七人の男女のおかしな人達が噂の遊園地に行ったのだが……。
時間が掛かりましたが読んでくれると嬉しいです。
「着いたぞ、ここが噂の遊園地か……。」
俺、草山勇は、六人の友達と一緒に、噂の裏野ドリームランドという遊園地に来ていた。
何故来たのかというと、それはごく普通の高校生のごく普通の会話だった。
「なぁ勇、最近暑いな‼」
それはお昼休みの昼食の時だった。
少し茶髪で少し背が高い話しかけてきたこの男は、須古山翔太だ。
彼は小さいものや小や少しという言葉に敏感だ。最近は自分の名前に美しいとか言う変人だ。一様これでもクラスのまとめ役だ。
「何だ変人?」
俺は思った事をつい言ってしまうため、回りから余り好かれない。
そして、唯一の友達は全員おかしな奴らだ。
「おいおい、行きなりドストレートだな‼まぁ良い、それよりさ夜に何処か行こうぜ‼」
こいつ何を言っているんだと思いつつ、断ろうとも思った。だが、変なところで粘り強いから適当に返事した。
「へーへー。」
「うんじゃ行くってことで‼でもなー、二人だと花がないし面白くもない。」
翔太は唇に手を当て考えた。俺からしたどちらでも良いがそこら辺いつもの適当だ。
翔太はよしと言って教卓の前に立ち言った。
「誰かこの夏何処か行こうぜ‼
まだ具体的なことは決まってないが集まってくれると助かる‼」
クラスの同級生は全員ざわつき始めた。
そりゃそうだ。普通こんなこと言われても行くわけがない。
そう思ってた矢先、一人の男が手を挙げた。
「面白そうじゃん‼俺行くぜ‼」
手を挙げた黒髪の男は俺の友達であり変人の森山鉄也だった。彼は面白い事にはすぐに首を突っ込む男だ。
こいつと一緒だとトラブルしかない。前に一度に海に行ったとき、自動販売機を間違えて壊したのだ。ほんと、どうやったら間違えて壊すんだ?
「お、鉄也か。後、他に行きたい人は放課後にお願いね‼」
正直、これ以上誘ったら大変な気がしてきた。
授業が終わり放課後。しばらく待ってみると、案の定俺の友達であり変人が四人も現れた。そして口を揃えていった。
「俺も行きたい‼夏は危険がいっぱいだからぞくぞくするな!とういうわけで洞窟行こうぜ!」
「私も行きたい‼なるべく近いところが交通費も掛からなくていいですよ!まぁ、私にかかれば番犬に乗り移動するがな。」
「す、少し興味が…ある……から行きたい。」
「夏は基本的に暇だし、楽しそう。それに、新しいゲーム見つかるかも‼」
まず最初のこいつは、和田筈木だ。一言で言うとドМだ。こいつは死なない限りどんな危険なこともやりたい男だ。昔、中学の林間学校で、口と鼻を息ができないように縛り滝に飛び込んだことがある。ここにいるということは生きてるのだが、案の定先生や親に怒られた。そのあと彼は、「すっげー楽しかった!またやりたいな!」と言ったのだ。これはもうどうすることもできない。
二人目は、藤野愛彩、幼馴染だ。こいつも一言で言うと、中二病だ。小学六年の卒業式の時に、卒業証書の時にマイクがあることを忘れて、ネクロノミコンの一部を貰ってしまったとか言っていたのを覚えている。その後、小一時間ほど、抱き着かれわんわん泣いていた。それと、俺は愛彩のことが好きだ。
三人目は、中村佑夏だ。こいつは、コミュ障だ。小学校の時、一人で買い物した時、店員に「はぁ?」と訳も分からず言われて、その後も、他の人にも言われると思い、あんまり喋らない。正直、コミュ障になった理由がしょうもないと思ったが、心に留めておくことにした。
四人目は、藤木壮太だ。こいつはゲーマーだ。
昔、将来の夢を聞いたことがあるのだが、「世界中のゲームをやりつくす‼」と幼稚園児が言いそうな事を言った。ちなみに現在は某人気の会社のゲーム機やソフトを全部揃えたと、数日前に言ってたな。まぁ、友達としては好きな奴だな。
「そうだな、これだけ人がいるとみんなの都合やサイフの中身の事が問題になるな。取り敢えずみんな何円持ってるか言ってくれ。恥ずかしかったら紙に書いてくれ。」
翔太はみんなにそう言うと、近くの紙に自分が持っている全財産を書き渡した。
「じゃあ失礼だと思うけど見してもらうな。」
