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元・奴隷の聖女様 ~奴隷に堕ちて3年後… 聖女の力に目覚めましたが、染み付いた奴隷根性が抜けません!~  作者: タイガー大賀


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第34話 対トロール戦、そして…

 トロールの()れに(たい)()すべく、王宮からは(この)()(へい)を中心とした討伐隊(とうばつたい)が組織された。

 また、王都を中心に活動している冒険者やハンター達も()(ゆう)(へい)として参加している。

 ソフィアも討伐隊(とうばつたい)に参加する事になっていたが、それは()くまでも形式上に過ぎなかった。


「形式上の参加ですか?」


「どの程度の規模(きぼ)かは(わか)りませんが、トロールの()れ程度なら(この)()(へい)()(ゆう)(へい)だけでも大丈夫でしょう。仮に危なくなったとしても、私が()()れば問題ありません… と言うのは(たて)(まえ)で、ソフィア様は魔物と(たい)()するのは初めてですので、魔物に慣れて頂く為の参加と言う()()です」


 ソフィアが首を(かし)げながら聞くと、オリビアは当然と言った感じで答える。


「だから形式上なんですね? ちょっと残念な気もしますが…」


 ソフィアの〝残念〟との言葉に、オリビアは(いぶか)しげな表情を浮かべる。


「それにしてもオーリャさん、()()()()表情が豊かになりましたね」


 オリビアは先日の〝オリビアはソフィアを愛するレズビアン説〟()()以来、無表情でいる事を()めてしまっていた。


「そりゃまぁ… ソフィア様に無表情は無意味ですからね…」


 オリビアの言う通り、表情を出さなくてもソフィアには簡単に読まれてしまうので、無表情でいる事は無意味である。

 同様に、ソフィアに(つか)えるメイド達もソフィアに表情を読まれない様、常に笑顔でいたのだが…

 オリビアと同様に無意味である事を(さと)り、無理に笑顔を作らなくなっていた。





 ───────────────





 トロールの群れを(むか)()つ為、王都から数(キロ)離れた(ひら)けた場所を選び、オリビアを中心に(この)()(へい)達が(げい)(げき)(たい)(せい)を取る。

 ソフィアはオリビアの隣に立っているが、戦闘が始まっても動かない予定になっている。

 勿論、ソフィアの護衛たるオリビアも動かない。

 オリビアは後方から戦況を()(あく)し、指示を出す予定である。


「トロールの群れを()(にん)! 間も無く(おか)を越え、此方(こちら)に向かってくると思われます!」


 (もの)()(やぐら)に登った見張りが声を()()げる。


「よし! 弓隊(ゆみたい)(かま)えろ! 合図と共に一斉射撃! 白兵距離ギリギリまで撃ち続けろ! ()いな!」


「「「「はっ!!!!」」」」


 オリビアが叫び、弓隊が(こた)える。

 そうしている間にもトロールの群れは少しずつ近付いてくる。

 そして…


(はな)てぇええええっ!!!!」


 オリビアの合図で一斉に矢が(はな)たれる。

 撃ち終えた射手(しゃしゅ)は次の矢を(つが)え、次々と撃ち出していく。


「凄いですね~… あれだけ矢を撃ち込まれてるのに、あんまり(ひる)んでる様に見えませんね… 突っ込んで来ますよ?」


 トロールは矢が突き刺さると多少よろめくが、矢を引き抜くと構わず(せま)ってくる。


「ちっ! さすがにトロールは回復が早いな… やっぱり首を()り飛ばすか、心臓を(つらぬ)かなきゃダメってか!?」


 オリビアはギリッと歯噛(はが)みする。

 弓隊の面々は、攻撃が全く()いていないトロールにオロオロしている。


「仕方無い、弓隊は退(さが)れ! (きん)(せつ)(せん)部隊、前へ!」


 オリビアの指示で、待機していた剣や(やり)を持った部隊が弓隊と入れ替わる。


(やり)の部隊が前だ! トロールを突き刺して動きを止めろ! 剣の部隊は動きの止まったトロールの首を()ね飛ばせ! 魔導師部隊は(けん)(せい)だ! トロール達の上空で爆発系の魔法をブッ(ぱな)せ! (やり)部隊がトロールを突き刺す(すき)を作れ!」


