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小田からの贈り物

いつまでも。

作者: 小田虹里

ねぇ、あなた。



今、あなたはどの辺りを旅しているのでしょう。


あなたが旅立ってからもう、幾年。


いつまでも、僕はあなたを忘れることは出来そうにありません。



あなたが好きで、好きで、好きで……。



あなたが居なくなった日のことを。


あなたが最期に息をした、その瞬間のことを。



忘れられそうにありません。



ねぇ、あなた。



好きだった食べ物は、しいたけ。


毎日飲んでいたのは、しゃびしゃびに薄めたコーヒー。



今でも、ちゃんと覚えているよ。



だって、僕の大切なひとだから。



「大切なものは、失ってから気づく」



よく、そういうけれども、僕は失う前から知っていたよ。


あなたの代わりなんて、誰にも出来ないことを。


あなたの存在が、誰にとっても「太陽」のように大らかだったことを。


救いだったことを、温かかったことを……しっているし、忘れないよ。



いつまでも。


いつまでも。



僕は、あなたを愛していました。


いいえ。



僕は、これからもあなたを愛しています。


いいえ。



みんなが、あなたの安らかな眠りを望んでいます。



それは、僕だけではなくみんながあなたを、愛しているから。




いつまでも、いつまでも……。



 こんばんは、小田です。


 今日は、大好きなママが亡くなった日。まる二年……そう、三回忌。ママが居なくなって、もう二年が経ってしまいました。早いものです。


 ママが居なくなった年に、パパは頭の手術をしました。パパの涙を見るのは、その日がはじめてではありませんでした。


 ママが生きていたときにも、パパと何度か大喧嘩しました。パパを泣かせました。


 ママが亡くなったとき、パパは気丈でした。葬儀の準備に追われていました。


 でも。


 葬儀の最中、そして、挨拶。お別れ。


 パパは、泣き崩れていました。


 小田がひどく泣いたのは、ママが亡くなる前日でした。何かが、知らせたのかもしれませんね。


「ママが死んじゃう! ママが死んじゃう!」


 そう、泣いていました。


「パパ、ぎゅってして……」


 そう、ねだって……パパは、優しく抱き留めてくれました。


「大丈夫。ママは、ここからが強いんだから」


 そう言ってくれて。翌朝、徹夜続きで身体がしんどかったけど、びくっと起きて。昼の十二時に病院着いて。三十分、ママとお話が出来ました。


「パパがね、ママはここからが強いって言ってたよ」


 そうやって伝えると、涙をほのかに浮かべながら、照れた顔をしてママは、こう言いました。


「ママにはそんな言葉、一言もかけてくれないのに」


 ママは、パパのことが大好きで、大好きで、結婚したんだって……このとき、思ったんです。


 出会いは、運命的なものでした。


 パパの、一目惚れからはじまった、遠距離恋愛でした。


 パパは、怒りんぼで、ママはよく愛想つかしていました。だから、小田には甘いパパだったけど、ママを悲しませるパパを、あんまりよくは思っていませんでした。


 でも、ママもパパが大好きだったんだって……分かったんです。


 結婚って、こういうものなんだって……思いました。


 ママ、小田もパパも、寂しいです。


 ママが居なくなってしまって、早くに消えちゃったから、寂しくてたまりません。


 よく、パパと喧嘩します。でも、ちゃんと仲直りしています。


 ママの三回忌……「もう、いかない!」そんな風に怒るくらい、パパと喧嘩しました。でも、小田が悪かったのです。仲直りしたし、ちゃんと法事出るからね。


 いつまでも、いつまでも……大好きな、ママへ。  2016.12.22


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