みんなが書いた紙を見ると、少し苦笑いを始めた。
「一つ……聞いても良いか?」
みんなはどうぞと言うと、翔太は机を叩き立ち上がる。それに佑香はビクッてなる。
「まず勇‼お前千円ってなんだよ‼中学生のお小遣いか‼前バイトしてるっていってたよな⁉」
「こっちはバイトしたお金全部親に預かられて消えてるんだよ‼それと机を叩くな‼一人怯えてるだろ‼」
「お、おう悪かった。佑香さんごめんな。鉄也と佑香さんは普通でした。それに比べてお前らはなんだよ‼700円って‼」
翔太は筈木、愛彩、壮太に対し怒る。
「液体窒素買ったんだ‼あれを首もとに近づけるだけど物凄くぞくぞくする‼瓶に入れて布を何枚も巻いて首に当てる。徐々に取っていく。あぁ、考えただけでぞくぞくしてきた‼」
「魔法使いが使いそうな杖を買いました。まぁ私自身魔法使いだから杖だったら何でもよかったんですけどね。」
「前に人気のゲーム集めたときにそれぐらいしか残ってない。」
三人はニヤニヤ、どや顔、幸せそうにそう言った。
「何でそんな必要無いものを買うの⁉」
「そういうお前は?」
勇はそんなに持っているのかと気になり聞くと。
「四十一円だ。」
佑香を覗いた五人は「お前が一番少ないのに偉そうにするな‼」と言った。
「全く、これじゃ電車どころかアイスも食べれないぞ。どうするんだ?」
鉄也は近くの席に座り、そう言う。
「確かに、これじゃ近くの公園に散歩するぐらいしか出来ないな。」
「では、冥界の扉を開きアウターヘブゥンに行きましょう‼」
「後で相手してやるから黙っといて。黙ってくれたら間接ごとに曲がる魔界王の人形あげるから。」
魔界王人形と聞き目を光らせ。
「それなら分かりました‼」
あっさり静かになった。周りからもチョロいなと思う。
「それならさ。肝試しとかどうだ?墓場とかいいんじゃないか?」
「今時墓場ってもな。もっと有名な場所とか無いの?一番近くて。」
「そ、それなら。と、裏野ど、ドリームランド……とかは?」
佑夏は言葉を詰まらせながらも言う。
「裏野ドリームって何だ?」
壮太は聞いたことがなく勇に聞く。
「昔廃園になった有名遊園地だよ。理由は……子供が突然消えたりジェットコースターの謎の事故、エトセトラ。」
説明するのがめんどくさくなりエトセトラで片付ける。
「つまり色々あるっとことか?」
「そう。でもあそこ霊とか出るの?」
「えっと、ちょくちょく、人が行って、行方不明になってる。」
「じゃあそこにしますか。日付は夏休み初日‼時間は夜中‼場所は駅前‼持ち物は各自自由‼念のため親に何処行くか言っておけよ‼」
翔太は少し楽しそうに言い日時・日付を言い「解散‼」と言った。勇は正直心配していた。ホラーやドッキリは馴れてるが他の人がなーと思っていた。
「ど、どうしましょう。勢いのままあんな調子で言ったの後悔してます。そ、それに廃園に行くのは少し抵抗が。」
帰り道、勇と愛彩は夕焼けの中帰っていた。愛彩は下を向きながら愚痴をこぼしていた。彼といるときは素に戻り人前では中2病を発している。
「大丈夫だろ。別に誰かが脅かすわけではないし一人で行けとも言ってないんだぞ?」
「そ、それもそうですね‼フフ何だ心配する必要はありませんでしたね‼」
「でも人が必ず消えてるらしいしな。」
「そ、そういうのは言わなくていいんですよ‼あ、もう家に着きましたか。ではまた明日です。」
愛彩は爽やかな笑顔で勇に言きそのまま家に入る。そのあと勇も自分の家に入る。
「お帰り~。」
勇の母の声が台所から聞こえる。
「母さん、夏休みの初日の夜に友達と心霊スポット行くから‼」
「何でまた?まぁいいわ。あんたも高校生何だからあんまり居ずに帰りなさいよ‼それと早く愛彩ちゃんに告白しなさいよ‼とられるわよ‼」
「一言余計だよ‼言うの一番恥ずかしいんだからさ‼」
勇は顔を真っ赤にして二階に駆け込み着替えベットに座る。
「……分かってるんだよ。」
そうこうして夏休みの初日、勇は懐中電灯やスマホ、飲み物やライターを小さな鞄に入れ家を出る。それと同時に愛彩も出てきて一緒に行く。駅に着くと他の五人もベンチに座って待っていた。軽く挨拶をして裏野ドリームランドに向かう。
