらグリフォンやワイバーンを降ろして、魔物が森から出ない様に通せんぼするのがやっとでやすからねぇ…」


 飼育員は言うが、オリビアは引き下がらない。


「それでも木々の(すき)()から少しは見えるだろう? どの魔物がどの(あた)りに居るのかを伝えられるだけでも違ってくる(はず)だ。何もしないで手を(こまね)いているよりはマシだろう」


 言ってオリビアは飼育員が乗っていたグリフォンに(また)がる。

 仕方無く飼育員がオリビアの前に乗り、飛び立とうとするとソフィアが駆け寄ってくる。


「わ… 私も乗せて下さい! 魔法を使って()()ろしたら、魔物と()()()()()()()()()()(みな)さんの場所ぐらいは(わか)ると思うんです!」


 オリビアはソフィアの意見を採用し、別のグリフォンに乗っている飼育員を呼び降ろす。

 事情を説明し、ソフィアを(うし)ろに乗せたグリフォンが飛び立つと…


「いやぁああああああああああっ! 高いっ、高いぃいいいいいいっ! (こわ)いぃいいいいいいっ!!!!」


 ソフィアは飼育員にしがみ付いて叫ぶだけで、何も出来なかった…





 ────────────────





「ソフィア様… ご自身が高い所が苦手だと知らなかったんですね…?」


 地上に降りたオリビアはソフィアの頭を()で、(なぐさ)めながら問い掛ける。


「は… はい… 大聖堂の(やしき)や王宮の(やしき)の高さなら平気なんで、大丈夫だと思ったんですが…」


「まぁ、3階程度の高さと森全体を見渡せる高さでは、全く違いますからねぇ…」


 上空を舞うグリフォンやワイバーンを見上げながら言うオリビア。

 1(キロ)四方の広さを持つ森。

 その全体に散らばる魔物の動きを()(あく)し、森の外に出ようとする魔物を(とど)める(ため)には、それ(そう)(おう)の高さで()()ろす必要がある。


「どうしましょう…? オーリャさんだけで広い森の全体を見渡すのは難しいでしょうし…」


 ソフィアの意見にオリビアは(あご)に手をやり考える。


「確かに… 私1人でカバー可能な範囲は限られますからね…」


 そこまで言って、オリビアはハッと顔を上げ…


「ハイマン少将! パーマー大尉! 貴殿()、高い所は平気か!?」


 近くで怪我人の治療をする司祭や司教に指示しているギルバート・ハイマン少将とブルース・パーマー大尉に声を掛ける。

 2人が(うなず)くと、更に1人の飼育員を呼び降ろして事情を説明する。


「なるほど… 上空から戦闘員への指示ですか…? さすがに上空からは初めてですが、それこそ私の得意とする(ぶん)()です。お(まか)せを!」


 ギルバートは自身の胸をドンッと叩き、不敵に笑ってみせる。


「私も斥候(せっこう)部隊を指揮(しき)し、魔物を森の中に閉じ込めていましたからな。戦闘は不得意ですが、戦局を見て指揮(しき)するのは得意とする(ぶん)()です。お(まか)せを」


 ギルバートと違い、胸に手を当て(うやうや)しく頭を下げるブルース。

 その様子を見ていたソフィアは…


空中浮遊(レビテーション)!」


 と、魔法で自身の身体(からだ)を浮かび上がらせた。


「うん♪ 自分で飛んだら、不思議と(こわ)くありませんね♪ オーリャさん、これなら私も(みな)さんのお手伝いが出来ると思います♡」


 しばらく5(メートル)(てい)()の高さをフヨフヨと(ただよ)っていたソフィアだったが、慣れるに(したが)って(じょ)(じょ)に高度を上げていく。

 そして…


『南西方面の(みな)さ~ん! 北東方向の()()()2体、()()()()5体、()()()()8体が南に向けて森を出ようとしていま~す! 東に移動して()()して下さ~い!』


 と、拡声(かくせい)魔法を使って声を張り上げ、(この)()兵や()(ゆう)兵に指示し始めた。


「慣れるの、(はや)()ぎだろ… って、そんな事を言ってる場合じゃないか… ハイマン少将! パーマー大尉! 私達もソフィア様に続くぞ!」


 言ってオリビアはグリフォンに乗り、飼育員を()かして上空に舞い上がった。


(ったく… 高い所を(こわ)がってたの、何だったんだよ… まぁ、それがソフィア様のソフィア様たる所以(ゆえん)なのかもな…)


 オリビアは苦笑しつつ、自身も(かく)せい魔法を使って地上で戦う(この)()兵や()(ゆう)兵に指示を出し始めるのだった。





 ────────────────





 ソフィア達4人が上空から的確に指示を出し、(この)()兵や()(ゆう)兵は次々と魔物達を狩っていく。

 時折(ときおり)森の外に出ようとする魔物も()たが、こちらは監視を続ける飼育員がグリフォンやワイバーンを(あやつ)って(ふう)()める。

 また、森の上に飛び出してくるガーゴイルは、オリビアが剣、ソフィアが魔法で()()めていった。

 そうしてソフィア達が指示を出し始めてから2時間が過ぎ、残りはゴブリン3体、コボルト5体に加え、オーガ2体、ハイオーク3体、ホブゴブリン8体、ガーゴイル1体となった。


「ようやく終わりが見えてきたな… ところでソフィア様、あそこにガーゴイルとオーガ、ハイオークが固まってるみたいですが、何か一撃で(ほふ)れる魔法はありませんか? 森が火事にならない様に、火炎系以外の魔法でですが…」


 言ってオリビアが指差す方向を見るソフィア。


()()()()()()()()、それに()()()ですか…? う~ん… それじゃあ、岩石落(ロック・フォール)を使ってみます♪」


『こ… (この)()兵! ()(ゆう)兵! 森の中央付近に()るガーゴイル、オーガ、ハイオークから離れろっ! 大至急だっ!』


 言葉の感じから魔法の内容を(さと)ったオリビアが(かく)(せい)魔法で叫ぶ。


岩石落(ロック・フォール)!」


 同時にソフィアが魔法を発動させると巨大な岩石が現れ、ガーゴイル、オーガ、ハイオークを押し(つぶ)した。


「ソフィア様… せめて私が合図してから魔法を発動させて下さい…」


 血の気が引き、真っ(さお)になって愚痴(ぐち)るオリビアだった。

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