コーヒーの風景
良いコーヒーと呼ばれる基準は人それぞれだと思う。
私にとってその基準は、そのコーヒーが見せてくれる風景だ。
香り、味、色味。
重要なのはそれにさらにもう一つ、感覚的な問題を取り入れる。
ワインのソムリエが、ワインのテイスティングに感覚を言葉で伝えるように、私も、同じことをコーヒーに対して覚える。
一つの人生、いや豆生がここで終わりを迎えている。
しかし、それは単なる終結にはならない。
新たな発見、新たな起点となる旅の始まりとなるのだ。
それ故に、私はコーヒーの風景を大切にする。
必要なのは、飲んだ人が生きるために、これまで学んだことをコーヒーから感銘を受けるためにしてきたのだと確信する一杯だからだ。