そして現在。
勇達は道にそって進み何もなく裏野ドリームランドに着く。パッと見の外観は昔に廃園したのに、どこも錆で腐敗したり草で生い茂ってるわけではなかった。写真で昔のドリームランドを見たことがあるがそれと一緒だった。
「綺麗だな。本当に昔に廃園したのか?」
「おい、みんな来てみろよ‼」
勇は疑問に思っていると、翔太が何かを見つけ呼び掛ける。
「この遊園地の地図だぜ‼え~とアトラクションは……たったの六台しかないぞ?こりゃ廃園してもおかしくないな。」
「とりあえず笑ってないで中に入ろうぜ。」
ひとまず廃園した遊園地に入り道なりに進む。
「で、このまま進むとまず何があるんだ?」
勇は周り見ながら歩く。翔太は地図を確認すると、「ジェットコースターだ」とみんなに伝えた。
壮太は急に怖い口調で話しかける。
「実は俺、ここについてネットで調べてきたんだ。…アトラクション六台じゃん?その六台とも心霊・怪奇現象・不慮の事故があったらしい。確か最初はジェットコースターだったよね?そのジェットコースタ事故があったらしいけど。全員…内容がバラバラだったらしい。」
それを聞いて、勇と鉄也と筈木以外全員震える。そのまま三人は怖くない怖くないと言っていた。正直、何故あの時反対とか言わなかったのか気になる。
そうこうしていると、最初のアトラクション『ジェットコースター』についてしまった。
「で、どうする?動いてないと思うけど一回乗ってみる?」
さっきから震えている三人は一斉に首を振る。
「しゃーねぇ。俺ら四人で行くからそこで待っとけ。」
四人は震えている三人を待機させ中に入る。途中悲鳴とか聞こえたけど何かに驚いただけだろうと思い進む。
中は入り口同様奇麗だった。レールは昔なだけあってチェーンだった。今にも動き出しそうだったが一つだけ錆びていた。それは機体だった。安全バーは一つしか残っておらず今にも壊れそうだった。更に、制御装置を見てみると完全に壊れていた。
「うっわ、これは酷い。」
「これだけしかないから戻るか。」
「同意。」
三人は戻ろうとしたが、筈木は機体に乗り安全バーを下げた。
「お前、何やってるの?」
「実は俺ジェットコースター乗ったことないんだ‼」
「うん、わかった。殴るから降りろ。とっくに廃園してるから動かねよ。」
勇は機体に近づくと、ガコンと音が鳴り音がなりノイズ交じりのアナウンスが鳴り始める。
「ま、まも……、ジェッ……ー…ターが、動きます。乗車す…か…はお早めに。」
そのアナウンスを聞き、三人は急いで筈木に近づき、「早く降りろ!!!」といった。筈木は不思議に思ったが安全バーを上げようとしたがピクリとも動かない。
「あれ、動かない?」
「はぁぁ!?嘘だろ!?」
勇は急いで安全バーを上げようとするが動かない。それを見て鉄也も一緒に上げる。
「やっべwwww笑えてきたww」
「笑ってないで上げるの手伝え!!!」
壮太も笑いながら上げるのを手伝いやっと上がり急いで筈木を担ぎ、アトラクションを出る。
慌てて帰ってきた三人を見て、待っていた三人はどうしたのか聞く。説明すると、翔太は少し鼻で笑い「アナウンスの誤作動だろ?ビビって損した!!先に進もうぜ!!」と言った。少し殴りたいと三人は思った。他のの二人も「少し安心しました。」といい先に進む。
「…本当に誤作動だったのか?」
鉄也は少し真剣な顔になり考えた。確かに誤作動だったのかもしれないと思い始めたが、ジェットコースターを何を思ったのか見ると動いていた。制御装置が壊れていたのに何故動いているのか分からなかったが、次の瞬間、ジェットコースターは脱線しそのまま落下した。四人は直ぐにその場を離れた。
「なあ、このまま進むの大丈夫なのか?」
「ぐ、具全とは思えないしな。」
「次は確かアクアツアーだっけ?そこでは何があるんですか?」
少しワクワクしながら筈木は答えた。あの状況でも全く動じなかったこいつの精神が少し羨ましく思えた。
「次のアクアツアーは謎の生き物が泳いでるってネットに載ってました。その生物は未だに謎らしいです。」
