表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
元・奴隷の聖女様 ~奴隷に堕ちて3年後… 聖女の力に目覚めましたが、染み付いた奴隷根性が抜けません!~  作者: タイガー大賀


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

41/92

第40話 ソフィアが逃亡?

PVアクセスが30000、ユニークが8500を超えました。

更にブックマークも50に迫り、読んで下さってる皆様には感謝しています。

感想も書いて頂けると励みになりますので、宜しくお願い申し上げます。

 王宮からの指示で、毎日ソフィアは午前中にアンナの教育で一般常識の勉強、午後は修練場で魔法の訓練を。

 そして週に一度、街に出て民衆の怪我や病気を治療したりしている。


「それじゃ、今日は溶矢(モルテン・アロー)を使ってみます」


 魔法の訓練の際はアンナからの注意を守り、使う魔法を(あらかじ)め伝える事にしている。

 しかし、問題も多かった。


「も… もるてん・あろー…?」


 目を点にして首を(かし)げるオリビア。

 ソフィアの使う魔法には歴代の聖女が使った記録に無い魔法もあり、どんな魔法なのかを確認する必要があった。


「あ、溶矢(モルテン・アロー)ってのは魔法の矢を飛ばすんですけど、その矢が当たった物が()けるんです。破片が飛び散る事は無いんで防御魔法は()りませんけど… あの岩がドロドロに溶けますから、熱を(ふせ)ぐ魔法は必要かも知れませんね…?」


「ぜ… 全員、防熱(ぼうねつ)魔法を展開っ! 展開後は全力で()()しろ!」


 ソフィアの言葉を聞き、オリビアが(あわ)てて指示を出す。

 司祭達や司教達は、言われた通りに(ぼう)(ねつ)魔法を展開し、全力で維持する。


「じゃ、()ちますね? 溶矢(モルテン・アロー)!」


 ソフィアの周囲に無数の()()()が現れ、大岩に向かって飛んでいく。

 矢が当たった大岩は瞬間的に()()()光り輝き、その()ドロドロに溶けていく。

 と同時に凄まじい熱気を(はっ)し、司祭や司教達が全力で展開している(ぼう)(ねつ)魔法を突き抜けてくる。


(あつ)っ! おいっ! 誰も手を抜いてないだろうな!?」


 あまりの熱さに、思わず叫ぶオリビア。


「そ… そんな事はありません!」


「そうです、オリビア様! 全員、全力を出しております!」


 このままでは不味(まず)いと思ったオリビアも(ぼう)(ねつ)魔法を展開するが、突き抜けてくる熱気は(わず)かにしか弱まらない。


「ソ… ソフィア様! これ、なんとかなりませんか!?」


 思わずソフィアに助けを求めるオリビア。

 そのソフィアは凄まじい熱気の中、涼しい顔をしていた。


「えっ…? なんで…?」


「あ、ごめんなさい。自分の(まわ)りに()()、熱を(ふせ)ぐ魔法を張ってました… 防熱壁(サーマル・ウォール)!」


 ソフィアがドロドロに()けた大岩()()()()(まわ)りに熱を遮断する魔法を展開すると、それまでの()(がた)い程の熱気がスーッと無くなり、元の気温に戻っていく。

 オリビア達は(あん)()して、その場にへたり込んでしまった。


「ソ… ソフィア様… そんな事が… 出来るなら… 最初から… して下さい…」


 地面に倒れ込み、肩で息をしながらオリビアが言う。


「いや… これだけ多くの司祭様や司教様が()るし、オーリャさんも()るから大丈夫だと思ったんですよ…」


 ソフィアはポリポリと(ほお)()き、苦笑しつつ答える。


(相変わらずソフィア様の魔法は強力過ぎる… これ、わざわざ訓練する必要なんか無いんじゃないか…?)


 ソフィアに魔法の訓練と指導する事を王宮から指示されていたオリビアだったが、()()()()()()()()()()()()()()()()()事に対し、疑問を感じていた。


(このままでは我々の身体(からだ)が持たないかも知れない… ソフィア様に魔法の指導や訓練は必要無いと、王宮に現状を報告してみるか…)


 そうオリビアは決意し、その日の訓練の終了を宣言したのだった。





 ────────────────





「…以上がオリビア様からの報告でございます」


 王宮にはオリビアからの苦情とも言える報告が届いており、対策会議が開かれていた。


「ふむ… ソフィア様の魔法、思っていたよりも強力に過ぎる様じゃな… 報告に対する(しょ)(けい)(けん)(かい)を聞こう」


 国王(エドワード)が聞くと、防衛大臣が手を()げる。


「報告を聞くに、ソフィア様を指導するより司祭達や司教達を指導した方がよろしいのではありますまいか? ソフィア様の魔法が強力な事よりも、司祭達や司教達の防御力が弱い方が問題だと()(こう)いたします。ソフィア様は聖女とは言え、まだ8歳の幼女。しかも、その幼女の魔法そのものではなく、魔法で破壊された岩の破片は勿論、()かされたり(こお)らされた岩が(はっ)する熱気や冷気すら(ふせ)げないとは…」


