表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
元・奴隷の聖女様 ~奴隷に堕ちて3年後… 聖女の力に目覚めましたが、染み付いた奴隷根性が抜けません!~  作者: タイガー大賀


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

49/92

第48話 暴れるオリビア、勉強中のソフィア

「陛下ぁあああああっ!」


 オリビアは王宮に入るなり、叫びながら国王を探して走り回る。

 エドワード(国王)は自室でも謁見(えっけん)()でもなく、まずオリビアが来ないであろう食堂の地下倉庫に逃げ込み(ふる)えていた。


(なん)なんじゃ、オリビアのヤツめ… ソフィア様への()()()()()を禁じただけじゃろうが… 護衛剣士を()めさせるとは言っておらんのに…」


「陛下… 今からでも倉庫を出て、説明されては(いか)()ですか? しっかり説明すれば、いくらオリビア様でも暴れないと思いますが…?」


 (おび)えるエドワード(国王)に、侍従長が提案する。

 が、エドワードは首をブンブン振り…


「ダメじゃ、ダメじゃ! セルゲイ──オリビアの父──が言っとった! あやつは一度頭に血が(のぼ)ったら、簡単には(おさ)まらんと!」


 エドワードが言うと、()(ほど)とばかりに侍従長は(うなず)く。


「確かに… このオリビア様の声と()()()を聞くと、今は隠れているのが正解ですな…」


 (かす)かに聞こえるオリビアの声と、何かが(こわ)れる音…

 侍従長も思わず()(ぶる)いするのだった。





 ────────────────





「…今日は何だか静かですね? と言うか、オーリャさんの姿が見えないんですけど…?」


「昨日、王宮に出掛けてから帰ってないのよね… 話が長引いてるのかな…?」


 ソフィアの疑問にナンシーが答える。

 

「昨日から王宮に? そんなに長引くって、何の話なんでしょう?」


「ソフィアが気にする(ほど)の話じゃないと思うわよ? それより勉強でしょ? 今日は13ページの(とい)1から(とい)5だって、アンナさんが言ってたわ」


「は~い♪」


 ソフィアは楽しそうに問題集と向き合うのだった。





 ◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆





「そう言う意味でしたか… てっきりソフィア様の護衛剣士を()めさせられるのだとばかり…」


「そんなワケは無かろう… お(ぬし)の剣士としての実力は評価しておる。ただ、最近のお(ぬし)はソフィア様に対してベタベタし過ぎじゃ。ソフィア様を敬愛しとるのは理解するが、少し()が過ぎとる… お(ぬし)自身、そうは思わんか?」


 エドワード(国王)に直接言われ、(まわ)りからレズ疑惑を持たれている事に(ある意味で)納得するオリビアだった。

 が…


「ところで… いつまで私は()()()()なんでしょうか?」


 オリビアは一晩(ひとばん)(じゅう)エドワードを探し回り暴れ回り、疲れと空腹で脱力していたところを取り押さえられて椅子に座らされ、ロープで(しば)り付けられていた。

 聞かれたエドワードは半眼でオリビアを見て聞く。


「もう暴れんか…?」


 オリビアは黙って(うなず)く。


「本当に… ですか…?」


 今度は侍従長が恐る恐る聞く。

 オリビアは再び黙って(うなず)く。


「本当の本当に暴れないんですね、オリビア様…?」


 オリビアを取り押さえたアンナがジト目で彼女を見ながら言うと…


「腹が減って、暴れる気力なんか無いよ… 頼むから何か食わせてくれ…」


 (しょう)(すい)し切ったオリビアを見て、アンナはエドワードと侍従長に言う。


「確かにこの状態なら、オリビア様も暴れる事はないでしょう。陛下の()()も理解して(くだ)さってる様ですし…」

「そうそう… 理解したからさ… メシ食わせてくれよぉ… 腹減ったよぉ…」


 (ちから)無く懇願(こんがん)するオリビア。

 アンナは軽く()め息を()き…


「とりあえず腕の拘束(こうそく)だけ()きましょう。エサを(あた)えて様子を見て、問題が無ければ…」

「エサって言うなぁっ! 私は犬か猫かぁっ!」


 オリビアは激昂(げきこう)するが、アンナは冷静に返す。


「オリビア様はソフィア様の番犬では? 私はそう思ってましたけど…?」


 腕を(しば)るロープを(ほど)きながらアンナが言う。


「そ… それを言われると、全く否定は出来ないけど… だからって()()は無いだろう!? 本当に犬猫みたいじゃんか!」


「似た様なモノではありませんか? 飼い主(ソフィア)様に極めて(じゅう)(じゅん)飼い主(ソフィア)様を(がい)する者… まぁ、今の時点では()ませんが、()れば間違いなく殺す… とまでは言いませんが、殴り倒すぐらいはするのでは?」


「それはまぁ… しないと言う自信は無いけどさ… それより、ロープを(ほど)くのは腕だけなのか? 全部(ほど)いてくれたら自分で歩くんだけど…」


「申し訳ありませんが、まだ陛下と侍従長様が(おび)えていらっしゃいますし… なにより、この王宮内の(さん)(じょう)を見れば、オリビア様を自由にさせる事は(はばか)られると思いましたので…」


 アンナの言う通り、王宮内は散々な様相(ようそう)(てい)していた。

 フルアーマープレートを着込んでいたにも(かか)わらず、オリビアに殴り倒されて(うな)っている兵士達がゴロゴロ()るのである。

 また、その余波(よは)で破壊されたドアや壁、窓や廊下に置かれていた装飾品の数々は、王宮の使用人達が総出で片付けている最中である。

 信用しろと言う方が無理であった。

 アンナ(だけでは無いが)に信用されていないオリビア自身は椅子にロープで固定されたまま、アンナに椅子ごと引き()られて食堂に向かうのだった。





 ◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆





「終わりました♪ ナンシーさん、答え合わせをお願いします♪」


 問題を()き終えたソフィアが、満面の笑みで問題集をナンシーに渡す。

 ソフィアの回答を見たナンシーは、思わず脱力してしまう。


「あのさぁ、ソフィア… 私、あんたの書いた文字が読めないんだけど…? ちなみにこれ… 何て書いてあるの…?」


「これですか? これはですね……………… えぇとぉ………………」


「自分の書いた文字が読めんのかぁあああああいっ!」


「まぁまぁまぁまぁ… ソフィア様は文字の書き方も勉強中だから仕方無いのよ。それより、そろそろ貴女(あなた)は休憩の時間でしょ? (あと)は私に(まか)せて、お茶でも飲んだら?」


 ぶちキレるナンシーをシンディが(なだ)めて(おさ)え、ソフィアから引き離す。

 ナンシーは()め息を()きつつ…


「あんなの文字じゃないわよ… ミミズがのたくった(あと)にしか見えないじゃない…」


 と、ブツブツ言いながらその場を(あと)にするのだった。





【追記】

 オリビアが暴れた事に()る王宮の被害は(じん)(だい)で、修理には1年以上掛かる事になった。

 オリビアの父、セルゲイが責任を取って弁償。

 金貨3千枚を超えていた。

 ちなみに金貨1枚は、日本円にして約10万円である。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