今回は普通に情報を言った。やはり少しさっきのに動揺してたのだろう。
そんな感じで歩いていると、二つ目のアトラクション『アクアツアー』に着いた。しかしそこにいたのは愛彩と佑夏だけだった。
「おい、二人とも。翔太は何処行った?」
二人は無言でアクアツアーの方に指を指した。
「おい、何故止めなかった?」
「謎と言われると、『ビビる必要は無い。だから俺は行く。』って少し意味不明な台詞を言っていたのでそっとしとこうかなと。」
「おい、愛彩。もしあれ動いてみろ。終わるまで帰ってこれないぞ?」
「そ、それはそうですがいくらなんでも昔に廃園したばかりあせる必要は無いです‼」
勇と愛彩がそう話していると、壮太が何やら旗を建て始めた。
「何……してるんだ?」
「いや、二人ともフラグを建ててるから建設しようかと。」
「余計なことはするな‼」
そうこうしていると、またガコンという音が聞こえた。六人は急いで行くと、出口から翔太が出てきて、膝を崩していた。
「お、おい。どうした?翔太無事か?」
「あ、ああ青い人形ののの。羽の生えたざ、ザリガニ。」
翔太は意味不明な言葉を言っていた。
「お、おい何があった?」
ひとまず翔太をベンチに寝かせた。
「羽の生えたザリガニ……み、ゴミかな?」
「あー、確かにいたなゴミが。」
勇と鉄也の会話は何を言ってるのか分からないため無視する。
「で、どうする?このまま進むか?」
「た、ただ、何かにびびびビックリしただだだけですよ。」
少し手を震えさせながら愛彩は言ったが、その前に佑夏がマナーモードになってしまった。
「とりあえず、まだ偶然かもしれない‼進んで一人でも帰りたいと言ったら帰るぞ‼」
愛彩は何度も頷く。他のみんなも頷く。とりあえず進むことになったのだが、動けない奴をとりあえず勇は翔太を担ぎ、壮太がマナーモードの佑夏をエスコートする。
「一様聞いておくが次は何のアトラクション何だ?」
「ミラーハウスだ。このアトラクションは出てきた人が中身だけ入れ替わるという少し恐ろしい。」
壮太の説明にめんどくさいという気持ちが伝わってくる。
「お前、段々めんどくさくなってるだろ。」
右手をグーにして親指をたてた。物凄く殴りたい。
またしょうもないことをしているうちに三つ目のアトラクションは『ミラーハウス』に着いてしまった。それほどでかいわけでもなく、二分ぐらいで終わりそうなアトラクションだった。
「とりあえず誰か行くって言っても行かないと思うし今回は俺が行くわ。」
翔太を鉄也に預けミラーハウスに入る。
中は天井や壁、床まで鏡だった。念のため持ってきた懐中電灯で進むが特に何も起こることが無く出口まで着いたがふと右の鏡を見ると、自分は鏡を見ているのに鏡には出口の方を見ていた。慌てて左の鏡を見ると、人間では出来ない顔の表情でこちらを見ながら笑っていた。勇は出口に行こうとしたが自分の中で出口からでたらめ駄目だと思い入り口の方から出ることにした。道中の鏡には悔しそうな顔が写っていた。
慌てて入り口の方から出ると皆は出口で待っていたため少しどうしたんだというように慌てて勇に近づく。
「何故入り口の方から?」
「か、勘で出口は不味いと思った‼あー、良かった‼」
「そ、本当に心配しました‼でも良かったです‼」
愛彩は少し泣きそうになったがこらえて「さぁ、先に進みましょう‼」と言い勇を引っ張る。
その時、勇は思った。帰ったら告白し用と思ってたとき、壮太が小声で「その考えはここを出た後が良いと思うぞ。」と笑いながら言ってきた。考えてることをよまれ少し動揺したが、黙っておくことにした。
壮太に次のアトラクションを聞くととうとう説明が雑になり「ドリームキャッスル。」とだけ言った。まぁ怖い話を聞くよりましかと思った。
早速『ドリームキャッスル』に着いたのだが、中から悲鳴が聞こえ一人がボロボロの状態で出てきた。何があったのか聞くと、「ご、拷問室があって‼な、仲間が‼う、うわぁぁぁぁぁ‼」と言って走っていった。
「……止めとこう‼」
他のみんなも「うん‼」と言った。さすがに今回は洒落にならないと思ったのだろう。
