天下布武TV
材料はもちろん木曽檜。
法隆寺五重塔にも使用されていると言われている一級品である。
かんなで丁寧になめすと、檜独特の香気が辺り一面に広がる。
用意するのは横は二尺、縦は1尺の木の板。
板の裏に長さ一尺4三寸の持ち手を添えて釘で打ち込む。
釘の打ち直しは許されない。
たとえ見えない部分でも手抜きした作業は一見すると塵芥のようでも、塵はいずれ山となる。
熊野筆の方が有名かもしれないが、筆といえばやはり豊橋筆に勝るものはない。
硯や墨もこの日のために総力をあげて高級品を取り寄せた。
木曽檜を生かすも殺すも文次第。
道具にこだわるからには、人にもこだわる。
良い道具と良い人材が良い作業となり、よい作業の積み重ねとそれを取りまとめる良い頭脳があってようやく良い仕事となるのだ。
太田牛一に命じ、書き損じのないようきつく申し渡す。
さすが右筆衆。
期待を裏切らない、見事な達筆で書き上げてくれた。
最高の木材、最高の筆、最高の硯で摺られた最高の墨。
そこに最高の達筆。
悪戯埒明候
非の打ち所のない、最高の"ぷらかあど"が完成した。
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信長「おはよおございまあす。"ホトトギス"の、織田信長でえす」
秀吉「"ホトトギス"の、羽柴秀吉でえす」
信長「本日は永禄3年5月19日、過ごしやすい春もそろそろ終わり、段々暑くなってきましたねえ。秀吉くんは最近どうなの?」
秀吉「大雑把な質問ですね!」
信長「はっきりとは聞きにくいよ。だってお前、こないだ滝川フライデーされたばっかだしさぁ。で、どうなの? ねねとは結婚するの?」
秀吉「ちょっと待ってくださいよ! そんなんじゃないですって! 仲のいい友人ですから!」
信長「いやあ、あんなはっきりキスしてるとこ撮られたら言い逃れできないって」
秀吉「もーう」
元康「おはようございます」
二人「おはようございます」
元康「秀吉兄さんいつ婚約発表ですか?」
秀吉「お前もかい!」
元康「三河で読みましたよ。兄さん服部スパにもキス写真撮られてるじゃないすか」
秀吉「もうその辺は打ち上げで話すからさっさとタイトルコールやってくださいよ!」
信長「ええ? じゃあ、そろそろ行く?」
元康「しょうがないですねえ」
信長「"ホトトギス"の……」
三人「天下布武TV!」
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今日の天下布武TVは!
『"ホトトギス"の寝起きドッキリ・イン・桶狭間!』
海道弓取りGPで優勝、さらに今度の上洛マラソン出場予定と、いま一番話題の戦国武将、今川義元にホトトギスの3人が寝起きドッキリ!?
私生活が謎に包まれた今川義元。彼の貴重な宴会風景の撮影に成功しました!
さらに番組の最後には! 松平元康まさかの改名!?
チャンネルはそのまま! 乞うご期待!