第11話 ゴーレムの話、そしてゴーレムとは。
一日休んだのでまた頑張ります。
また当分話が続きそうなのでまずは忘れる前にやっておくことを済ましておこっかな。
「話に入る前に片付けておきますね。」
そう言って私は肩掛けカバンに貰った六つの魔道具を次々に入れていく。
「そのカバンはアイテムバックか。普通は手に入れるのは難しいはずなんだがな。」
「研究の過程で他の魔道具と一緒にあったのを偶然見つけたのでそれから使っていますね。」
「私たちが渡した魔道具よりも貴重な物を平然と持ち歩いているのだな。」
一応アイテムバックではあるけど容量が心配なので時空魔法の『時空収納』の中に入れてはいるがアイテムバックは、確かに貴重な物だと思う。見た目以上に沢山物が入れられてびっくりしたしね。
そっそうだ!アリアスさんとの話の途中でした。
「それで話というのは何ですか?」
「君がゴーレムを従えているとラルスからの手紙に書かれていたのだがな。まったくそれらしい姿が見えないからどこにいるのかと思ってな。」
何の話かと思ったらゴーレムの話だったんだ…そういえば今は小さくしてポーチの中に入れておいたんだ。
「あぁ…今からゴーレムを元に戻すので少し待ってくださいね。入り口横の空いている所を使ってもよろしいでしょうか。」
アリアスさんから許可を貰ったので腰のポーチから手の平サイズにまで小さくしたウッドゴーレムを取り出して誰も立っていない『サイズ変化』と唱えると目の前に二mほどの立派なウッドゴーレムが現れた。
「凄いな、本当に現れたぞ。急に暴れたりはしないんだな。」
「ご安心ください。彼とは契約しているので私のお願いなら聞いてくれますので。」
何というかアリアスさんはまだ悩んでいるみたいだがレフィシアさんは目を輝かさせていてアイアスさんが静かになった為、私に質問し始めた。
「このゴーレムはもしかして木のゴーレムですか!」
「はい。ウッドゴーレムといいます。」
「何処で仲間にしたのですか?」
どうしようかな……どうせいつかはばれちゃうからな……あっそうだ!こうすればいいかな。
「そこからは口外しないのでしたら話しますけど……どうしますか?」
そういうとレフィシアさんはアリアスさんと相談をして決断をしたようで『この場にいる人は全員口外しないと約束しますわ。』とレフィシアさんが答えてアリアスさんやメアリーが首を縦に振ったので話することにした。
「私はゴーレムを作ることが出来るので森に生えていた木を材料に作りました。その時に契約もしました。」
「素晴らしいですね!そのゴーレムは何が出来ますか。」
レフィシアさんが次々に質問をしてくるので見かねたアリアスさんが止めに入って一旦一段落しました。
「すいません。ゴーレムに関しては私も知らない事が多いのでついつい聞いてしまいました。」
「レフィシアは魔獣に関しての研究をしているので魔獣の話になると我を忘れることがあるのだ。今では時々にしか起きる事がないから許してはくれないか。」
分かります。自分が好きな話が始まると相手を質問攻めにしちゃう事があるので気にはならないかな。
「私も気になる話の時は我を忘れてしまいますので気にしないで下さい。」
「そういえばゴーレム作成のために色々な材料を買いたいのでいいお店を教えてください!」
そういうと今まで私の隣で静かにしていたメアリーが立ち上がって
「一緒にお出かけに行く時に私が案内するよ!いいでしょ!お父様、お母様!」
と伯爵夫妻に訴え始めた。それを聞いたお二人は
「メアリーの命の恩人だからな!しっかりと案内してきなさい。」
「それは構いませんが失礼な事の無いように気を付けなさい。」
と温かい声をかけている為問題はなさそうだなと心の中で安心しつつも長かった伯爵夫妻とのお話は賑やかに終わっていった。
「まだ日が沈むまで少し時間があるので少し屋敷を見て回りたいのですがよろしいでしょうか。」
「じゃあ私はアヤノを案内してくるね。」
「そうか…外に出るには時間が遅いからな。面白い物はあまりないとは思うがぜひ楽しんできてくれ。」
アリアスさんに見送られながら私とメアリーは護衛のヘルギンさん、元に戻したウッドゴーレムと一緒に応接室から出た。
窓を通して太陽の光を浴びながら廊下を歩いているとヘルギンさんが
「よろしければ訓練場に寄りませんか。今は確かアンナが自主練習をしていると思いますので。」
それを聞いたメアリーが私に確認を取ってくるけど私も会ってみたいから「大丈夫だよ!」
と答えるとそのまま訓練場へと向かっていった。
「そういえばゴーレムを見た剣士やメイドが凄く警戒をしてくるのですがこれは。」
さっきから歩いていると剣を抜こうとしたり魔法を使おうとしてきて危ないと思う。
「それはね…ゴーレムが人に従う事なんて今までなかったから皆は侵入してきたと咄嗟に思っちゃうんだよ。」
メアリーが説明してくれて大体理解した。それを聞いてどうすればいいかなと考えながら歩いていたが……ダメだ!思いつかない……そうだ!こういう時は素直に聞けばいい!取りあえずそういう事を知ってそうなヘルギンさんに聞いてみると
「調教師は自分の魔獣に首輪などの分かりやすい目印をつけているのを町で見たことがあります。」
それだ!それでいこう。明日はその目印になりそうな物を買いに……ううん?待って……私が契約しているってわかればいいんだよ!よし!思いついたら即行動!
そうして私は二人に説明して明日はそれも手伝って貰うことにした。
次は新キャラの登場かも!
明日も頑張って投稿します!