「……で、壮太君よ。次は何だね?」
「メリーゴーラウンド。誰も乗ってないのに明かりが灯って勝手に廻ってるらしい。(まぁ、その灯ってるのが何か危険らしいけどボソ。」
それを聞いて、女子達は安心する。最後気になることがあったが気にしないことにした。
そして、残すところ後二個のアトラクション。『メリーゴーラウンド』に着くと、確かに誰も乗っていない、勝手に火が灯っている。少しどことなく安らかな気持ちになるが見すぎると意識を失いそうになる。慌てて自我を保ち離れようとするが、他のみんなは少しメリーゴーラウンドに近づこうとしていた。取り敢えず意識を戻そうと、鉄也、壮太、筈木を殴った。その後愛彩と佑夏を揺すった。そして急いでその場を離れてた。
「ハァハァハァ‼良かった全員元に戻った‼」
勇は近くのベンチに腰かける。
「確かに、あれは何かにひかれるような感覚だった。っと、それよりもう最後だな。次は言わなくてもわかる。入ったときから目に入ってた。観覧車か。」
勇達の目の前にあるこの『観覧車』がこの裏野ドリームランドの最後のアトラクションだ。そして出口にも近い。
「この際説明はもう要らないよね?」
「どっちでも。」
「さて、他分野動くだろうしこの際全員で乗る?」
少し静かになったが、翔太以外全員頷く。その翔太はまだ伸びている。
「じゃあ二人一組で乗りますか。」
そんなわけで、勇と愛彩。壮太と佑夏、筈木と鉄也と翔太で乗ることになった。観覧車に乗ると案の定動き始めた。俺達は少し怖い思いをしたが、観覧車から見える夜景を見て少し安心した。
この時、勇は決心した。愛彩に告白しようと。
「あ、愛彩。聞いてほしいことがある。」
「何ですか?もしかして、魔界王Jr.人形買ってくれるんですか?と思いましたけど違いますね。何ですか?」
少し言いにくかったが、決心して言った。
「ずっと前から、好きだった‼付き合ってくれ‼」
その言葉を受けて愛彩は全身赤くなりモジモジして言った。
「和、私で良ければ。よろしくです。」
それと同時に、ガッツポーズしそうになったが急に観覧車が止まった。何事かと思い外を見たが何もなかった。少し落ち着いて待っていると個々にいる誰でもない声が聞こえてきた。「出して……。」と。それを聞いて、少し愛彩がパニックになったが手を握り「安心しろ俺がついている‼」も言って落ち着かせた。その後、観覧車はゆっくり動きだし全員急いで遊園地を出た。
勇達は駅前に着くと、全員「怖かった‼」と言って笑った。
「さて、どうするか‼さっき勇と愛彩が付き合うことになったが‼」
鉄也と筈木が笑いながらそう言った。勇はハッ?と思い二人に聞くと「実は声が丸聞こえだったんだよ‼」と二人は笑った。当然それを聞かれた二人は赤くなる。そこに追い討ちを掛けるかのように壮太がきて言った。
「勇、ごめんな。実は勇が愛彩さんのこと好きなの知っててポケットにボイスレコーダー入れさしてもらった。『安心しろ俺がついてるから‼』参考になりました‼」
勇のポケットに手を入れボイスレコーダーを取り出した。今まで気づかなかった自分が恥ずかしい。
「笑うなぁぁぁ‼」
勇は壮太からボイスレコーダーを取り上げようと追いかける。
愛彩は少し顔を隠していたが、佑夏が隣に座る。
「お、おめでとう。」
「うん、ありがとう。」
「じ、実はね。私壮太君と付き合うことにしたの。」
愛彩はそれを聞いて驚く。理由を聞くと、「そ、壮太君も観覧車で告白したの。ビックリしちゃった。」と嬉しそうに言っていた。
「佑夏ちゃんもおめでとうございます‼」
「ありがとう。」
時計を見ると、午後11時だった。二時間しかいなかったが勇達にとっては最高であり最悪の一日だったのかもしれない。でも、嬉しそうな笑い声は何時間も聞こえた。
今思うと、何故動いたのか?あの声は?謎の生き物は?と思ったが、勇達はそんなことどうでも良かった。今みんなでここにいることが良かったのだ。
もしかしたら後日談を書くかもしれません。
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