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莉音をメロメロバッキュンして先輩から奪っちゃうぞ作戦

「⋯⋯⋯⋯なに?それ」

「?これは手土産だ」

と胸をはって答えるネクの手には巨大な箱。

 今日は土曜日。スマホもやっと修理から戻ってきた上に部活なしだ。

 ともちゃんと遊ぼうかと思ったが、ともちゃんは部活ということで近所のレンタルショップから映画を借りてきている。これから鑑賞する予定。

 ちなみにここは私の家で、風雅は部活でいない。

「まあ、入れば?」

 そういって仕方なくネクを家に通す。

「よいしょ」

などといいながら箱をもってよろつきながら家にはいってくるネク。

 この箱、二歳児の背丈くらいあると思う。

「んっ?これが気になるか?」

 私がジィーッと箱を見ていたのに気づいたネクがそういう。

「あけるが、あまり大きな声で驚くなよ」

「はぁ⋯⋯」

 鼻息荒く箱に手を掛けるネク。

 ⋯⋯ここ、廊下なんだけどな⋯⋯

 大きな白い箱からでてきたのはウエディングケーキ。

「⋯⋯⋯⋯⋯⋯」

 驚きで言葉がでないというか、呆れるというか⋯⋯

「自分で?」

「もちろんだっ!」

 プロのパティシエが作ったとしか思えない出来栄え。さすが、主夫。

 その上、ケーキの頂上には私とネクと思われるマジパン。マジパンまで作れんのか⋯⋯。

「⋯⋯⋯⋯⋯⋯」

「どうした?嬉しいか?」

 興奮したようにそういって私の顔をのぞきこむネク。

「二人でこれ、全部食べるの?っていうか、これ、どういう意味合いで作ったわけ?⋯⋯」

「なっ、いや、これは⋯⋯だな。おわっ!」

 真っ赤になって手をブンブンふって後ずさりしていたネクがケーキにぶつかる。

「あっ!」

「あ⋯⋯」

 ベシャッという嫌な音がなる。

 フローリングの廊下にベトリと付着した生クリームたち。

「あぁぁぁぁぁぁぁぁっっ!!」

 この世の終わりのような奇声⋯⋯もとい悲鳴をあげるネク。

 床に膝をつき絶望にうちひしがれている。

「あ~あ⋯⋯」

「なんてことだ⋯⋯」

「まあ、私がかたづけとくからさ、ネクは帰って大丈夫」

「いや!!そんなことはさせられない!それにこんなことになった詫びといってはなんだが、家を掃除させてくれ!!」

「は?⋯⋯」

 ネクの必死さに若干引いてしまう。

「いや、まって。私これから映画見たいんだよね。だから」

「わかった。テレビがある部屋には行かないようにすると誓おう」

 そういうネクの瞳は真剣そのものでもう手遅れだということを知る。

「うん⋯⋯まあ⋯⋯お願いします⋯⋯」

 そういって私は映画鑑賞をはじめにいった⋯⋯





「姉ちゃん!なんか、廊下のフローリングが輝いてんだけどっ!ってなにこれ!めっちゃうまそうじゃん!姉ちゃんが作ったの!?」

とたずねてくる風雅。

 部活終わりで疲れてぐったりしていただろうに、この家の未だかつて見たことのない清潔感と母性溢れる肉じゃがで疲れなんか忘れてしまったようだ。

 対する私は自分の女子力のなさを思い知らされ気力をなくしぐったりしていた。

「あ、そうだ。風雅、これあげる」

「はっ?なんで姉ちゃんのスマホ?」

「数分おきに変態からメールくるんだけど相手してやって」

「ストーカーされてんの!?」

そういって身を乗り出してくる風雅。私は答える気力もなく

「そうかもね」

などと曖昧な返事をしながら階段に向かう。

 もう今日は疲れたし寝よう⋯⋯

「じゃ、よろしくねー」

「まじでっ!?」

「うん」

 そういった矢先になる着信音。

 スマホのロック画面を解除し(私のスマホで動画を見たりする風雅は私のロック画面の番号も知っている。ちなみに、風雅はまだ中学生なのでガラケー)

メールを見たと思われる風雅の表情がみるみるうちにひきつっていく。

 そうだろう、そうだろう。

 私は風雅になにか言われる前に二階にあがる。



 やっぱり、本当の家族じゃなくても、ここが私の家なんだよね。


 すごいリラックスできるし、風雅も母さん、父さんも⋯⋯



「なに⋯⋯やってんの?⋯⋯」

 色々と考え事をしながら部屋の戸をあけた私は固まり、窓の外をみやる。

 私と風雅の部屋の窓の先にはサルゴリくん。

「通報するよ」

 そういいながら窓をあける。

「なんで人の部屋のぞいてたの?」

「いや⋯⋯その⋯⋯かえる!!」

「ちょっ!?」

 飛び降りたユータだが、怪我をしている様子もない。

 さすがはサルゴリ。

 でも、ほんとになんなの⋯⋯なんで私と風雅の部屋のぞいてたの?⋯⋯

 もう理解不能すぎて頭いたいよ⋯⋯

「姉ちゃん!!」

「なに?」

 勢い良く部屋に飛び込んできた風雅にたずねる。

「警察いこう!今!」

「今?⋯⋯」

 疲れとねむさで気だるい私のうでをつかんですごい力で引っ張る風雅。

「ちょっとまって。どんな内容のがきたの?」

 そういって風雅の手からスマホをとりメールの内容をみる。

〈莉音ちゃん、冷たいね(´-ε-`)ぶぅ

でも、そんなとこも('□'* )だ ('ㅂ'* )い ('ε'* )す ('ㅂ'* )き♡

僕はいっつも莉音ちゃんのこと考えてるよ((((((/´З`)/チュチュチュゥウウウウ!!なんでかわかる?(*゜.゜(゜.゜*)ピトッだって莉音ちゃんと僕は運命の赤い糸で⋯⋯〉

「警察⋯⋯ううん。ヨウを精神科につきだそう。うん」

 そういって私は歩き出す。

 もうSUNNY'Sの奴らには我慢ならない。

 そろそろなにかしらの報復をくださなければ。

 玄関で靴を履き、戸をあけ意気込んだ私だけどすぐに膝からくずれおちる。

「あ!やーっとでてきたね!ピンポンおしても莉音でてこないから⋯⋯。莉音あいたか」

 バンッ

 私は抱きついてこようとしたソラをみてすごい勢いで戸をしめた。

「莉音ひど~い!痛いよ~」

などというソラの声を聞きながら私は戸にもたれかかった。

 ほんと、どうしよ⋯⋯


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