第8話 小話、そしてついに町の中へ。
次の日の朝、私は執事のラルスさん(昨日の夜、食事の手伝いをした時に教えてもらった。)やヘルギンさんたち剣士に交じって朝食の準備をしていると後ろから昨日友達になったメアリーがラルスさんを連れて声をかけてきた。
「アヤノは料理作るの上手だね。前に作ったことあるの?」
「一人で研究をしていると自分で生活のあれこれをしないといけなくなるから自然となれちゃったよ。」
自分の生い立ちに関しては聞かれると思って昨日馬車に乗っている間に考えていたので聞かれても大丈夫だ。内容は『遠くのある森の中でゴーレムやゴーレムに応用できる魔道具に関する研究をしていたがゴーレムの研究が一段落しこの森の中で研究に必要なものが取れなくなってきたこともあり森を出てきてこの森まで来た。』というものを考えた。
「他に一緒に研究をしてくれる人などはいなかったのですか?」
「ゴーレムに興味を持っていたのは私だけですしね。『こんな研究なんて誰がするの。』って言われたしね。」
「そんなにゴーレムは人気がないの爺や。」
「はい、お嬢様。昔は研究をするものはたくさんいましたが、今は殆ど研究をしている人はいないと聞いております。」
「そうなのですか。アヤノ、後で何か話を聞かせてください。」
「話せる範囲でいいんだったら喜んで!」
そんな話をしているとメアリーがふと私が腰に差している剣に目を向けてから話をし始めた。
「そう言えば、アヤノの腰に差している剣って名剣に見えるけど何処で手に入れたの?」
その話を聞き少し考え込んだがこの剣に関する話が来るのは大体予想がついていていたためすぐに答えが出た。
「研究の途中に発見したんだけど、ゴーレムには持たせられそうにないって思ったから私の護身用として持ってたんだけどね。思ったよリも強くてびっくりしちゃったよ。」
「昨日戦ってた時も動きがすっごく良かったよね。」
「森の中でも戦う事はあったからね。その時は倒した動物は食べるから普通の鉄剣を使ってたけど。」
そう話すとメアリーが何か考え事があるようで下を向いて考え込んでいた。何か間違ったことを言ったかなと思いつつもメアリーが話始めるまで待っておくことにした。
「爺や、家の倉庫の中にいらないアイテムがいくつかあったでしょうあれをアヤノにあげられないかしら。」
「多分ですがお嬢様を助けて下さった方へあげるのなら領主様も喜んで渡してくださるでしょう。」
急にそんな話が私抜きで進むので急いで止めに入ることに決めた。
「えっそんなに気にしなくていいよ。私が勝手にしただけなんだから。」
そういうとラルスさんが
「ご安心ください。元々屋敷の中で使えていなかった物なのでどこぞの商人に安く買いたたかれるよりもアヤノ様のような方に使われた方がアイテムもうれしいと思いますよ。」
と話すので本当にありがとうと思いつつ
「そういう話でしたらありがたくいただいて大事に使わせていただきます。」
そうやって報酬の話が終わりつつあると何か思い出したようにメアリーが
「そういえばアヤノと一緒にいたゴーレムさんはどこ行ったの。昨日の夜まではいたと思うのですが。」
「あぁ彼らはここにいますよ。」
そう言って私は腰のポーチから手のひらサイズのウッドゴーレムの形をした木彫りを取り出した。
これは無属性魔法の中に『サイズ変化』という大きさを変えるだけの魔法だったんだけど私にとっては大きすぎるゴーレムを持ち運びできるサイズまで小さくできるので見つけたときについ喜んでしまった。一応ウッドゴーレムにはスキル《身体変化》があったんだけど、試してみると大きさまでは無理みたいだった。
「凄いですね。昨日見た時はとっても大きかったのにこれはとっても小さいですね。」
「町に入る時にゴーレムを連れていたら警戒されちゃうから。」
「それもそうだね。だけど今度ゆっくり見せてね。」
「ゴーレムで良ければ、いつでも時間があれば。」
そういう話をしつつ町への旅は進んでいく。
「お嬢様にアヤノ様、伯爵領領都へグランに着きますよ。」
御者がそんな話が聞こえたため窓から顔を出すと高さが数十メートルもありそうな城壁に囲まれた立派な街が見えてきた。
「立派な街だね。ここがメアリーの家がある街なのか。」
「うん、この町で一番大きな屋敷が私のお家なの。もう少しだけ移動することにはなるけどその分いい所だから楽しみにしててね。」
おぉ!貴族の家に一回は行ってみたいとは思ってたけどこんなにも早く行けるとは思わなかったよ!
「うん、とっても楽しみだよ。」
メアリーと話をしながらも馬車は町の入口へと少しずつ近づいていった。
「お帰りなさいませ、メアリー様。」
入口に着くと入口の傍で立っていた兵士の一人が声をかけてきた。
「屋敷に戻るのですが通ってもよろしいでしょうか。」
「問題ありませんが念のためそこの方には職業と犯罪経歴の確認を受けてもらいます。」
そう言って兵士さんは私を見ながら話をした。
「分かりました。どうすればいいですか。」
そう聞くと兵士さんは手の平サイズの水晶を取り出して私に渡してきた。
「その水晶に魔力を流せば大丈夫だ。ついでに住民証を作るか?」
兵士さんの提案に同意しながら、水晶に魔力を流すと短めのステータスみたいなのが
出てきた。
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アヤノ ノザキ 女 15歳
職業 大地の大魔法使い
犯罪経歴 なし
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あれ?職業が神級造兵技師じゃない。だけどアフィリアがゴーレム関係は目立つって言ってたからその対応なのかな?
「その都市で大地の大魔法使いか、中々の才能だな。町に入るのは問題なさそうだな。ようこそへグランへ、ここでの良い生活を祈っているよ。」
兵士さんの身送りの言葉を聞きつつ私は初めての街をメアリーと小さくなってもらってポーチに入ってもらったウッドゴーレムと共に進んでいく。
やっと町の中での話を次から書けそうです。
ですがそろそろ毎日投稿きつくなってきましたが出来る所まで頑張りますよ!




