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白いイタチ?

 あれから、また少し時間が経ち…。

 洞窟の中にある小さな水溜りの前で、私は水面に映る自分と、にらめっこをしていました。


 「何か、私だけ他の兄妹と色とか違うんですけど…」


 そう思う理由は、親と兄達の体毛が基本的に暗色系の茶色等だったりするのに対して、私の毛は色素の無いような真っ白だからです。

 そして目は、ルビーのようなとても綺麗な赤い色をしていました。

 所謂、アルビノという奴でしょうか?。

 一応、お母さんに聞いてみました。



 『確かに、貴方の体毛は普通の子と違って白いわね。 

 でも偶にあるのよこんな事が。昔の人間達は不思議な事に、こんな風に白くなった子を忌み子とか言って、不気味がって変な扱いをする事が多かったけど…』


「そうなんですか…」


 そんな言葉に、私は少しだけ落ち込みます。


 暗くなった私の雰囲気を察したのか。慌てて…


 『でも、別に貴方が私の子である事に変わりはないし。怖がらせてなんぼの妖怪なんだから、それを強みにでもすれば良いんじゃない?』


 そう、フォローするように言いました。


 ・・・確かにそうですね…。

 私の今は、人間でなく妖怪です。前世の価値観をそのまま使う必要はないですし。

 他とは色が違っても、私が私である事に間違いはありませんね。

 

 私が上手く立ち直った事に安心したのか、そのまま頭を撫でてくれました。

 ただ、この体格差だと潰されそうで少し辛いです…。



 暫く撫でられていると。ふと、以前から気になっていた事を思い出しました。


 「そういえば、私達のお父さんって誰なの?」


 そんな何気ないような質問に、お母さんは一瞬驚いたように固まります。

 けれど直ぐに元に戻り、私を撫で続けました。

 

 お母さんは、少し困ったような悲しみを含んだ変な顔をして、


 『さあ?、誰でしょうね…』


 と、はぐらかす様に答えました。


 そんなお母さんの様子に、これはあまり聞かないほうが良いことだと、その後に続く言葉を私は喉元に押し留めました。


 少し気まずい空気が漂っていると。

 突然口から欠伸が出てきて、私のまぶたが重くなり、我慢しようにもどんどん落ちてきます。

 私がうつらうつらと頭を振っていると、眠気に襲われているのを察したのか。近くに暖めるように寄り添って、子守唄で寝かし付けてくれました。


 『ね〜んね〜ん ころ〜りよ おころりよ〜 あ〜んたはよい子だ ねんねしな〜…』

 

                       Zzz…

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