育って育って
(お母さん、おちち〜)
そんな事を長男に当たる生物が言いながら、お母さんに近づいていきます。
それに続いて、次男と私もお乳を吸いに行きます。
最初に目覚めた日から、あっと言う間に時が過ぎ、私達も大分大きくなりました。
此処は小さな洞窟のようで、四六時中暗く、あまり時間の感覚が分かりませんが、恐らく一週間くらいは経っている気がします。
それによって兄妹共々、何故か話せるようになっていました。
人間なら何年も掛かる事を、たったの一週間で済ませるのは流石に驚愕しましたね。
野生の動物は、本能で歩き方等を既にインプットされているので、学ぶ時間が無いとは言いますが…
まあ、そもそも話せる事に対しては、お母さんが既にやっていたので、普通に流しました。
とてもファンタジーだとは思いましたが。
それで話す事ができるようになったことで、お母さんに色々質問して私達の事等を聞いてみました。
まず、私達の種族は鎌鼬みたいです。
姿から見て、そんな感じかなと予想していましたが、直接聞いてみても中々実感が湧きませんね。さっき言った様に、自分がファンタジーの存在になったとは…
鎌鼬とは、私の想像通りに、つむじ風に乗って道すがらに斬りつける妖怪みたいです。
妖怪と付くくらいですから、他にも天狗とかの種族がいるんでしょうかね?。
まあ、鎌鼬の詳しい説明は後にして、他には私達の名前も聞き出せました。
私の名前は、恵那というらしいです。
......少し、当て字っぽくないですかね?。
長男は飯綱、次男は野鎌です。
やっぱり、私だけ何か違う気がする…
ちなみに、上から飯綱、野鎌、恵那の順になるので、私が末っ子になります。
別に、これは運命として受け入れるので良いんですけど、弟か妹が欲しいと言うのは我儘ですかね?。
兄達は、私の精神年齢から見れば弟だと思えば問題無い…かなー?
他には、私達が親離れする時期も聞けました。
大体、生まれてから三ヶ月程で巣を出ていかなければならないそうです。
人との価値観の違いに頭がバグりそうになりますね…
そして巣立ちは、兄妹がいる場合は、三匹一緒に出るようです。
それが鎌鼬の仕事に必要だとか何とか…
しかし三ヶ月ですか…あまり時間もありませんが。巣に籠もれる間に、色々と聞いて置かないといけませんね。
その為に、早く..大きくなら...ないと…
Zzz…