 集まった多くの大臣や貴族が腕を組んで考える中、フランク・フォン・バドルス侯爵が手を()げる。


「その考えも(わか)らないでもありませんが、そう結論()けるには少しばかり(そう)(けい)かと。私はソフィア様の魔法を(じか)に見ましたが、あまりの凄まじさに(がく)(ぜん)とした(ほど)です。ソフィア様を〝たかが8歳〟と(あなど)ってはいけないと思います。(おそ)らく、歴代の聖女の中でも(さい)(こう)(ほう)の魔力ではないかと… ならば司祭達や司教達が防御しきれなくても仕方無い事かと思いますが?」


 フランクの意見に防衛大臣は勿論、他の大臣や貴族達も(いぶか)しげな表情でフランクの話を聞く。


「ふむ… では聞くが、この中にバドルス侯爵以外でソフィア様の魔法を見た者は()るかな?」


 エドワードの言葉に、誰もが首を振る。

 ただ1人、マッカーシー大司教を(のぞ)いて。


「やはり、大司教しか()らぬか… つまり、ソフィア様の魔法を(じか)に見たのは、バドルス侯爵以外では()と大司教のみと言う事じゃな? ならば(みな)、ソフィア様の訓練を見学してはどうじゃ? 〝(ひゃく)(ぶん)(いっ)(けん)()かず〟と言うであろう?」


 大臣達や貴族達は、興味津々(しんしん)といった(おも)()ちで首を(たて)にブンブン振りながら(うなず)いた。

 そして、翌日の〝ソフィアの魔法訓練見学ツアー〟が決まり、オリビアの元へ早馬で知らされたのだった。





 ────────────────





 翌日、午前の勉強を終え、昼食を済ませたソフィアは馬車で修練場に向かいながら、アンナに説教されていた。

 本来ならソフィアの乗る馬車は聖女専用で、護衛剣士であるオリビア以外は同乗できないのだが、アンナは『どうしてもソフィア様に伝えたい事がある』と、強引に乗り込んだのだった。


「何度も申し上げています様に、ソフィア様は聖女なのですよ? 食後の後片付けはメイド達に任せて下さいませ。彼女達には彼女達の役割があるのですから、その役割を(うば)う様な事はしないで下さいと、何度も何度も何度も…」

「あっ! 修練場に着きましたので、その話の続きは帰りにでも!」


 修練場に着く寸前、馬車から飛び降りるソフィア。

 そのままアンナから逃げる様に、ダッシュで修練場へと入っていった。


「ソフィア様、(たくま)しくなったなぁ…」


 オリビアの感想に、アンナは小さく()め息を()きつつ(うな)()れる。


(たくま)しくなったと言うより、()()()()になったのではありませんか…? 気の小ささや(おく)(びょう)さが消えて、()(ぶと)くなられたと思うんですけど…?」


 (ほど)()く馬車は修練場に到着する。

 オリビアとアンナは苦笑しつつ馬車を降り、ソフィアの(あと)を追って中へと入っていく。

 大岩の(まわ)りに着くと、国王を初めとした(セント)クレア王国の大臣や貴族達が勢揃(せいぞろ)いしていた。


「ん…? ソフィア様は…?」


「おかしいな… 私達が追い越した(はず)はないし…」


 オリビアとアンナがソフィアを探すが、何処にも見当たらない。

 とりあえずオリビアは国王(エドワード)にソフィアの到着を報告する。

 その()しばらく待つが、ソフィアは現れない。

 アンナは少し考え、ハッとしてオリビアに聞く。


「オリビア様… 本日の〝魔法訓練見学ツアー〟ですが、ソフィア様には…?」


 アンナが聞くと、オリビアの顔から血の気が引いていく。


「わ… 忘れてた… かも…?」


「何をやってるんですか!? 確かにソフィア様から〝気の小ささや(おく)(びょう)さ〟は消えましたけど、それは魔物や魔獣に対して()()()()()()()()んですよ!?(私達に対してもですけど…)」


 アンナが()め息()じりにコソッと付け足した言葉は小さく、すぐ(そば)に居るオリビアにも聞き取れなかった。

 …が、その表情からアンナが()()()()()()()に対し、ある種の不満と困惑を(いだ)いている事は理解できた。


「す… すまない… でも、まさかソフィア様が姿を(くら)ますとは思わなかったし…」


 アンナは盛大(せいだい)()め息を()き、国王や大臣、貴族達に向き直る。


皆様(みなさま)… (おそ)らくですが、ソフィア様は以前(もよお)された〝(かん)(げい)(うたげ)〟での記憶が(よみがえ)り、身分の高い(みな)(さま)(おく)してしまったと思われます。大変申し訳ございませんが、ソフィア様の捜索をお願いしても(よろ)しいでしょうか?」


 深々と頭を下げるアンナの()()()に同情した面々は、苦笑しつつソフィア捜索を開始したのだった。

ソフィアの溶矢(モルテン・アロー)が当たった大岩が()()()輝いたのは、温度が15000℃を超えている事を意味します。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