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芽生える気持ち

「ねえ、ナギ~、どういうことなの?勝手にそういうことしてさ~」

「そうだ。俺たちは仲間なんだから相談くらいしてくれてもいいだろう」

「ごめん。悪かったと思ってるよ」

 そう、暗い表情でいうナギにユータがたずねる。

「なんでHRNにはいったんだ?確か、一人はお前の学校の先輩だよな?」

「⋯⋯」

「もう一人のフウガってやつもさ、忘れたの?ナギ。あいつは"喪失のプリンス"大事なあれを人に渡しちゃったやつなんだよ!王族の恥さらしだって小さい頃から⋯⋯」

「知ってるよ。けど、許してほしい。」

 そういって深く頭をさげる。

「わけは⋯⋯いえないのか」

「うん。⋯⋯ごめん」

 しばらくの沈黙。

 ナギはひたすらに下を見続けた。

 心から申し訳なくて。

 でも、こうすることしかできなかった自分がひどく虚しくて。

「ナギ、顔をあげて」

 その優しいソラの声にゆっくりと顔をあげるナギ。

 そこには大好きな仲間たちの暖かい表情があった。

 なんで、この人たちはこんなにも暖かく優しいのだろう⋯⋯。

「まあ、お前にも言えないわけとか、あんだろ。なら、しゃあねえよ」

 そういって頭をかきむしるユータ。

「いつか話せる時がきてからでいい。なにか、事情があるんだろ」

 優しい表情でネクがそういえば、ヨウがうんうんとうなづく。

「ありがとう」

 そういった僕の声はどこか震えてしまって泣いてるようになってしまう。

 格好つかないな⋯⋯

 そんな暗い気持ちも吹き飛ばしてくれる大好きな仲間の大好きな笑顔をみて僕は嬉しくて泣きそうになってしまう。

 ほんと、格好つかないな⋯⋯。

 そう思いながら僕は微笑んだ。






「それでね、その問題全然解けなかったんだけど、教科書よく読んだら結構わかってさ」

 沈黙をつくらまいとずっとグダグダ喋る私を優しい笑みでみつめてくれていたれん兄は

「で、その問題が解けたってこと?」

とたずねくる。

「うん!そうなの!」

 そういうとれん兄は頭をなでなでしてくれる。

 私の支離滅裂な文章を理解して優しく微笑んでくれてその上なでなでとか⋯⋯。

 胸がどくどくと音をたて暖かくなってくる。

 あれ?おかしいな⋯⋯今までこんなのなかったはずなのに⋯⋯

れん兄ではない違う誰かにならたまにこんな反応になるのに⋯⋯

 本当に、不思議だ。






 ナギは知っていた。

 自分が目的を果たせば、彼女は手に入らない存在になる、と。

 彼女は紛れもない海を支配するセレナーデ一族の子。

 その人魚の頃を思い出して人魚としての彼女が全面にでてきたら⋯⋯


ー海を支配するセレナーデ一族は人魚とは恋できない。

結ばれるとしたらそれは人間であるー。


 古代の呪いというのは本当に⋯⋯本当に鬱陶しいもので。


 ただでさえ、僕には縛りがあるのに、彼女は手を伸ばせば伸ばすほどに彼女は遠くなっていってしまうんだーー。



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