 オリビアが的確に指示を出す。

 充分に訓練された(この)()(へい)達は、指示に(したが)いトロールの群れに向かっていく。


「ホント、私の参加は形式上でしたね… (ほん)()を言えば、少しは私が活躍する場面も用意して欲しかったですけど…」


 ソフィアは少し意地の悪そうな目でオリビアを見ながら言う。


「そんな目で見ないで下さいよ… トロール程度でソフィア様の手を(わずら)わせるワケには…」


 言われてオリビアは軽く嘆息(たんそく)する。


「でしょうね♪ でも、さすがにアレは私の出番だと思いますよ?」


 言ってソフィアが指差す先をオリビアが見ると…


「あ… あれは… キング・トロール!?」


 目を見開くオリビア。

 トロール達が越えてきた丘の向こうから、(ひと)(きわ)大きなトロールが姿を現す。

 他のトロールと比べても、2倍近い大きさである。


「なるほど… これだけのトロールが統率の取れた行動をしてたのは、キング・トロールが(ひき)いてたからか…」


 さすがのオリビアも(あお)()める。


「オリビア様! (もの)()(やぐら)の兵からの報告です! あの巨大なトロールが近付いてきてから、少しずつですが(きん)(せつ)部隊が押され始めてるとの事です!」


厄介(やっかい)なヤツが出てきたモンだな… さすがにアレを倒すのは(この)()(へい)でも厳しいか…」


 オリビアの言葉を聞いたソフィアは、ニッコリ笑って話し掛ける。


「じゃ、ここは私に任せて貰いましょうか? あ、安心して下さいね? 私が倒すのは、あの大きな()()()()だけですから。他の(みな)さんの活躍の場を奪う気は全くありませんので♪」


 言ってソフィアはキング・トロールを指差し…


風刃(ウインド・カッター)!」


 ソフィアの()()()()()と共に、不可視(ふかし)(やいば)がキング・トロールに向かっていく。

 そして次の瞬間、キング・トロールの首は風の(やいば)()り飛ばされたのだった。

 キング・トロールを(うしな)ったトロールの群れは(もろ)く、(きた)え上げられた(この)()(へい)達の敵ではなかった。

 オリビアが最初に指示した通り、魔導師部隊が(けん)(せい)の魔法でトロールの気を引き、(やり)部隊がトロールを突き刺す。

 そして動きの止まったトロールの首を、剣部隊は容赦(ようしゃ)なく()り飛ばしていった。

 ()(ゆう)(へい)として参加している冒険者やハンター達も、次々とトロールを()()めていく。

 そうして戦闘が始まってから数時間後…

 (セント)クレア王国に向かっていたトロールの群れは、完全に全滅したのだった。


「それじゃオーリャさん、後始末は任せますね♪ 私は先に戻って、(みな)さんの為に(あたた)かい食事を用意して貰いますので♡」


 そう言って帰っていくソフィアを、全ての兵士達が敬礼で見送るのだった。





 ────────────────





 一足(ひとあし)早く聖女邸に戻ったソフィアは、トロールの(とうばつ)伐に参加した兵達の為の食事の準備をアンナに頼む。


(かしこ)まりました。ところでソフィア様、今回の討伐(とうばつ)に参加したのは何人程でいらっしゃいますか? 人数次第では聖女邸(ここ)ではなく、王宮の食堂を使わせて頂いた方が(よろ)しいかと…」


 アンナに言われ、食堂を見渡すソフィア。


「う~ん… ここだと確かに狭いでしょうねぇ… ()()()()()(みな)さんだけなら入れると思いますけど… それに、王宮の食堂を使わせて貰えるとしても、()()()()()(みな)さんは王宮に入っても()いんでしょうか?」


 ソフィアの()(ねん)は当然の事だった。

 元から王宮に(つと)めている(この)()(へい)はともかく、平民である()(ゆう)(へい)が王宮に入れるとは思えなかった。


「そうですねぇ… なら、聖女邸(ここ)の庭で食事会を開催しては如何(いかが)でしょう? 人数次第では(この)()(へい)は食堂、()(ゆう)(へい)は庭に分かれるかも知れませんが、(さいわ)いな事に食堂の外が庭になっております。食堂の窓を開放すれば、互いのコミュニケーションも取り(やす)いでしょう」


 アンナの提案に、ソフィアは満面の笑顔になる。


「それ、()いですねぇ♡ 私からも提案なんですけど、()()()()()()()()()ってのにしませんか? そうすれば、私も食堂と庭を()()(やす)いですし♪」


 ソフィアの意見にアンナはニッコリと(ほほ)()み…


(かしこ)まりました。では、その様に手配(いた)しましょう。それでは、私は食事の準備に掛からせて頂きます」


 そう言ってアンナは食堂を(あと)にする。

 ソフィアも食堂を出て行き、(のち)にアンナを(あき)れさせるのだった。

間も無くPVが25000に達します。

読んで頂き、ありがとうございます♪

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