アンチ少女漫画
「あ、アミー。これ面白いから読みなよ。貸してあげるから」
「なにこれ?」
「知らない?最近売れてる少女漫画だよー。こんどドラマ化するし!超キュンキュンするから!」
最近、世間には少女漫画が溢れている。
少女漫画の実写化、アニメ化、ドラマ化ーー
とりあえず人気の漫画をメディア化すれば話題になるだろう的な?
ほんっっっと、くだらない。
私は少女漫画なんて大嫌いだ。
アンチ少女漫画!!なのだ。
「あー…理由聞いたほうがいいの?」
私の主張を聞いて面倒くさそうに返すのは幼馴染のスイちゃん。
幼稚園から今、高校までずっと一緒なのだ。
「よくぞ聞いてくれました!私だって中学のときまでは読んでたんだから!
少女漫画ってさ、大体男の人2人でてくるじゃん?それでヒロインがそのうち1人をすっごく好きになって付き合うでしょ?
それでさ!大体フラれるじゃん!!急に態度変わって!ちょっと聞いてる?」
熱くなる私と対照にスイちゃんは爪をいじりだした。
「聞いてる聞いてる。で?」
「そんでさ!もう1人の男が優しくしてヒロインもそっちになびくじゃん?で、そこがくっついてめでたしじゃないじゃん!!
大体そこで最初の男がフッた理由判明してさー本当は嫌いじゃないとかなってさーー
すっごく優しいほうを捨ててそっちの男とるでしょ?
それが納得いかないの!!!女最低じゃん!!優しい子が可哀想!」
「あー…ありがちだけどみんながみんなそうじゃないでしょ?」
「私が読んだ漫画の8割はそうだったね!だから嫌い!私だったら絶対優しいほうを選ぶよ」
少女漫画なんて読んでてイライラするだけだもん。
もし、もしだけど私だったらそんな悲しませることしないよ!